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2011年6月 6日 (月)

以上を要約すると(要約になっていないが)

以上を要約すると

8回におよぶ利根川の基本高水の検証の結果、
・ 国交省が出してきた計算方法(新モデル)は妥当だった
・ 国交省が出してきた値は、自分たちが作ったモデルでの計算と一致していた。
・ ただし、計算結果が正しいとはまだ言わない。
・ なぜなら東大と京大でのモデルによる検証が残っているから。
・ 今日までに言えることは計算方法は間違っていないということ

だということになる。

ただし計算モデルは正しかったと言っても、
その計算モデルは自分たち分科会が推奨したものだから間違っていなくて当然。
国交省は、最初に、委員たちに不可解なモデルを出してきて、委員たちの不評を浴びた。
これによって、あえて、通常、委員たちが使っているモデルを推奨させたとも言える。
それは、従来、国交省が使ってきた計算モデルでもある。

最後に、委員長に本質的なことを聞いた。
(国交省による)インチキはなかったんですか」と。
しかし、その答えで、結局、8回も分科会を開いたのに、
インチキの検証はしてくれなかったことが明らかになってしまった

問いは二つ、一つは後ろ向きな問い、一つは前向きな問い。

1. 後ろ向きな問い:
この分科会は、なんだったのか?何の意味があったのか?

こんな机上の計算で「治水」が決まっていいと考えている研究者はおそらくいないはずで、一種の基準を出したあとは、あとは政治や政策で決まることを思っておられるのでしょうが、

実際には、原発の件でそうだったように政治家とは、専門家頼りであり、専門家の選択を間違えば、それだけで国民の運命が変わる側面がある。

平たい言い方で言えば、「インチキの検証をしてくれ」というのが元大臣の依頼だったにもかかわらず、そこにタッチできなかったのだとすれば(インチキが発覚する前の数値での検証を行っていないとすれば)、何の意味があったのだろうか?

2. 前向きな問い:
この検証は、日本全体の治水の問題を変えるカギ(ヒント)を提示している。

そのカギとは、この検証の議論を分かる人がいるかどうかです。この議論を聞いて、分かる人が何人いるでしょうか?この議論があったからと言って、河川の流域に住んでいる住民は、自分の身が守れるでしょうか。自分が抱えているリスクが分かるでしょうか?

いいえ、分かりません。

八斗島(たったじま)という群馬県の1地点で200年に一回の大雨が降ったときに、何トン流れるのかを決める計算モデルが正しいか間違っているかという議論を聞いたからと言って、自分の目の前にある堤防が、たとえば、今回の地震でどれだけ脆くなっているかが分かるでしょうか? 

いいえ、分かりません。

その計算モデル(計算モデル)やそれにいれるパラメータ(定数)が正しいからと言って、堤防が強化されるのでしょうか

いいえ、強化されません。

もしも、200年に一度の雨が降ったときの群馬県の一地点である八斗島(やったじま)で何トンの水が流れるかが、1.6万トン(それなら八ツ場ダムは要らない計算)であれ、2.2万トンであれ(国交省の従来の計算)であれ、2.11~2.4万トン(分科会が出してくるであろう幅を持った計算)であれ、それとはまったく関係なく、地震で緩んだ堤防が大雨で決壊して壊滅的な被害が出たときに、専門家はなんというのでしょうか

私たちは「モデルを検証」しただけです、「モデルは正しかった」と言うのでしょうか?

せいぜい1.6万トンだから八ツ場ダムは要らない。それより弱い堤防を優先的に強化していくべきだということを警告している市民団体は、堤防決壊で被害がでたときに「それみたことか」なんてことは言いたくないはずです。そうならないようにするためには、流域に住む住民たちが、洪水が起きたらどんな被害に合うリスクを抱えているのか、どうすれば死なずに済むのかを、一人一人が知ることしか始まらないんですよね。3.11地震は、そのことを私たちに、教訓として残してくれたはず。

リアルタイムの教訓を生かすための治水のあり方へ、今回の、一般の人にとってはチンプンカンプンの検証の議論が、導いてくれるのではないかと、私自身は期待したいし、そのためには何ができるのかを考えなければならない。限られた時間でとても辛い。毎日がとても辛い。自分の能力のなさと中途半端さがとても辛い。でも、そんなことは多分、どうでもいいぐらいに重要なことだし、諦めて踏み出さない一歩より、中途半端でもいいから出す一歩が次につながるんだぜ。>って自分に言っているだけですから無視してください。自分の中で盛り上がらないと力がでないんですよ。

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