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2011年10月13日 (木)

日経新聞の八ツ場ダム社説(1)

「ついに」か、「やっと」か、「久々に」か・・・。
日経新聞が八ツ場ダムについての社説を書いた。
八ツ場ダムの早期決着を(2011/10/13付)http://s.nikkei.com/quPDNb 
タイトルには全く同感。しかし、首を傾げる点が多々ある。

利根川水系の1都5県は八ツ場ダムの治水効果や水源としての必要性を強調している」と書いているが、一都五県に記者がいるのだから、もっと事実確認をした上で社論を構築すればいいのに。人口が一番多い東京都の石原知事は、「治水」や「水源」についてなんと言っているか?定例会見(★以下抜粋)でやり取りをして呆れたことがある。各紙記者はその場にいた。

水源」については、数年前に「取水制限」があったというのが理由。しかし、制限があったのは「ビール工場」と「プール」という話だ。(生活に支障がなかったのはむしろ東京都にお住まいの方が覚えているだろう。)実は、石原都知事はいつもこの話を繰り返すので、ほんとうか?と「ビール工場」について取材をしてみたことがある。ところが、制限されたビール製造会社は見つからなかった。たとえプールの話が本当だとしても、日経の言う「必要性を強調している」とはプールの制限が数年前に一夏あったということだけなのだ。

治水」については知事は足もとについてはなんの認識も持たないらしく、埼玉を例に挙げている。その埼玉の例も、明らかにダムではなく、緊急に堤防の補修が必要なケースだった。知事本人も喋りながらそのことに気づいたのか話がボロボロだった。

その後、石原知事のこの反応についてある都議に聞いたら、「いつもそうなんですよ」と言う。つまり、利水のことを聞けば反論できなくなって治水に話をすり替える。治水のことを聞けば反論できなくなって利水に話をすり替えるいつものパターンなのだという。

フリーのジャーナリストの身体は一つしかない。豆鉄砲のようなものだ。弾込めをしながら撃ち続けても限界がある(可能性は∞だと信じているが)。しかし、大新聞は「パーツ」(記者)を沢山抱えていて戦車でも大砲でも組み立てることができるのに、なぜ、いまさら、日本の遅れに遅れた転換期において、行政の言うことの真偽を検証しないまま垂れ流し報道をするんだろう?

★石原知事定例記者会見録
平成22(2010)年8月6日(金) 15時09分~15時38分
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2010/100806.htm

【記者】6月の議会で、公営企業委員会の方で、水需要予測の実施に関する請願ということで、水需要予測の見直しを実施していただきたいということが東京都水道局に求められていますけれども、知事としては、これはどのように、いつ、水需要予測の見直しをするように、指示を出されますでしょうか。
【知事】僕、知らない、その話。初めて聞いた。申しわけない。

【記者】つまり、水需要予測に基づいて水道施設をつくるようにということになっておりますので、例えば、埼玉県は40万立方メートル下方修正をして予測をし直しました。東京都は、まだ、これまで見直しを行っていませんで、実績と予測の乖離が100万立方、埼玉の約2倍以上あるんです。これをやってくださいということを公営企業委員会のほうで、6月の委員会で多数で採択をされています。これをやることによって、例えば、無駄な水道事業、八ツ場ダムはその1つになりますけれども、そういった見直しが可能になってくると思うのですが。
【知事】それは八ツ場の問題に当然関係あることですから。
ただ、数年前に東京では、二百十何日ですか、取水制限したんです。それ1回のことで、それで済んで、当分ないだろうという予測で済むのか済まないのか。あの時は、学校のプールも使えなくなったし、東京のビール会社も生産を停止した。もし八ツ場が仮にあったとしたなら、17日で済んだ取水制限が、117日、続いたんです。こういうものも、1つの公の水路に対する大事な前提条件じゃないかと私は思いますけれども。
 あなたはどういう立場なの。

【記者】ダム問題をずっと報道しているダムジャーナリストですが、いつもビールの工場が停止されたということをおっしゃるのですけれども、確認しましたところ、知事がおっしゃっていたその時期に、ビールで生産ができなくなったというところは、ほとんど見つからなかったということ……。
【知事】そう。僕は東京で2つの会社が、製造を停止じゃないけれども、生産量を従来よりも低めたという話は聞きましたけれど。

【記者】はい。あと、プールにしても、それで人命が失われるというようなことではなかった……。
【知事】もちろんそうです。

【記者】飲み水、あるいは生きていくための最低限のものという、ナショナルミニマム(最低限度の生活水準)、あるいはローカルミニマム(極小値)というものは、見直し……。
【知事】ただ、八ツ場の場合、行ってみて分かるでしょうけれど、あそこまで事業が進んでいるわけです。しかも、利水の問題だけじゃない。治水の問題もあって、埼玉(県知事)の上田(清司)君の話なんか聞いたらいいと思うけれども、堤防が非常に老朽化して、どうどうと浸水してきて、結局、それに対する対策というのは、堤防をつくり直すということで、べらぼうにお金がかかるから、その度に、地元の消防団が出て、ここはまずい、危ないということで土嚢を積んだりなんかしているらしいけれども、堤防の決壊もさることながら、前提となる浸水というのでしょうか、それが堤防の反対側に、わき上がってくるような状況というのはあるみたいだから、これまた八ツ場について考える1つの条件じゃないでしょうか。

【記者】その堤防についてはボーリング調査で、どこが危ないかということが、おおよそ分かっている部分もありますので、そういった部分を、人命を、防災をするという意味で優先させるということは必要だと思うのですけれども。きょうお伺いしたのは、治水という観点も議論はたくさんあると思うのですが、利水について絞って、ぜひ伺いたかったのですが。
【知事】その話、初めて聞きましたんでね。

~~~~~~~~~~~~~~~~~
日経新聞の社説への反論は続く(弾込め中にて時間切れ)。

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