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2011年8月11日 (木)

土砂流出?地すべり?(2)

炎天下の中、到着したのは元々の山が残る木陰。

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道路が地山(造成していないもとの山)と造成したところの境で落ちている。手前の路上にヒビがはいっているのを見ると、どこから道路が引きちぎられるかは、崩落していく土の固まり次第であることが見て取れる。
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地山の斜面を見ると、これは流出してきた土砂で削りとられらのではなく、自重で”崩落”したのだと分かる。この箇所だけを見れば、余所からきた土砂流出の通り道には見えない。引き金になった可能性があるにしても、この急斜面の下から崩壊してそれに伴って落ちた斜面に見える。土砂崩れや流出というより、一種の地すべりではないでしょうか?

さらに、道路側を注意深く見ると、シートと土嚢で隠れていますが、山側には段差ができているように見えます。
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小さな土嚢に隠されているところをチラっとめくってみると
側溝と道路の境がパクっと開いていています。(左側が谷側)
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以下の写真(上記と逆で右側が谷)でいうと、一番山側(左側)に、土砂が流れ下った痕と思われる草の生えていない地面があり、土砂が流れ下った痕は、下にいく道路に沿って続いていました。ちょっと不思議です。シートがなければもっとよく、何が起きたか分かりやすいと思います。ここは急斜面であり、この上に代替地が乗っているので、慎重な検証が必要ではないかと思います。
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八ツ場ダム工事事務所は、これらを一つの現象と捉えているのか、
排水用暗渠管の呑み口付近に沢筋からの土砂が堆積、雨水が流路工から溢水」したと”土砂流出”の状況推測しているのですが、
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000042804.pdf 

その推測には少々首を傾げます。

流路工”と国交省が呼ぶ排水路は「作っている最中だった」(作業員さん曰く)から溢れたのであろうことは、見た目にも分かるのですが、その他にも、排水路の外を削りながら土砂が流れ下った痕があるし、
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土砂や水が排水路の穴↓の外まで流れ下った痕跡が残っている。 144

↑排水したあともなお、作業員さん曰く「1.5メートルぐらい」が今も土砂で埋まっている。

しかし、それを上から見ると、
この穴を通った土砂は、排水路の入り口の半分ぐらいだったのではないかと思えるような痕しかみることができません。
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この途中までしかできていない排水路の出口側で、雨水と土砂の行き場として用意されていたのが、直径30センチの暗渠管。その容量を超える土砂がここには流れ込んで使い物にならなかったというわけです。(作業員さんの足もと脇に転がっている黒いヤツ↓)

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上記写真に映っている重機は、その役に立たなかった埋めてあった「管を取り出したときに掘り出した土を埋め戻しているところ」だそうだ。

一箇所に集められた大量の水や土砂の行き場が途中で終わっていれば、当然、重力でそれが人間のコントロールできない自然の法則で下へ落ちていく。

八ツ場ダム工事事務所は、山からの土砂が、30センチの管に収まってくれると思っていたのか・・・。そんな声が現地では聞かれました。排水路は上からではなく、せめて下から仕上げるべきだったのではないか・・・。完成すれば土砂と雨水は排水路に収まると思っているのか・・・。元々あった自然の谷を潰して人間がかわりに作った人為の谷がどのようなものかを考えさせられます。

他の箇所も見て回りました。直径30センチの暗渠管で排水を考えていたのは、ここだけではなかった。打越代替地と、上湯原代替地の間の谷では、30センチの管がはずれて土砂が路上に吹き出したところがありました。

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ただし、砂防堰堤の終着点はこの道路であり、泥は道路の向こう側まで達していた痕がある。道路崩壊はなし。30センチ管に収まらなければ、砂防堰堤でわざわざ集めた土砂が、大雨のたびにいちいち道路に被害を及ぼすのでしょうか・・・。
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同じように30センチ管を使いながら、破れることなく、外れることなく、何事もなかったところが一箇所あった。隣の上湯原代替地。ここはわざわざ削って人工的に谷を作ったように見えます。
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下から山側を眺めてみました。30センチ管が破けていればこの下流でも土砂流出したのでしょうか。なぜここだけ大丈夫だったんでしょう?もともとの谷ではなかったからなのか?

こうして幾つかの現象を見て回って考えるのは、

1.排水路が未完成の上に、30センチ管が機能せず雨水や土砂を噴出させたこと
2.その土砂が流れ下って下の駅舎や道路などに流出したこと
3.道路を突端に、その境で地山が崩壊していること

この3つは違う現象として見ておく必要があるのではないかと思いました。

なぜなら、1だけが起きたところと、1と3の組み合わせが起きたところがあり、1も3も他の箇所でも別々に起きる可能性があると考えるべきではないでしょうか。地すべりが懸念されてきた地域だけになおさらです。

後ろにそびえる山を見てドイツの森林管理官の言葉を思い出しました。
「水は集めてはいけない。分散させなければならない」

背景にある山々や谷の深さに比べ、人間は小さい。技術の過信だけは止めたいものだと、海や川や山と接するたびに思います。

代替地にお住まいの方にとっては不愉快なレポートになったのではないかと思います。末筆ですが、改めてお詫びします。

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