« 日経新聞の八ツ場ダム社説(3) | トップページ | 八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明 »

2011年10月27日 (木)

前田武士大臣会見

先週金曜日、前田武士国土交通大臣になってから初めて会見に行った。
ダムを推進してきた河川工学者と専門外の有識者という情報と発言力非対称の委員構成、かつ非公開(記者に公開、国民に非公開)で行っている問題の多い「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」について尋ねた。

獲得できた回答は、ダムに頼らない治水の実践者などの会議への追加について。「必要な人に適宜出ていただくというようなことは考えても良いのではないかと思っておりますとのこと。大臣の認識について疑義がある箇所には下線を引っ張った。

http://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin111021.html

(問)今後の治水対策のあり方に関する有識者会議についてですが、これまでいくつかのダムが中止となり、又は継続となっておりますが、継続とされたものの中には委員たちが水余りを指摘したものもありました。
そういう意味で、前原大臣になった時に、批判的な意見を持っている委員ではなく、それまで推進してきた委員を中心に、推進してきた委員の考え方を変えてもらうのだという人選が行われたと思いますが、今後、今までの検証を踏まえて、委員の追加をお考えになった方がよろしいのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
(答)有識者会議の委員の構成をもっと増やした方が良いということですか。

(問)例えば、原発事故を踏まえて、エネルギー総合政策の委員会の方も批判的な委員を加えました。今の委員のメンバーは、推進の方、河川工学者、そしてそれ以外の方という構成になっています。それに対しては随分と批判がございましたので、この辺りで軌道修正をするというようなこと、ダムに頼らない治水を実践してきた方、例えば元国土交通省の職員であった宮本博司さんなどを加えるということはいかがでしょうか。

(答)具体的な人事のご提案のようですが、私の今の理解では、有識者会議というのはオールジャパンの83事業に対して、有識者の高い見識で評価をしていただく会議だと思っております。そして、各具体のダム事業については、各地方整備局を主体にした検討の場がございますので、そこに自治体の長や、かなり専門的な方々も入っていただいて、時には適宜、学術会議に色々検討していただくということも含めて行っております。ですから、有識者会議は元々幅広い構成になっていると理解しております。

特にご指名でこの人ということ自体が、何か意図を持ってというように見られるおそれもあるかなという感じもいたします。もちろん今のようなご指摘があるということも承知しておりますので、必要に応じて、そのような方々も来ていただくような機会は考えなければならないと思います

更に申し上げれば、私は就任以来何度か、前原大臣の時に作っていただいた検討の場、有識者会議、そして検討の場できちんと自治体の長も入って選択されたことを有識者会議に持っていって評価をしていただく、そういった先入観のない検証をしっかり行った上で大臣が決断するというスキームを崩さないということをずっと申し上げているわけです。

このスキームそのものは大事にしていかないと、そもそもの信頼と言いますか、行ってきたこと自体全てがおかしくなるといけませんので。しかし、そこに今ご指摘のような観点から、必要な人に適宜出ていただくというようなことは考えても良いのではないかと思っております。

更に申し上げると、3.11の大震災の教訓というものが何か、その教訓を踏まえた上で、有識者会議にきちんと資料を提供できるようにしたいということが私の考えでありまして、御承知のように、7月の半ばに行われた社会資本整備審議会において、今回の東日本大震災のことについて議論をずいぶんと行っていただいた結果として、命が大事だ、そして災害に上限はないと、この二つの教訓を導き出していただいているのです。

これを踏まえて、国交省の中に、事務次官を長とするタスクフォースを作っていただきました。このタスクフォースは原局である水管理・国土保全局、要するに検討の場というものは各地方整備局でありますが、それが本省に上がってくると、ダム関係というのは水管理・国土保全局になりますので、利益相反にならないようにこことは遮蔽をしております。

今、そのタクスフォースがかなり方向性を出してくれておりまして、そこでいろいろな立場の有識者の話も聞くし、60年にわたって調査を行ってきているのですから、その中には議論されて、今は埋もれてしまっているようなものもありますので、そういうものも全部精査していただいた上で、3.11の二つの方針に沿った資料を集めていただいて、それを有識者会議に提供するということを行っております。

(問)埋もれている資料について、もう1点だけ確認をさせてください。3.11に限らないのですが、例えば、栃木県などは利水はしませんし、治水については、過去、八ッ場ダムの計画を作るときに、当時の建設省の方から参加をしていただけないだろうかという話があったので参画しているということで、栃木県は、実際は利根川とは接してもいないのです。そういった経緯も掘り起こして、国が声をかけて自治体に参加してもらったというようなものは、国自身がもう一度その必要であるかどうかということを検証する必要があるのではないでしょうか。

(答)私も、あまり専門的というか、詳しいことになると、この立場ですからわかりませんが、今のお話はたぶん検討の場においては当然関東地方全体ですから。今、栃木県と言われましたが、栃木県というのは利根川の流域にもなるわけです。思川だとか、こういった川は確か栃木県だったと思います。そういったことも含めて、中にはたぶん資料としてあるはずですから、そういったものも見つけ出せるかもわかりません。

(問)バーターでやったところがあるそうです。
(答)ちょっと何のことだかよくわかりませんが。

(問)思川にも賛成してもらうので、八ッ場にも賛成してくださいということで、実際には関係ない地域同士が入っているということでした。
(答)そういったことも含めて、その中に入ってくるかどうかですね。もちろん、パブリックコメントがありますから、詳しくはパブリックコメントに今言われたようなことも是非提供されたら良いと思います。

|

« 日経新聞の八ツ場ダム社説(3) | トップページ | 八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/42704297

この記事へのトラックバック一覧です: 前田武士大臣会見:

« 日経新聞の八ツ場ダム社説(3) | トップページ | 八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明 »