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2011年11月 5日 (土)

Bunch of Useless Meetings(2)

ここからの続き

【収斂しそびれたテーマ「水余り」】
多角的な議論が行われた中に「水余り」のテーマがあった。
8. 岡本雅美・元日本大学生物資源科学部教授は、水余りの批判がかまびすしいと指摘し、水需要予測については各自治体が皆、余裕をもって予測するから、全体としては過大となるというカラクリの一つを解説した。
9. 野呂法夫・株式会社中日新聞社 東京新聞特別報道部は何故自治体があげてきた過大な需要予測を国交省の側で査定しないのか(宮村司会に極端な意見をここでは言うなといなされた人)と質していた。
10. 岡本氏は野呂氏の指摘について、国交省には自治体があげてきた水需要予測を査定する権限はないのだ、と、制度としての問題点を指摘した。

これこそが、学識者同士が議論する意味だ。問題が指摘され、その問題は何故起きているのかを分析する意見が出る。何がおかしいと感じるかと世論を代弁する記者を入れ、制度(カラクリ)を知っている識者を一堂に会させる意味である。そして、それを集約してさらに意見を昇華させることが「できる」采配力を発揮することができるのが司会者の役割である。

直後、岡本氏に取材をした。別件で取材があったのだが、ついでに8.9.10の論点をさらに踏み込んでもらい、一つの結論に達した。「国交省には自治体があげてきた水需要予測を査定する権限はないというのは、これは『水道施設設計指針』を改訂しなければダメですね」と質問すると、「そうです。つまり水道法の問題ですよ。水道法に『豊富』に供給しなければならないとあるから、それに基づいて『水道施設設計指針』は作られているんですよ」と。1往復で済む議論であり、問題への解決策が一つ抽出できた。

水道法を見てみると確かに「豊富低廉な水の供給を図り(第一条)」とあるが、「適正かつ合理的な使用(第二条)」ともあるので、水道法改正しなくても小手先の『水道施設設計指針』改訂で、人口が増えない限りは、新しい水道施設(この場合ダム)を作る前に水利権の整理、融通、調整をする、水漏れ防止工事を行うなどの条件をいれればいい。水道法改正か、水道施設設計指針改訂か、そのどちらかで議論の余地があるにせよ、その場でネットにアクセスして、法令データベースで調べて、ここまで議論をしたとしてもさらに数分である。

国交省に重用されてきた河川工学者である宮村忠氏は、厚労省所管の『水道施設設計指針』の存在を知らなかったのか。それとも知っていて司会力を発揮しなかったのだろうか。

今だから「ほじくり返す」必要のある制度はたくさんある。八ツ場ダムが本当に必要であれば作ればいい。私は本当にそう思っている。だが、制度が劣化しているから不要なものができるのは間違いだ。時代遅れになっている(かつては、水道施設(ダム)を急いで設計し整備しなければ経済発展や人口増加に間に合わなかったわけだが、今はそんな時代ではない)がために、時代遅れで必要性がない施設を、制度の見直しができないからといって、いや、制度の見直しにつなげることのできない議論しかできない会議(Bunch of Useless Meetings)しかできずに、単に未来世代にお荷物になる施設を追加して残して死んでいくべきではないと思っている。使命感をもった合理的な議論をして欲しいのだが・・・。

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