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2011年11月30日 (水)

税金で非公開会議、有志でユースト中継(明日)

昨日(11月29日)、関東地方整備局「事業評価監視委員会」(委員長・家田仁東京大大学院教授)が開催され、この委員会は八ツ場ダムの継続を妥当とする地方整備局案を是認した。これほどの論議を呼ぶ事業であるにもかかわらず、12人のうち6人が欠席だったと言う。なお、この会議は取材可、傍聴はモニタリング室にと分断している。

すると今後は、本日突然発表で、明日(12月1日)18:00~、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が開催され、八ツ場ダムを議題にするというのだ(担当者不在につき未確認)。

この日時は、他分野の研究者122名による「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が同有識者会議に公開討論を申し入れた日時明日(17:00~19:00)と重なる。

会議設置者と有識者会議の倫理、常識、道徳、見識を疑う

要請を断った討論会の日時に、前日になって有識者会議をぶつけてきた。

取材希望者は申し込めとあるが、相変わらず一般傍聴は拒否している。
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000436.html

なお、ダム検証のあり方を問う科学者の会の方はユーストリーム中継がある。http://www.yamba-net.org/

◆日 時:2011年12月1日(木)17:00~19:00
◆場 所:衆議院第一議員会館 大会議室
◆参加費:無料

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2011年11月29日 (火)

ヤラセの真相と民主党政権

八ツ場ダムパブコメで、何故か最終日に130通が5963通に増加し、結果的にその数が埼玉県からのものだったので、これはヤラセではないかと推察された件 、この問題を毎日新聞と赤旗が書いて、「ヤラセの現物」写真が出ている。

八ッ場ダム:意見公募なのに96%が同一文書に署名だけ◇推進派が世論誘導か
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111126k0000e040050000c.html
●“賛成”を大量印刷 八ツ場ダム・意見公募 
5963件中96%が同一文 手書き、住所氏名だけ

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-28/2011112815_01_1.html

なぜ、こんなヤラセをやる必要があるのか?
おそらく、中止すべきという意見が数でも質でも圧倒的に多かったために、量で凌駕しようと思ったからなのであろうけど、あまりにもオソマツである

パブコメだけでなく公聴会でも圧倒的に、八ツ場ダム検証の場では、中止すべきという声が多かった。(この発言緑を見れば分かる)
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000187.html

このブログでも幾つかをすでに紹介させてもらったけれど、
まだ紹介していないところでは八ツ場ダム中止派嶋津暉之さん(ご本人からご連絡)。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000049901.pdf 

竹本弘幸さん(埼玉会場8番)は、学会発表された内容を陳述。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000046274.pdf
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000046302.pdf
このご本人からは昨日、発売のアエラに、http://www.aera-net.jp/latest/
これに関する記事が載ったとご連絡をいただきました。(ご連絡に感謝します!)

深澤洋子さんの発言の裏付けも発表されました。↓

費用対効果のからくり(梶原健嗣さん) 
http://yamba-net.org/doc/karakuri.pdf

栃木県知事の発言もいわば「誤解を狙った騙し」だし、

世界9月号では
基本高水はなぜ過大なのか
──国交省の作為と日本学術会議の「検証」を問う
──

と関 良基さんに暴かれた。

ウソに塗り固められてきたのが八ツ場ダムである。
隠れキリシタンであり続けた長野原町の住民たちも少しつづ勇気を振り絞って発言を始めた。鈴木郁子さんの一連のレポートを是非読んでください↓
http://s35.gunmablog.net/e207802.html

一言で言えば、推進派は危機感を強めたということなのだろうが、

こんな状況でも、どうしても八ツ場ダムを建設したいというのが
これだけあからさまでオソマツなヤラセをやってしまった理由なのだろうが、
これでも八ツ場ダムを作れると思って、
腹の中で笑っている人が日本をダメにしてきたのか、
こんな日本はダメだと諦めてしまう人が日本をダメにするのか、
実はその両方なのだと思う。すると・・・

   諦めない人が日本を変える。
   諦めずにヤラセまでやる人が日本を歪める。

それならば、もしもヤラセと分かっていて諦めて黙認する政権であるならば、この政権に用はないということになる。

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2011年11月28日 (月)

 科学者たちの公開討論会 「これでいいのか! ダム検証ー八ッ場ダムを中心としてー」

【転送・転載歓迎】

 科学者たちの公開討論会
「これでいいのか!ダム検証ー八ッ場ダムを中心としてー」

 ◆日時:12月1日(木)17:00~19:00

 ◆会場:衆議院第一議員会館地階 大会議室(300人収容)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm
 東京都千代田区永田町一丁目7番1号  電話番号 (代表)03-3581-5111
 最寄り駅 /東京メトロ 丸ノ内線 千代田線 「国会議事堂前」駅
有楽町線 半蔵門線 南北線 「永田町」駅

 *受付ロビーで係りが入館票をお渡しします。

第一部 【報告】「八ッ場ダムの検証とは」
「理念なきダム検証」 今本博健(京都大学名誉教授)
 
〈テーマ1 政策決定〉
 「八ッ場ダムにおける政策決定システムの欠陥」 原科幸彦(東京工業大学教授)

〈テーマ2 治水〉
 「八ッ場ダムの治水面の検証の問題点」 大熊孝(新潟大学名誉教授)

 「森林の役割を無視した八ッ場ダム検証」 関良基(拓殖大学准教授)

〈テーマ3 利水〉
 「八ッ場ダムの利水の検証の問題点」 嶋津暉之(元東京都環境科学研究所)

〈テーマ4 危険性〉
 「八ッ場ダム検証の安全対策では地すべりは防げない」 奥西一夫(京都大学
名誉教授)

〈テーマ5 環境〉
 「八ッ場ダムの検証で蔑ろにされた景観の価値」 川村晃生(慶応大学教授) 
                                     
  
第二部 【パネルディスカッション】 コーディネーター 川村晃生
      パネリスト 今本博健 大熊孝 関良基 嶋津暉之 奥西一夫 

「ダム推進ありき」の国交省関東地方整備局による八ッ場ダムの検証報告が
大きな波紋を呼んでいます。

さる11月1日、行政主導の八ッ場ダムの検証に危惧を抱いた科学者80名が
「八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明」を野田首相、前田国交大臣
に提出

さらに同じ呼びかけ人11人が18日、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」を
立ち上げ、ダム推進を容易にするダム検証のしくみを定めた国交省の有識者会議
メンバーらに対し、公開討論会を申し入れました。

国交省の有識者会議に挑戦状を突きつけたともいえる今回の申し入れに対しては、
122名の研究者が賛同の意思を表明しています。
市民の皆さんもぜひ、院内集会にご参集ください。

主催:ダム検証のあり方を問う科学者の会

-----ダム検証のあり方を問う科学者の会呼びかけ人-----
今本博健(共同代表・京都大学名誉教授・河川工学)
川村晃生(共同代表・慶応大学教授・環境人文学)
宇沢弘文(東京大学名誉教授・経済学)
牛山積(早稲田大学名誉教授・法学)
大熊孝(新潟大学名誉教授・河川工学)
奥西一夫(京都大学名誉教授・災害防災学)
関良基(拓殖大学准教授・森林政策学)
冨永靖徳(お茶の水大学名誉教授・物理学)
西薗大実(群馬大学教授・地球環境学)
原科幸彦(東京工業大学教授・社会工学)
湯浅欽史(元都立大学教授・土質力学)

○連絡先:「ダム検証のあり方を問う科学者の会」事務局 (関 良基)
     〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14 拓殖大学政経学部
yseki@ner.takushoku-u.ac.jp
(送信される際には、半角に直して下さい。)

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2011年11月22日 (火)

栃木の妙 氷山の一角

八ツ場ダム検証 第10回幹事会に出された
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000188.html

資料1 パブリックコメントや学識経験を有する者、関係住民より寄せられた意見に対する検討主体の考え方で自分の意見の一つをチェックした。なんと答えるのかなと。すると・・・

P.32 「関係地方公共団体からなる検討の場」構成員に対する意見について
栃木県知事はカスリーン台風で352名の尊い人命を失っていると意見を述べたが、被害が出た地域は八ツ場ダムが計画されている吾妻川とは関係がない。「この台風被害では」との表現でごまかしている。八ツ場ダム見直しの場で述べれば、当然この被害は八ツ場ダムで妨げるとの誤解を呼ぶ

●事業者見解
「関係地方公共団体からなる検討の場」構成員に対する意見については、検討主体としてコメントする立場にございません

・・・この程度の情報の正確性を「検討」しないで、何が検討主体なのか。過去に何が起きたのかは、治水にとっての重要な情報である。それがこの扱いを受けるなら、これは、この検証の性格を表す氷山の一角だ。

ちなみに352人が亡くなっているのは事実。それが吾妻川とは全く関係がない流域であることを栃木図書館で調べて確認したので、パブコメを送った際に、資料として添付したのがこれ。↓

Photo_2

Photo_3

死者の欄↑の拡大です↓(見えにくいとのご指摘にお応えして)

22

こうした先人が残した歴史を未来に生かすのは今しかないのだが。 努力のしがいがない国を、このままでは未来に手渡せない。

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埼玉県の妙

八ツ場ダム検証の意見聴取(口頭の陳述)では、圧倒的に事業に対しても検証に対しても批判的な意見が大半だった。

八ツ場ダム検証のパブコメ(文書提出)については、11月3日時点の応募数が130通だったのが、4日締切で突然5963通になったと嶋津暉之氏に聴き、関東地整にも確かめたが、その通りだった。その5千なにがしかは、組織的なヤラセではないかと疑われていたが、

その組織的なヤラセの正体はこれで明らかになったのではないだろうか。

Photo

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000049265.pdf (P.6-9)

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八ツ場ダム検証 素案と原案の違い

●パブリックコメントにかけた
八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000184.html
には、次のように対応方針が書いていなかった。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000045321.pdf
7. 対応方針(案)
今後、対応方針の原案を作成し、事業評価監視委員会の意見を聴き、対応方針(案)を記述する予定。

●ところが、第10回幹事会(平成23年11月21日開催))で出された昨日の原案では
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000188.html
事業評価監視委員会の意見を聴く前から
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000049266.pdf
○対応方針(案)
「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づき、検証に係る検討を行った結果、八ッ場ダム建設事業については「継続」することが妥当であると考えられる。

に変わっている。しかし、

●関東地方整備局事業評価監視委員会の開催は今日なのだ。
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000436.html

しかも、今日の関東地方整備局事業評価監視委員会は、
パブコメや学識者の意見を報告を受けるだけで、
委員会の意見としてはまた別の機会を設けて聴くのだというのが先週金曜日の取材に対しての答えだった。

経過報告どころか、事業評価監視委員会の意見を聴く前から
もう結論を出している。
なぜ、白紙で議論をさせないのか。
結論を押し付けられ、第三者性のカケラもない。
http://www.ktr.mlit.go.jp/shihon/shihon00000045.html 

事業評価監視委員会の意見を聴いて決めるという素案を国民には出し、
事業評価監視委員会
には最初から対応方針を押し付けて原案だと言って出す。

なぜ、事業評価監視委員会に出す原案にこそ、
今後、対応方針の原案を作成し、事業評価監視委員会の意見を聴き、対応方針(案)を記述する予定。
と書かないのか?

関係報道

八ッ場ダム“建設継続が妥当”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111121/k10014099371000.html
民主 八ッ場ダム継続案に批判
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111121/k10014102471000.html

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2011年11月21日 (月)

八ツ場ダムを要望する江戸川区に行った

陳述の転載がまだ途中ですが・・・

昨日、「スーパー堤防・街づくりを考える会」の勉強会でお話しをしてきました。

2009年12月11日に、群馬県議会に「専門家等」として、
江戸川区の土屋信行土木部長(当時)が
「荒川では東京の遊水地になることを甘受しますが、江戸川は何とか守ってほしいということで、八ッ場ダムを何とか造ってほしい。」
http://www.pref.gunma.jp/gikai/z1111029.html
妙な陳情を行ったので、八ツ場ダムでどれだけ江戸川区が助かるのかと調べたら、水位なんか下がりませんよと職員は認識しているという話をカワシフでやったご縁です。
(この土木部長はその後退職してなんとかという財団法人へ天下ったとのこと。国の役人の天下りと同じ構造を自治体も持っているわけですね)
Photo

こんなに広い河川敷(東京湾に向かってカメラを向け、左が河川敷、緩傾斜の幅広な堤防があって、右が蛇足にしかならないムダなスーパー堤防予定地)を持っているので、職員が「は?八ツ場ダムで?水位低減?」という反応だったのもムリはないわけで、一体、土木部長は何を考えて、群馬県議会でそんなデタラメを言ったのかと。これは別途取材にいかなければならないことではあります。

ともあれ、以前、茨城に呼ばれていって八ツ場ダムの話をしたときに
過去の国会審議を調べたのをきっかけに、実は八ツ場ダムの問題が
随分前から会計検査院に問題視されていたことに気づきました。
これがそのときに茨城で使ったパワーポイントです。(クリックすると拡大)
Photo_2

昨日はそれを再利用したのですが、これであっと気づいたことがあります。
先日転載させてもらった深澤さんが陳述した内容。これです。
Photo_3

2つを比べると、昭和58年に出された年平均被害額128億円
深澤さんが陳述した水害統計による年平均被害額の実績値181億円
とても近い。それに比べて最近の想定は空想でしかないことが分かります。再評価を行ってきた事業評価監視委員会がまったく機能していなかったことも分かります(正確に言うと、委員が費用対効果がおかしいと指摘しても、国交省が聞き置いて無視したのを私は取材で目撃した)

ちなみに、1983年(昭和58年)に会計検査院が指摘したのは、
・ 実施計画調査に着手後10箇年以上を経過しても、用地買収、補償交渉が難航し、本体工事に着工の見通しが立っておらず、事業効果の発現が著しく遅延していること。
・ このまま推移すると治水目的の達成に支障をきたすこと。
用水の供給や不安定な取水状況の解消に支障をきたし、事業の長期化に伴う経費増物価上昇などによる事業費の増こうなどから原水単価が高騰すること。

などです。28年前に指摘されたことが、現実となり、続いているのが「今」です。
当時2100億円だった事業が、今は4600億円となっています。

こちらから再掲 
当初計画 (1986年)工期2000年度、事業費2110億円
1回目変更(2001年)工期2010年度、事業費2110億円
2回目変更(2003年)工期2010年度、事業費4600億円
3回目変更(2008年)工期2015年度、事業費4600億円

あれ?これでまた気づきます。
八ツ場ダム事業は、1986年に法定の基本計画ができるはるか前から
「実施計画調査」に着手され、それだけで「できるぞ、できるぞ」と
ただひたすら既成事実化され、住民を追い出してきた。

そして、基本計画の存在しない1983年にすでに「長期化」していることで問題が指摘されていた。行政裁量による既成事実化による公共事業の進め方は、今回、お話しの機会をいただいたついでに現場を見せていただいたスーパー堤防でもまったく変わらない。

住民を追い出すやり方により、江戸川区のスーパー堤防は「ミニ八ツ場ダム」と呼ばれ始めていることを知りました。そんな江戸川区の土木部長が群馬県議会で八ツ場ダムを要望するという事実に吐き気を催すのは私だけでしょうか?

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2011年11月20日 (日)

ダム検証のあり方を問う公開討論会を!

民主党政権下で2009年11月に設置された
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の委員1人1人に対して、
http://www.mlit.go.jp/common/000052891.pdf
132人の科学者が公開討論を求めた。

有識者会議は83ダムを対象に「ダムにたよらない治水」を諮問され
非公開審議で見直し方法を決めた。
各ダム事業者が見直した結果を最後にチェックする役割をも担っている。

12月1日(委員の都合により変更可)、議員会館で!との挑戦状。
真摯な論争に期待したい。以下、全文を入手したので転載します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

国土交通省「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」
座長 中川博次様
委員 宇野尚雄様
委員 三本木健治様
委員 鈴木雅一様
委員 田中淳様
委員 辻本哲郎様
委員 道上正䂓様
委員 森田朗様
委員 山田正様

ダム検証のあり方を問う公開討論会への出席の要請

貴有識者会議が昨年9 月に発表された「中間とりまとめ」によってダム検証の進め方が定められ、それに基づいて、全国の83 ダム事業についてダム検証が行われてきました。すでに18 ダム事業はダム検証の結果が国土交通省に報告され、貴会議の審議を経て、国土交通大臣による方針決定が明らかにされています。各ダムの検証結果は、もともと中止がほぼ予定されていた5ダムを除いて事業継続という結論であって、貴会議はその検証結果を了承しています。

しかし、ダム検証の目的はこのように多くのダム事業にゴーサインを与えるものではなかったはずです。貴会議の趣旨に「『できるだけダムにたよらない治水』への政策転換を進めるとの考えに基づき」と書かれているように、ダムにたよらない方策を最大限に進めることがダム検証の趣旨でした。なぜ、このことと違ってしまったのか。私たちは関東地方整備局による検証が最終段階を迎えている八ッ場ダムについて、その内容を点検しましたが、残念ながら恣意的で非科学的な検証だと言わざるをえません。

第一に、利水については水需要の減少傾向が明白であるにもかかわらず、その実績を無視した、水需要が今後とも右肩上がりで増加するとの架空予測をそのまま認め、そのことを前提とした非現実的代替案との比較しか行っていません。現実と乖離したデータを用いての検証は、科学的といえるでしょうか。

第二に、治水については代替案の事業費が跳ね上がるように八ッ場ダムの効果を過大に評価した上での代替案との比較しか行っていません。利根川の流域住民の安全を守るために本当に必要な治水対策についての議論が無いままの検証作業でした。

第三に、自然の猛威によってダム事業が生命・財産を危機にさらしうることへの対策は不可欠です。東日本大震災のような巨大地震が生じた場合、浅間山の大噴火で膨大な泥流が流れ下った場合、今年9 月のように未曽有の豪雨に見舞われた場合など、自然の猛威を踏まえた検証は何も行われていませんでした。これらのリスクを配慮しない、想定範囲の狭い検証作業は恣意的すぎて、科学的と言えるものではありません。

このように、科学的とは言い難い検証は、科学者の良心として看過することができません。これらのダム検証の進め方は、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が定めた「中間とりまとめ」によるものです。この検証のあり方を科学的なものにしていくためには、貴会議の委員の皆様と議論を進めていく必要があると考えます。

つきましては、貴会議の委員の皆様と、私たち「科学者の会」のメンバーが社会に開かれた場で検証のあり方を冷静に議論する公開討論会を、12月1日(委員のご都合により変更可)に国会議員会館内の会議室で開催したいと存じます。

ご多忙のところ、まことに恐縮ですが、この公開討論会に是非、ご出席くださるよう、お願いいたします。皆様が科学者の良心として、この要請を真摯に受け止められることを期待いたします。

なお、ご返事は下記の連絡先へお願い致します。

2011年11月18日
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」
呼びかけ人:
今本健博(京都大学名誉教授)(代表)
川村晃生(慶応大学教授) (代表)
宇沢弘文(東京大学名誉教授)
牛山積(早稲田大学名誉教授)
大熊孝(新潟大学名誉教授)
奥西一夫(京都大学名誉教授)
関良基(拓殖大学准教授)(事務局)
冨永靖徳(お茶の水女子大学名誉教授)
西薗大実(群馬大学教授)
原科幸彦(東京工業大学教授)
湯浅欽史(元都立大学教授)

連絡先(ここでは略)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●報道
八ッ場有識者に「公開討論を」 反対派学者有志呼びかけ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20111119-OYT8T00098.htm
(2011年11月19日  読売新聞)

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2011年11月16日 (水)

意見陳述(6)東京から

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する 都甲公子さんの意見です。以下の太字はこちらで勝手に太字にさせていただいたものです。少しお時間がある方は全文を、超多忙の方は太字だけでもお読み下さい。

「 私は、東京都多摩地域の一角に住まいしており、東京水道の水の消費者の一人です。八ツ場ダムができたら、その恩恵を受ける立場といわれております。

 地方の過疎化と東京への一極集中が両方ですすみ、人口が過密となった東京では、今後、私たちの使用する水が足りなくなるとして、遠くの水源に水を求め、八ツ場ダムは、そのためのダム計画でありました。

 私たちが使用する水を確保するために、美しい渓谷の自然を壊し、そこに住まう人々の生活を壊すダム計画を、この地域の人々に押し付けてしまったことを、首都圏の住民として、申し訳ない思いでいっぱいです。心優しい地域の人々は、煩悶しつつも首都圏の人々がそんなに困っているならしかたないと我慢をしてくださったのだと思います。

 しかし、そもそも、地方に犠牲を強いて、都市の人々がのうのうと水を奪ってよいはずはありません。今日、ようやく、この社会の持続可能性のために、温暖化防止や循環型社会の形成などの環境対策が不可欠であると認識されるようになり、大量消費、使い捨ての精神の見直しなど、都市に住む私たちも幾ばくかのことを学んできました。また、計画から長い年月がたって、社会情勢も変化してきました。それらを踏まえて、今回の検証では、今でも、今後ダムを作らなければ間に合わないほど本当に水が不足するのか、水需要が今以上に増えるのか、このことこそが、しっかりと見直しされるべきことでした。

 今回の検証では、利水の開発水量は、各水道事業者に確認した水需要を根拠として求めたとしていますが、利水の前提条件を正しく把握するためには、利水予定者の水需給計画を厳しく審査する必要があったのではないでしょうか。

 首都圏では、人口の減少、節水型トイレや洗濯機など節水機器の普及などにより、水道配水量は減少傾向にあります。東京都は、2003年以来水需要予測の見直しを行っておらず、2013年の一日最大配水量予測600万立方メートルに対して、実際の最大配水量は、500万立方メートルをとっくに割り込むなど、水需要は減少の一途をたどっており、予測と現実の水需要は大きく乖離してしまっているのです。

 私たちは、これを本来の姿に正すため、昨年、東京都議会に東京の水需要予測の見直しを求める請願を提出しました。昨年6月議会で、請願が採択されたにも関わらず、東京都水道局は、これを無視し、水需要予測の見直しをいまだに行っていません。

 東京と同様、他県の利水予定者も、水需要予測を少なくとも現状に合わせ見直し、利水計画に反映する必要があります。さらに政策転換を進める考え方に沿って見直すのであれば、今以上に節水の努力をし、現状よりも過小な水需要を条件とすることもあってよいのではないでしょうか。

 節水をさらにすすめることや、東京都の保有水源を評価し直すことで、開発水量は大きく異なってきます。検証には、東京都が現在汲み上げて水道水源として活用している多摩地域の地下水を故意に保有水源に入れていないことも問題です。この水源は架空のものではなく、私たち多摩地域に住む市民が、実際に毎日使っているもので、その量は、日量にして約40万立方メートルになります。

 また、この過大な開発水量を条件としたため、同等の水を他から持って来るにはどうするかということになり、静岡県の富士川から導水するという荒唐無稽な計画が、八ツ場ダムの代替案の一つとされました。
 大型公共事業によらない代替案を検討すべきであるのに、遠く他県からの導水案はダム案の代替案として認めることはできません。ダムに依存しない利水の代替案は、過大な水需要を他に求めることではないはずです。

 節水をさらに進めることや、東京都の保有水源を正しく評価し、守り、さらに地下水の涵養と保全に務めるなど、水循環の回復による水源自立をすすめる政策転換こそ、代替案とすべきと考えます。
 都市の人々が水を奪うために、山間の自然を壊し、人々の生活を根こそぎ奪ってしまうこともゆるされないことですが、そのことを必要のない水のために行なうとしたら、地域の人々の苦しみをさらに過酷なものとすることになるでしょう。

 実際、計画が持ち上がってから半世紀、ダム計画に翻弄され続けてきた、現地の人々の苦しみは、察するにあまりあります。いったん失われた自然、壊された生活、くじかれた希望を取り戻すことこそ、多くの代償を必要とするものです。いいえ、多大なコストをかけても取り戻すなどできないでしょう。今回の検証では、このダム事業のこのような負の遺産性を評価の中に加えていないといわざるを得ず、このことも、納得できない理由の一つです。

 さて、計画から、事業開始、共用までに長い年月を要する大型公共事業では、その間の社会情勢の変化などに応じて、計画変更や廃止など柔軟な対応が必要であるとして、いわゆる時のアセスなどの必要性が、これまでも指摘されてきました。しかし、実際は、政官財の癒着の構造から、一旦決まったら、見直すことはまずできないと思われてきました。しかし、2009年の政権交代により、民主党政権が、無駄な公共事業の見直し、「コンクリートから人へ」と掲げて誕生し、早速に当時の前原国土交通大臣が八ツ場ダムの見直しを表明し、今度こそ、変わるかも知れない、不要なダムによって山間の自然を今以上に壊すことを止めることができるかも知れないと、私たちはおおいに期待を寄せました。

 今回の検証も、「できるだけダムにたよらない治水への政策転換を進めるとの考え」に添って、ダム計画が利にかなっているかを見直すことが目的であったはずです。人口減少や水あまりなど社会情勢の変化や、治水についての知見の深まり・技術の進歩などから、ダム計画の利水上、治水上、その他の効果の評価の見直しがまずされるべきであったと思います。その意味で、本当に、このダムが必要なのかどうかという根本的な問いに、この検証は答えていないと思います。

 私たち市民は、大型公共事業、いわゆるコンクリートによる効果について、以前から不信を抱いており、民主党新政権の「コンクリートから人へ」というスローガンに、おおいに共感したものです。さらに、東日本大震災によって、私たちは、これまでのコンクリートが人々の安全を守ってくれるという神話が、いかに脆いものであったかを思い知らされました。私たちは、巨大開発行為によって自然をねじ伏せて、エネルギーを得たり、災害を防いだりできるということは、もはや幻想に過ぎないと悟るにいたりました。洪水を防いだのは、ダムではなく、保水力を秘めた雑木の森でした。津波を防いだのは、堤防ではなく、これ以上海よりにまちをつくってはいけないという古の経験からの教えだったのです。大震災を経た今、堤防が津波を防いでくれる、ダムが洪水を防いでくれるということを市民は信じていません。「治水のためにダムが必要」というダムの効果の評価は、今こそ市民の納得のいく見直しがされるべきと考えます。

 今、私が申し上げたことは、素人の根拠なき不信感に基くものにすぎないといわれるかもしれません。しかし、私たち市民が直感的に感じたと同様、今回の検証に対し、多くの学者の先生方も、異を唱える声明を出されました。声明文は、検証結果について科学性、客観性が欠如していると断じています。先に私が述べたと同じく、利水について、水需要予測の減少傾向を無視していることもその理由の一つに上げられています。その他、治水において、ダムの洪水調整効果を過大評価していることや、災害に対する対策が欠如していることなどが問題ありと指摘されています。

 京都大学名誉教授、今本先生をはじめ、80人もの多くの先生方が指摘するとおり、今回の検証報告書は、ダムを推進してきた国土交通省が、一方に偏った考えの人たちだけでまとめたものではないかとの懸念を、私たち市民も感じています。
 ぜひとも、国土交通省の外に第三者機関を設置し、これまでの河川行政やダム建設に批判的な専門家も加えた公開の場での検証のやり直し、すなわち真に予断なき検証を、切に求めるものです
(都甲公子 東京の会/多摩の地下水を守る会/東京・生活者ネットワーク)」

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2011年11月15日 (火)

数日没した間に

数日没している間に世の中はドンドン動く。

●八ッ場ダム建設 町民から「待った」の声 民主国会議員に直談判
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20111115/CK2011111502000054.html
東京新聞群馬版2011年11月15日
一部抜粋「二十三日午後一時にJR川原湯温泉駅前に集合し、代替地の地滑りの危険性がある場をめぐり、終了後は懇談会を開く」↓
●群馬から:STOP八ッ場ダム・市民ネット
http://s35.gunmablog.net/

●埼玉から:八ッ場ダム検証案の公聴会の集計 [興味深い]
http://yambasaitama.blog38.fc2.com/blog-entry-1355.html
●千葉から:八ッ場ダム事業の検証作業の抜本的なやり直しを求める意見書 提出
http://yanbachiba.blog102.fc2.com/blog-entry-190.html
●利根川流域住民ら、国交省関東地整へ公開質問[回答期限は今日だったが?]
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1420
●産経新聞インタビュー[興味深い]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111111/plc11111108030006-n1.htm 
必要性を聞かれて、江戸時代から話されても・・・。
●明日:八ッ場ダム中止を求める国会議員・都県議会議員・市民の集い
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1414
●これも23日
アーサー・ビナードがバッサリ切る”ダムのひとつ覚え”ー11/23 in 東京
http://yamba-net.org/modules/news/index.php?storytopic=5&storynum=5 

●産経新聞アンケート 八ツ場ダム 建設再開支持が53%
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111110/trd11111021480027-n1.htm 
しかし、費用対効果はないと思っている人が過半。

まずはフォロー。

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2011年11月11日 (金)

意見陳述(5)東京から

間が空いてすみません。

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する 示唆に富んだ渡部卓(わたなべ たかし)さんの意見(2011.11.7)です。必読です。太字は私自身が読みながらマーカー的に入れさせていただいたところです。(11日10:30差し替え。最終版は赤字部分その他追加されていました。
 
全体的に素案を検証すると
1)検証作業は国交省に関係しない第3者による委員会で検証すべきです。
 原案を作成したチームが再び担当し検証すれば、原案を誤りと認めない限り再び同じ原案の中味が素案として提出される理屈になります。
 この点については国交省でも気にしたのか冒頭の検討経緯で何か言い訳のような、法令遵守のようなことが述べられているが上述の理屈からこの法令(細則)がおかしいのであって即刻第3者委員会方式に変えるべきです。
 その際、原案にプロ・アンチの2グループにそれぞれ担当させて2案の答申を提出していただく方式も考えられます。
また、ここはオランダ方式で原案に反対のグループを含む構成(オランダでは義務付け)で検証委員会を再構成して再検討されることを強く望みます。

2)専門家でない市民の意見を吸い上げるならこのパブコミ方式はお上の都合よいように設計されているので再検討をお願いします。
  望まれる形式は、「この素案について良い点、悪い点なんでもいいですから、あなたのお考えを書いてください。」です。あとは担当の仕事です。面倒臭がらないで仕分けして仕上げれば済みます。
  国がこの形式を広げるものですから、地方自治体等でもこの形式を真似て汗をかかないで済ます傾向が盛んです。庶民の意見を聞いてやるんだぞという姿勢は改めて欲しいものです。是非市民の目線で再検討をお願いします。

3)「はじめに結論あり」を感じるのは私のみでしょうか。
  コスト計算も「結論を八ッ場ダム」にもってくるように設計している。
  富士川から水を導入するなんてこの結論を導入するだけの代案としか思えない。
  そもそも「八ッ場ダム」をつくらない選択肢があってよいではないか。「なぜ必ず八ッ場ダムを選択肢に入れて議論しなければならないか!」から議論を始めるべきです。
 ちなみに、その根拠の1つとして民主党の石関貴史衆院議員の質問書に対する政府答弁書があります。それは「カスリーン台風並みの大雨に備えるために必要と説明してきた国が実際には、同台風と同じ降水パターンの場合には治水効果がないと試算している」「同規模の台風の襲来と仮定した時の下流の観測地点のピーク流量は、ダムのある場合も、ない場合も同じで毎秒2万421トンである。」(朝日2008.6.11)
 これによれば、そもそも八ッ場ダムを作る根拠がないことになる。直ぐ中止することが一番コストの安い選択肢となる。終戦処理にいろいろな費用がかかるのはわかるがその議論は別に大いにやったほうがよい。

4)要するに、この公聴会もパブコメも国交省のアリバイづくりとしか思えない。最大の原因は原案と同じ素案を提出したことにある。ガス抜きに過ぎない。

5)動植物に対する配慮がゼロに近い、その影響に言及したの4行位を4箇所触れているが具体的な絶滅危惧種などの保護の言及はない。実際調査したか疑問である。

6)景観・環境に対する配慮がほとんどない。あの山紫水明の吾妻川に愛惜の感情がゼロである。風光明媚な吾妻渓谷国民共通の財産である意識がない。

7)地震に対しての地すべり対策が弱い。新潟、奈良県で現に起こっている。

8)国・1都5県で約9000億かけるのに費用は3500億、総便益が2兆2千億で費用対便益が6.3倍になる根拠が薄弱だ。しかし、既にこの数字はマスコミ等で使用されている。3500億を9000億にすれば2.4倍である。少なくとも私には6倍は信じられない。

9)東京都の水道需要は都の水道局の資料によれば1993年の617万t/dから一貫して低下していて配水量は2010年には495万t/dとなっているその逆に都の予測(2003.12)は2000年までは配水量と同じく低下していたのが2000年から大きく上昇して2010年には600万t/dとなっていて、そのギャップは133万t/dになる。この600万t/dは2013年まで続くとしている。都の人口は低下しているし、工場は移転するし、バブル期とちがって水の消費は減少・節水・その機器の開発等で水需要は増加する要因はないのに実績と違う数字を載せる(国交省に報告)するとはどんな考えだろうか。八ツ場ダムを建設させるための数字を出したとしか考えられない。
 地下水の年間実績の45万t/dを加算すれば、都の保有水源量(623万t/d)と都の需要との受給ギャップは173万t/dとなる。これだけ水道の余裕があるのになんで八ツ場ダムに50万t/dの利水参画継続の意思表示する必要があるのか。

10)P21 4.2.5概略評価
 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳの評価についてはその積算資料がないので具体的に指摘できないが、一般的にいって概算はどうしても過大見積もりになる。私の経験ではバブル期などは公共事業は2倍くらいに見積もられた事例を知っているからこの見積もりはどうしても国交省以外、請負コンサル以外の第3者の見積もりが必要と考えます。
 特にⅣの流域での対策の見積もりはむつかしいでしょうけど工法、工夫によっては半分くらいになるのでないかと思います。雨水貯留/雨水浸透施設は公共建物には必ず設置する。用地代がいらないから安くできるはずである。水田畦かさ上げだけをするだけで9000億もかからない。(河道掘削はなし)これを他の地域に広げれば半分の経費でできるのではなかろうか。水田かさ上げでも工夫次第で安く丈夫で実質的にできるのではなかろうか。遊水地の確保も本気でやる気であるか疑問である。ヨーロッパのように農地をもとの氾濫原に返す洪水対策を真剣に導入することを考えなければできない仕事です。
 このⅣの項目の①・②・③・④・⑤・⑥が軒並み9000億円の見積もり(①をのぞく,河道掘削を除けば同じくらいか)になったのも何かおかしい感じです。
 

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2011年11月 9日 (水)

意見陳述(4)忙しい人仕様<抜粋>

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する 深澤洋子さん意見陳述(4)から費用便益計算についての2つのスクープ<抜粋>

●被害想定
深澤さん「八ッ場ダムの費用便益計算、つまりコスト・ベネフィットのカラクリについてお話しします。私たちはこの資料を、パブコメを書くのに必要だから見せてほしいと関東地方整備局に頼んだのですが断られました。それで情報公開請求して、やっと先週入手し分析したところです。この資料をもとに計算すると、八ッ場ダムがないケースで、毎年の洪水から50年に1回の洪水までの氾濫被害額を累計した時、利根川流域の年平均氾濫被害額は均で6,788億円、八ッ場ダムがあるケースで5,693億円と想定されており、差し引き1000億円余りが(確率処理を経て)年平均被害軽減期待額という八ッ場ダムの便益になります(スライド2)。しかし現実には、「水害統計」によれば、利根川全体の1961~2007年の47年間における年平均被害額の実績値は181億円(現在価値への換算額)であり、(ダムなし)想定被害の2,7%にすぎません。」

「ダムの過大な便益を生み出すこうした過大な被害想定について、国交省は会計検査院から2010年10月に次のように改善するよう指摘されています。「年平均被害軽減期待額の算定の基礎となる生起確率が高い降雨に伴う想定被害額については、過去における実際の水害の被害額を上回っているものが多く見受けられた。(中略)上記の状況を踏まえ、年平均被害軽減期待額の便益の算定方法をより合理的なものとするよう検討する必要があると認められる」という指摘です」

●あなたならいくら払いますかアンケート
深澤さん「郵送で1500票送って648票回収、そのうち抵抗・無効回答が322票と約半数です。抵抗回答というのは、ダム事業に反対、アンケートに反対といった回答だそうですが、その場合は当然、支払い希望額はゼロでしょう。ところが集計では、有効回答280票のみを分析し、その平均に調査対象の52万世帯を掛け合わせ、8億5千万円という途方もない便益をたたき出しています。抵抗回答を書いた人も、ばかばかしいからアンケートを返送しなかった人も、全世帯が年間1632円払ってもよいことにされています。利根川流域の吾妻渓谷周辺50キロに住む全世帯が、八ッ場ダムの「流水の正常な機能の維持」のために、毎年8億5千万円払ってもよいことにされたのです。そしてこのアンケートは、発電ガイドラインによって自然な流量が「ただで」回復することから、全く無意味な税金の無駄遣いであったということになるのです。」

全体は↓
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-aee8.html

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意見陳述(4)都民による2つのスクープ!

オーストラリアではついに炭素税導入。首相がキュートなオーストラリアン・アクセントで発表。  

一方、日本は、費用対効果の資料を欲しいと言ったら、「開示請求をしろ」と言われる国。B/Cの水増し(会計検査院の指摘に反する被害想定の水増し)と、アンケート集計のインチキの話後半部分)があまりに凄まじいので、順序を入れ替えて、転載させていただきます。

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する 深澤洋子さん(八ッ場ダムをストップさせる東京の会)の意見です(2011.11..6さいたま会場)」↓

(後半部分) 次に、八ッ場ダムの費用便益計算、つまりコスト・ベネフィットのカラクリについてお話しします。私たちはこの資料を、パブコメを書くのに必要だから見せてほしいと関東地方整備局に頼んだのですが断られました。それで情報公開請求して、やっと先週入手し分析したところです。この資料をもとに計算すると、八ッ場ダムがないケースで、毎年の洪水から50年に1回の洪水までの氾濫被害額を累計した時、利根川流域の年平均氾濫被害額は均で6,788億円、八ッ場ダムがあるケースで5,693億円と想定されており、差し引き1000億円余りが(確率処理を経て)年平均被害軽減期待額という八ッ場ダムの便益になります(スライド2)。しかし現実には、「水害統計」によれば、利根川全体の1961~2007年の47年間における年平均被害額の実績値は181億円現在価値への換算額)であり、(ダムなし)想定被害の2,7%にすぎません。

ダムの過大な便益を生み出すこうした過大な被害想定について、国交省は会計検査院から2010年10月に次のように改善するよう指摘されています。「年平均被害軽減期待額の算定の基礎となる生起確率が高い降雨に伴う想定被害額については、過去における実際の水害の被害額を上回っているものが多く見受けられた。(中略)上記の状況を踏まえ、年平均被害軽減期待額の便益の算定方法をより合理的なものとするよう検討する必要があると認められる」という指摘です(スライド3、4)。

しかし今回の費用便益計算も、八ッ場ダムのB/Cを膨らますため、不遜にもこのまっとうな指摘を完全に無視しました。費用対効果を出すたびに、2,9→3,4→6,3と膨れ上がってきた八ッ場ダムのB/Cは、このようにデタラメなものなのです。

ではどうしてこんなに過大な被害想定になるのか。一つには、現実の洪水ではあり得ない、何カ所でも同時に破堤するという想定をしているからです。実際には上流ブロックで氾濫すれば、河川内の洪水の一部が外に逃げて水位が下がるため、下流ブロックでの氾濫は起きにくくなります。ところが、国交省は上流ブロックで氾濫しても、それとは無関係に下流ブロックでも氾濫するという前提で計算しているのです。しかもそれは、5年に1回の洪水でも2、3カ所、10年に1回の洪水では3、4カ所破堤するという計算です。もちろん現実には、利根川本川では1949年のキティ台風以来60年間、氾濫らしい氾濫が起きたことはありません。このように、現実と遊離した頻繁な同時多発的な氾濫を想定することで、氾濫被害額が大幅に水増しされているわけです。

この報告書の5章「費用対効果の検討」では、洪水の他に「流水の正常な機能の維持」が取り上げられています。そもそも、川を分断するダムによって「流水の正常な機能の維持」をはかるというのはブラックユーモアです。ダムを造って川の自然な流れを断ち切っておきながら、これだけの水はチョロチョロ流しますよ、ありがたいでしょう?と、ダムの便益に計上するペテンのような手法です。今、吾妻渓谷の流量が少ないのは、水力発電所に水を取られているからで、来年春の水利権更新にあたり「発電ガイドライン」で流量が増加すれば、本来の吾妻渓谷の姿が復活します。八ッ場ダムで「流水の正常な機能の維持」をはかるなどという口実は消し飛んでしまうのです。

それなのにこの報告書本体の検証では、その代替案として空想的な事業をいろいろとひねり出しています。中でも傑作なのは、長野県の千曲川から導水管を作って水を引く案(スライド5)。地下水を掘削して渓谷に流す案というのもあります。本来ダムは治水や利水のために造られるもので、「流水の正常な機能の維持」は後づけの、付帯的「効用」なのに、その分のダムのコストと、それに代わる施設を一から建設するコストを比較するのが馬鹿げています。誰が、吾妻川の流量を増やすためだけに、わざわざ千曲川から水を引いてくるでしょうか? わざわざ井戸を掘るでしょうか? 地下水は飲み水としてこそ使ってほしいものですが、利水の検討ではまるで取り上げられていません。東京都が地下水を保有水源にカウントしていないことも見過ごされています。全く意味がない検討に紙幅を費やし、真実を隠そうとする検証です。

「費用対効果の検討」に話を戻しますと、その検討の一環として「流水の正常な機能の維持」のために、あなたならいくら払いますか、というアンケートが行われています(スライド6)。その際、八ッ場ダムができることで吾妻渓谷上流部の川原湯岩脈などの貴重な自然景観が水没すること、ダム下流で岩を洗う自然な増水がなくなることにより、下久保ダム下流の三波石峡のように草茫々の無惨な姿となることには全く触れていません。発電ガイドラインで、八ッ場ダムとは関係なく流量が増えることも説明していません。それらの八ッ場ダムのマイナス面を伝えていたら、回答者の支払い希望額は全然違っていたでしょう。偏向した作為的なアンケートと言えます。

情報公開請求で入手したアンケート内容と集計結果によれば、郵送で1500票送って648票回収、そのうち抵抗・無効回答が322票と約半数です。抵抗回答というのは、ダム事業に反対、アンケートに反対といった回答だそうですが、その場合は当然、支払い希望額はゼロでしょう。ところが集計では、有効回答280票のみを分析し、その平均に調査対象の52万世帯を掛け合わせ、8億5千万円という途方もない便益をたたき出しています。抵抗回答を書いた人も、ばかばかしいからアンケートを返送しなかった人も、全世帯が年間1632円払ってもよいことにされています。利根川流域の吾妻渓谷周辺50キロに住む全世帯が、八ッ場ダムの「流水の正常な機能の維持」のために、毎年8億5千万円払ってもよいことにされたのです。そしてこのアンケートは、発電ガイドラインによって自然な流量が「ただで」回復することから、全く無意味な税金の無駄遣いであったということになるのです。

 この「流水の正常な機能の維持」の総便益はダム完成後の50年間で139億円とされ、洪水調節の総便益、つまり八ッ場ダムによって防止できるとされる洪水被害額2兆1925億円と比べればちっぽけなものです。でも私は知っていただきたいのです。ダムのベネフィット、効果としてこんなブラックユーモアのような「機能」が計上されていること、そのばかばかしい代替案を考え、あやしいアンケートを実施するために、国民の税金が無駄遣いされていることを。

(前半部分)
 
この検証はばかばかしい検証です。なんでこんなにばかばかしいのかよく考えてみました。 まずはこれまでダムを造ってきた、造りたい人たちだけで検証しているという枠組みです。予断なく検証するというなら、ダムに批判的な有識者、流域住民も交えて議論しなくてはならない筈です。ダム推進側だけで9回も会議して、初めから決めていた結論を出す、これは全く検証の名に値しません。

  それから、これまでの前提を変えずに、あるいはより大きな洪水予測をたてて、残ったダム事業費と代替案をコスト比較するというこの検証の根幹に疑問があります。八ッ場ダムはいびつな公共事業で、本体工事は事業費4600億円のうちわずか9%です。それ以外の道路・鉄道などの関連工事は、この検証中も着々と進められ、報告書には残事業費が1300億円と書いてあります。この残事業費と、ダムに代わる施設を一から造る場合のコストを比べるというのが今回の検証です。しかし、地滑り対策、減電補償などで今後さらに事業費が膨らむことは確実なので、この額面上のダム事業費は少なすぎます。

 一方、ダムの効果が過大に見積もられていることから、それに見合う代替施設も過大・高額となり、結果としてダムを造り続ける方が安上がりになるカラクリなのです。ちなみに、治水分に関して言えば、八ッ場ダムの全事業費は2,400億円であり、河川掘削などの代替案の費用はいずれもそれを下回っています。つまり着工前から八ッ場ダムと他の対策を比較していれば、ダムは造れなかったということです。

 今、八ッ場ダムを検証することの意味は何か、あらためて考えてみると、残事業費がどうのと言う前に、60年以上前に計画された八ッ場ダムが今も必要なのか、その前提をシビアに問うことだと思います。水余りでほとんど断水も起こらず、節水機器の普及で今後も水の使用量が減っていく、また地下水も地盤沈下がおさまり安定的に使える、そういう利水の現状があります。一方で、豪雨によってダムが洪水調節機能を失い堤防が壊れ甚大な被害が生じるという事態も生じています。つまり利水上、八ッ場ダムの必要性はすでに失われ、治水上はダムより緊急度の高い、優先すべき対策が考えられていない、ということです。利水の議論は他に譲り、治水について考えます。

 そもそも、ダムはその上流に降った雨しか貯めることができないギャンブル的な治水対策であり、また下流に行く程洪水を減らす効果、つまり川の水位を下げる効果は薄まります。そんな頼りにならない対策ではなく、弱い堤防を補修するという直接的な効果のある対策を優先すべきではないでしょうか。この報告書でも、堤防の安全性に問題があるとか、3月11日の災害を踏まえて、下流の高潮対策の重要性は高いとか書いておきながら、なぜ堤防を中心とする河川改修ではなく、ダムなのかが示されていません。脆弱な堤防のそばに住む人からすれば、ダムなんか造っている場合じゃない、早く堤防改修して人命・財産を守ってくれ、と叫びたくなるのではないでしょうか? 

 先ほど八ッ場ダムが必要だと話された方もいましたが、先に堤防の改修をするべきではないかと思いました。そうした中で、ダム事業費と反比例するように河川改修費は減り続けているのです(スライド1)。この報告書でも、「決壊しない堤防」、「決壊しづらい堤防」については、「利根川の長大な堤防については、経済的、社会的な課題を解決しなればならない」として代替案の検討対象からはずしています。本来重要な治水対策は、まずは堤防強化、それに河川掘削、この夏の新潟洪水でその有効性が確認された、水田を含む遊水池など、直接的な効果が見込めるものではないでしょうか。「なるべくダムに頼らない治水への政策転換」というこの検証の理念からは、あまりにかけ離れた検証の実態という他ありません。

(最後の締めくくり) 河川行政ではいつまで、このような不合理なことが続けられるのでしょうか。ダムを造り続け、河川改修を怠る河川行政の現状は、原発推進に巨費を投じ、自然エネルギーへの投資を阻んできた原子力行政と同じ構図です。ついに起こってしまった原発事故により、原子力ムラにはひびが入ったかもしれませんが、河川ムラは八ッ場ダムを造ってしまえば百年安泰と喜んでいるように見えます。ですが、造ってしまった後で、徳山ダムのようにやっぱり水は要らなかった、大滝ダムのようにやっぱり地滑りが起こってしまった、ということにならないでしょうか? 今引き返せなかったら、3.11の時のように、私たちは無念の自責の涙を流すことになるでしょう。議論を闘わせてこそ、真実が見えてきます。八ッ場ダムの反対派も加えた、議論する検証の場がどうしても必要です。この検証の一からの出直しを、あらためて求めます。

~~

深澤さんにスライド資料もいただきまいしたが、ちょっと大きすぎたのでカット!(まさの)

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2011年11月 8日 (火)

意見陳述(3)千葉から

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する 

千葉の大野ひろみさんからの意見、ブログに載せたとのご連絡をいただいたのでリンクを張ります。そして、丁度、私も書こうと思っていたことと同じことが書かれているので、その点を抜粋します。

ブログ「大野ひろみのクラクラさくら」
「八ツ場ダムはいらない! 香取で吠える」より抜粋

「つい先日、11月4日に行われた「八ッ場ダム建設事業に係る検討報告書(素案)に対する学識経験を有する者の意見聴取の場」で、いみじくも、岡本雅美・元日本大学教授が、「水需要予測については各自治体が皆、かなりの余裕をもって予測するから、全体としては過大となる」というカラクリの一つを解説しました。水を供給する自治体としては、水は多ければ多いほど安心というわけです。

しかし、これは地方自治法第2条第14項、 「 地方公共団体は、その事務を処理する に当たっては、最小の経費で最大の効果を挙げる ようにしなければならない。」に明白に違反しています。

各自治体の過大な予測の例ですが、わが佐倉市においても、1日最大配水量は平成13年(2001年)から平成21年(2009年)まで、約5500㎥も減っています。人口も減少傾向に入りました。それにも関わらず、まだ水は足りないとして八ツ場ダムに参画しております。ちなみに、佐倉市では現在水道水の65%が地下水です。昔は佐倉の名水としておいしい地下水100%を誇っておりましたが、印旛広域水道事業からの受水が始まってから地下水の割合が減らされ、現在にいたっています。

八ツ場ダム等が完成すると、33本ある井戸のうち25本が閉鎖され、地下水の割合は25%にまで下げられます。水道料金は逆に現在の1.5倍に跳ね上がります。」

というわけで続きは大野ひろみさんの「クラクラさくら」

↓以下は、私が今朝、こちらの件で別の人からいただいたコメントに対して書いたメールの自己転載です。やっぱり考えることは皆同じ。自治体職員や議員や、そして住民が少しづつでいいからいろいろなことを意識したら、いろいろなムダが省けるはず。各自治体の眠っている首長よ、目を覚ませ!と言いたいですね。

まさのメール「私はそれでも、自治体は、水道施設設計指針がどう許容しようとも、たとえば、茨城県の30%ましなんて、鉛筆なめでしかないと思っています。国交省が、言い訳として使っている。

================
地方財政法 第四条  地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。
================

を考えれば、茨城にせよ、どこにせよ、自分でちょっと考えたら、もう要らないな、ここに支出してはいけないなと思わないとおかしいと思うんですよね。

こんな状態で、地方裁判所が住民を敗訴させたこと自体、日本は狂っていると思っているんですが。」

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意見陳述(2)茨城から

以下を読んだら岩上安身さんの『百人百話』 にもぜひ後でGO!

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する  
茨城県から神原禮二さんの陳述

要旨
福島原発の事故によって、私たち国民は、政官産学の”原子力村”が、権益を守るために「原子力安全神話」を作り上げてきたことを知りました。3.11とは震災を記憶するだけでなく、この国の政治・行政、社会のあり方を改めるべく、国民一人一人が心に刻み込んだ日でもあります。しかるに今回の八ッ場ダムの検証は、”河川村”の茶番劇そのものでした。すべてを白紙に戻し市民参加による再検証を求めます。

八ッ場ダム検証の目的は、八ッ場ダムを必要とするか否かではなかったのですか。
2009年前原大臣は八ッ場ダム建設について予断無く検証すると言明。翌1月「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を立ち上げました。記者発表に記載された趣旨は「できるだけダムにたよらない治水」へ政策転換を進めるとの考えに基づき、今後の治水対策について検討を行う際に必要となる、幅広い治水対策案の立案手法、新たな評価軸及び総合的な評価の考え方等を検討するとともに、さらにこれらを踏まえて今後の治水理念を構築し提言する。とありました。

ここからは、八ッ場ダムの残事業費と代替案の事業費を比較し安い方を採用することなどと全く読み取れません。国民の代理人である国交大臣が国民に約束したのは「八ッ場ダムが本当に必要であるか否かを治水・利水等の面から検証すること」にあった筈です。今回の検証結果ははじめから目的を歪め、八ッ場ダム建設にお墨付きを与えるものと言えます。検証は改めて本来の趣旨に沿ってやり直すべきです。

利根川治水の目標流量は何故17000m3/秒(1/70~1/80洪水)となったのですか。
河川の治水政策は1997年の河川法改正により「河川整備基本方針」と「河川整備計画」の2段階になったものと承知しています。利根川の場合、基本方針では1/200、整備計画では1/50となっていた筈です。現に立ち消えになってしまった先の河川整備計画案では1/50の約15000m3が目標流量として当時の委託調査報告書に記載されていました。今回突然に河川整備計画相当の目標流量として17000m3/秒が出され、主権者である国民に準備期間も与えずに意見聴取・パブコメ・有識者会議を開催するのは拙速などという生易しいものではなく、強引に八ッ場ダム建設を進める意図が歴然としています。すべて白紙に戻し、河川法の趣旨に従って流域住民の声を汲み上げて河川整備計画を立てるのが法による国のあり方でしょう。

各都県の水需給計画が妥当かどうかが、利水の検証ではないのですか。
前原大臣の八ッ場ダム中止の声明は、利水も既に八ッ場ダムを必要としない。という認識の上にたってのものです。その上で検証するならば、各都県の水需給計画が実績値と比べ、妥当かどうか、まだ水が要るのか要らないのか、を検証すべきです。ところが、今回の検証は各都県の水需給計画を検証することなく“確認”で済ませ、残事業費と代替案との事業費比較で八ッ場ダムが割安と判断しました。何故、水需給計画そのものを検証しないのですか。
茨城県の水需給計画「水のマスタープラン」は達成年度の平成32年には46万m3/日の都市用水が余るとしています。しかもこのプランは現在利用している地下水と自流水27万m3/日を削減していますから、実際の余剰水は73万m3/日にものぼります。しかし県は姑息にも、この余剰水を環境用水と危機管理水という新しい用途を作り出し、水余りはないと口を拭いました。八ッ場ダムに参加した時に建設省と取交した目的は「水道水」でした。これほどまでに作為的な水需給計画を確認という形で黙認することが検証と言えるのでしょうか。
ちなみに今回の震災で茨城県は全域断水しました。各市町村に確認したところ、県の危機管理水による手当てはまったく無かったことが明らかになりました。
茨城県の水道水源は120万m3/日。1日最大給水量は100数万m3/日を10数年続けています。工業用水の余剰は10数年60万m3/日。都市用水の余剰実績は80万m3/日にのぼります。そして八ッ場ダムの供給量は9.4万m3/日。
人口は2000年を境に減少期に入りました。どこに水需給計画の妥当性がありましょうか。どこに八ッ場ダムの必要性がありましょうか。

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意見陳述(その1)と「こうばる」

先日、「こうばる」なのに「ごうばる」と書いてしまったので訂正してユニークな看板の写真を載せておきました。ぜひ見てください。

さて、身体が2つない悩みを多少なりとも解消するため、八ツ場ダム検証への意見陳述(←このページの下の方)へ行ったことが分っている方に、陳述内容を転載させてくださいとお願いしてゲットした。そのままカット&ペーストでご紹介させていただきます。複数あるので1日3回更新されるようにセットします。覗きに来てください。

河登一郎さんの陳述

はじめに:検証の目的と方法について:
(1)今般、国交省関東地域整備局が行った検証の目的は、日本の財政が直面している厳しい状況に、東日本大震災と福島原発事故が重なった国難ともいうべき危機に際して、「なるべくダムに頼らない治水への政策転換」という有識者会議の「中間とりまとめ」に明記された理念を予断なしに追求することであるべきです。

(2) そのためには、ダム推進という結論を導くための検証であってはなりません。
これだけの巨大事業ですから内容は多岐にわたります。不充分な理解で賛否を声高に叫んでいるケースも見受けます。民主主義の原則に従って、情報は原則として完全公開し、公開の場で充分な時間をかけて討議し、なるべく多くの国民、政治家、マスコミが少しでも正しい理解を共有して判断すべきだと考えます。

(3) 今般、パブリックコメント募集、国民の意見聴取という方法で広く民意を聞く努力をされたことは評価します。しかし、これだけ論点が多岐にわたる大事業でパブコメに1ヶ月以内で、しかも(なるべく)200字以内で充分な意見が期待できるでしょうか。 意見聴取では10月20日すぎに発表して申し込み締め切りが10月29日、400字以内。公聴会/パブコメを通じて「国民の英知を求める」という謙虚な姿勢が行政には欠けていませんか。

(4)「ダムに頼らない政策」を検証する原点は、前提条件の検証です。治水については基準地点での基本高水の妥当性であり、利水については水需給計画の正確さにつきます。以下、大きい項目ごとに意見を述べます。

1.治水: 基本高水の妥当性に関しては、
(1)多くの学者や専門家が指摘し、国交省の依頼を受けた日本学術会議も事実上認めているように、実績流量と基本高水の乖離が大き過ぎます。

(2)下記グラフを見れば過去65年の実績と比較して約2倍もの基本高水/目標水量は文字通り雲の上、机の上の数字であることは一目瞭然です。
(グラフ:別紙=別送します)

(3) 国交省は、かかる事実に関連する資料の多くを「情報不開示」としてきましたが、本年6月の東京地裁判決では「非開示は違法、開示せよ」との判決が下りました。更に昨年10月の国会質問で、国交省職員の「虚偽有印公文書作成・行使」が明らかになり当該職員が告発を受けたことも重い事実です。

2.利水: 水需給予測に関しては、
(1)東京都の有名なグラフを示します。東京都はその後も需要予測を見直していますが、下方修正が必要になるので公表していません。情報隠しの一環です。東京都以外の各県の水需要予測も実態に比べて過大です。
(グラフ:別紙=別送します)
(2)暫定水利権:埼玉県その他には「暫定水利権」という若干特殊な問題があります。埼玉県の水利権は、夏場の安定した農業用水転用水利権を、冬場は「その転用だから<暫定>」とされています。一方、冬場の取水量は夏場の3割と激減しますので、安定的に取水は継続しています。即ち、事実上安定しているものを、<暫定では不安>という知事の責任感を利用してダムへの参加を強要していると私は思っています。

3.「費用対効果」には地滑り/岩盤崩落/環境破壊という負の便益も算入すべきです
(1)国交省は「費用対効果」の判定基準たるB/C(便益/費用)に関していろいろな前提条件の下で1.0を大幅に超えるプラスを算出し、便益>経費と喧伝しています。

(2)私はそれぞれの資料を詳細に検証したわけではありませんが、1例だけ挙げると「洪水回避」という便益について、1回の大洪水が上流、中流、下流で数回発生するという物理的にありえない前提に基づいています。こんな茶番を公表して良いのですか。

(3)便益にはマイナスの便益も算入せねば正確な比較ではありません。環境破壊/地滑り/岩盤崩落など巨大なマイナス便益も衆知を集めて公平に算入してから比較すべきです。便益トータルとしてマイナスの方が大きいのではないかと思っています。

(4)アメリカでは、ダムの弊害への反省から、撤去が始まっていると聞いています。

4.完成時期と総工事費の増額:
(1)推進議連も都県も、「予定通り2015年までに完成せよ」と声高に主張しています。

(2)2003年に完成時期が2010年から2015年に延期された際、下流都県から「2010年完成が八ッ場ダム参画の判断材料になっている(ので)遅れた場合、ダム参加が不要になっていることも想定・・・」と早期完成を強く要請しています。

(3)しかし、国交相は既に完成時期は3年遅れて2018年になると公表していますし、私たちが(仮に工事再開の場合の)工程を現実をふまえて試算してみると、まず付け替え鉄道用地買収交渉(難航)→鉄道・駅舎建設→付け替え国道建設→現鉄道・現国道廃止→本体工事で今後10年はかかる(つまり完成は2020年以降になる)可能性が高いと思います。「2015年までに完成せよ」は事実上意味がありません。参画の根拠だった完成予定が10年遅れるのであれば、下流都県として原点から見直すべきではないでしょうか。

(4)建設費総額も大幅増額が予想されます。国交省自身は約280億円増額を示唆していますが、水力発電の減少を東電に対して補償する「減電補償」が数百億円と予想されますので、起債金利を含めて更に巨額の税金が垂れ流されることになります。
この他、地元自治体には維持管理費が毎年かかり自治体財政を圧迫します。

今からでも遅くありません、ダム本体を止めるだけでも充分意味はあります。関東地整のスタッフに申し上げたい:皆さんは国交省の官僚である以前に日本国民です。将来の世代により良い日本を残すことにできる範囲でご協力願いたい。

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2011年11月 7日 (月)

河川法の「亜流」

今後の八ツ場ダムイベンが続々届く。

八ッ場ダム中止を求める国会議員・都県議会議員・市民の集い
●日時 2011年11月16日(水)  午後5時~6時
●会場 参議院議員会館B107(地下一階)
●主催 八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会、八ッ場あしたの会
詳細 http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1414 
お問い合わせ http://yamba-net.org/modules/inquiry/index.php?op=0 

”アーサー・ビナードがバッサリ切る ダムのひとつ覚え
  ~八ッ場も原発も根っこは同じ”

●日時 2011年11月23日(祝)午後1時半~4時半
●会場:学士会館2階 地下鉄「神保町」駅より徒歩一分
●主催 八ッ場あしたの会
チラシ http://yamba-net.org/doc/20111123flyer.pdf
詳細 http://yamba-net.org/modules/news/index.php?page=article&storyid=1381

国交省有識者会議に公開討論申し入れへ
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581111050002
朝日新聞群馬版 2011年11月05日

昨日、今日、明日は意見聴取
●割り切れぬ思い 八ッ場ダム公聴会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20111107/CK2011110702000061.html
東京新聞群馬版 2011年11月7日
●八ッ場ダム賛否、住民が意見 1都5県21人思い出交え
http://www.asahi.com/national/update/1106/TKY201111060320.html
朝日新聞 2011年11月6日22時51分
●<八ッ場ダム>住民の参加低調…素案まとまり公聴会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111106-00000032-mai-soci 
毎日新聞 11月6日(日)20時32分配信

さて、私はと言えば、意見聴取に応募したが、「住所」を理由に断られた。検証も検証の中身も、意見聴取も、その開催方法にもなんら法的根拠はなく、すべては行政裁量で進んでいる。そのおかしさを明確に定義しようと思い、先日、「八ッ場ダム建設事業に係る検討報告書(素案)に対する学識経験を有する者の意見聴取の場」 取材しにいく電車の中で、異議申し立ての下書きを書き始めたら、利根川の場合は、そもそも河川法に沿って定めるべき河川整備基本方針も河川整備計画も、現時点で、正当性を有するものが存在していないという点に気づいた。「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が決めた考え方を隠れ蓑にして局長が設定した検証方法は、河川法の「亜流」であり、隅から隅まで裁量に基づくもので法治国家としておかしい

そういう状態であることについての見解を、首都圏全体の治水の正当性、妥当性を左右する行政手続の一角を担い、日本の治水の歴史の一角となっていく場の司会役に尋ねたのであるが、関心がないと言われてしまった。法治国会における行政手続がどのようなものであるべきかに関心がない人物を司会役に選ぶこともまた、行政裁量であり、こうした手続きを「お手盛り」といい、裁量権の逸脱といい、日本の裁判所が常にお目こぼしてきた種類のことなのだ。

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川原(こうばる)のさらなる紹介など

おっと「ごうばる」→「こうばる」の間違え。申し訳ございません m_ _m

読みにくいし覚えてもらいたいから連呼したのに、間違えるなんて(涙汗)、ごめんなさい。

日刊SPA!!で書いたことがこちらで紹介された。
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011
●「石木川まもり隊」の以下の報告もお勧めです。
石木ダムはいらない!全国集会 に寄せられた暖かいメッセージ
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/56f7bedc8930e3e8447257f114c90a61 
力の入った「本当に必要?石木ダムはいらない!全国集会」の報告
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/8cf52f8661aad7013256d1235c9c251a 
そのアンケート結果
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/fe771b3f5192f9a095a92ff9b226c407 

● 徳山ダム建設中止を求める会事務局長ブログでも、
川原(こうばる)の紹介満載
http://tokuyamad.exblog.jp/16736674/
人々 http://tokuyamad.exblog.jp/16736734/ 
現地http://tokuyamad.exblog.jp/16739019/ 
集会http://tokuyamad.exblog.jp/16739061/ 
県庁http://tokuyamad.exblog.jp/16739081/

毎年5月の最終土曜日にホタル祭りをするので
誰でも大歓迎だと川原(こうばる)の女性たちが言っていた。行ってみたいと思う方はその時期を狙っては?

写真は「こうばる」ですよ~と慌てふためき、メールをくださった石木川まもり隊の松本さん撮影。こうばる名物(?)のユニークな立て看板の一枚「売って泣くより笑って団結 WE LOVE KOBARU ダム反対」です↓(クリックすると大きくなります)

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2011年11月 5日 (土)

Bunch of Useless Meetings(3)

ここからの続き

【「関心がない」と言われた】
宮村氏には、ぶら下がりインタビューで、2つの点をまとめて質した。

1. 八ツ場ダムの根拠である2005年に定められた「利根川水系河川整備基本方針」の中に位置づけられる基本高水の定め方を国交省は変更した。河川法16条に基づく「社会資本整備審議会」の審議ではなく、内閣府の日本学術会議で議論させ、基本高水の決め方を変えた。「社会資本整備審議会」には報告させただけ。

2. 利根川水系河川整備計画は河川法16条2で策定し始めたけど、途中で止まって宙づりになって正式に定められていない。今回突然、河川整備計画「相当量」1.7万トンという数字が出てきたけれども、正式にはいまだに1997年河川法以前にできた「工事実施基本計画」しか存在せず、「1.7万トンを河川整備計画相当量」はオーソライズされていない。

今の「利根川水系河川整備基本方針」も「利根川水系河川整備計画」もまったくlegitimacyがないがどう思うか。今日の意見聴取の場も位置づけがはっきりしない。そういうところで議論させられたことを学者としてどう思うか?

その答えが「あ~それ、関心がないんだ」だった。

「関心がない?」と聞き返した。「うん」「関心がない?」「うん。」「関心がない?」「うん。」100回ぐらいそのまま頭の中で「関心がない」が回っている。

Bunch of Useless Meetingsというわけはいずれ。

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Bunch of Useless Meetings(2)

ここからの続き

【収斂しそびれたテーマ「水余り」】
多角的な議論が行われた中に「水余り」のテーマがあった。
8. 岡本雅美・元日本大学生物資源科学部教授は、水余りの批判がかまびすしいと指摘し、水需要予測については各自治体が皆、余裕をもって予測するから、全体としては過大となるというカラクリの一つを解説した。
9. 野呂法夫・株式会社中日新聞社 東京新聞特別報道部は何故自治体があげてきた過大な需要予測を国交省の側で査定しないのか(宮村司会に極端な意見をここでは言うなといなされた人)と質していた。
10. 岡本氏は野呂氏の指摘について、国交省には自治体があげてきた水需要予測を査定する権限はないのだ、と、制度としての問題点を指摘した。

これこそが、学識者同士が議論する意味だ。問題が指摘され、その問題は何故起きているのかを分析する意見が出る。何がおかしいと感じるかと世論を代弁する記者を入れ、制度(カラクリ)を知っている識者を一堂に会させる意味である。そして、それを集約してさらに意見を昇華させることが「できる」采配力を発揮することができるのが司会者の役割である。

直後、岡本氏に取材をした。別件で取材があったのだが、ついでに8.9.10の論点をさらに踏み込んでもらい、一つの結論に達した。「国交省には自治体があげてきた水需要予測を査定する権限はないというのは、これは『水道施設設計指針』を改訂しなければダメですね」と質問すると、「そうです。つまり水道法の問題ですよ。水道法に『豊富』に供給しなければならないとあるから、それに基づいて『水道施設設計指針』は作られているんですよ」と。1往復で済む議論であり、問題への解決策が一つ抽出できた。

水道法を見てみると確かに「豊富低廉な水の供給を図り(第一条)」とあるが、「適正かつ合理的な使用(第二条)」ともあるので、水道法改正しなくても小手先の『水道施設設計指針』改訂で、人口が増えない限りは、新しい水道施設(この場合ダム)を作る前に水利権の整理、融通、調整をする、水漏れ防止工事を行うなどの条件をいれればいい。水道法改正か、水道施設設計指針改訂か、そのどちらかで議論の余地があるにせよ、その場でネットにアクセスして、法令データベースで調べて、ここまで議論をしたとしてもさらに数分である。

国交省に重用されてきた河川工学者である宮村忠氏は、厚労省所管の『水道施設設計指針』の存在を知らなかったのか。それとも知っていて司会力を発揮しなかったのだろうか。

今だから「ほじくり返す」必要のある制度はたくさんある。八ツ場ダムが本当に必要であれば作ればいい。私は本当にそう思っている。だが、制度が劣化しているから不要なものができるのは間違いだ。時代遅れになっている(かつては、水道施設(ダム)を急いで設計し整備しなければ経済発展や人口増加に間に合わなかったわけだが、今はそんな時代ではない)がために、時代遅れで必要性がない施設を、制度の見直しができないからといって、いや、制度の見直しにつなげることのできない議論しかできない会議(Bunch of Useless Meetings)しかできずに、単に未来世代にお荷物になる施設を追加して残して死んでいくべきではないと思っている。使命感をもった合理的な議論をして欲しいのだが・・・。

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Bunch of Useless Meetings(1)

昨日行われた「八ッ場ダム建設事業に係る検討報告書(素案)に対する学識経験を有する者の意見聴取の場」 へ取材にいった。司会があまりにもひどかった。今日中に仕上げないといけないことが諸々があるので、大きく括った3つのことだけ、記録しておく。

【司会の役割】
単なる「意見聴取の場」ではあっても、司会の役割はあるのではないか。
1. 学識者に言われた意見を事業者がきちんと正しく理解したか、
2. 意見を言った者の意見から言われた側の理解に漏れがないか、
3. 対面で意見聴取をする意味:意見を言われた事業者としてどう思うか
4. そのレスポンスに対して、さらなる追加意見があるかどうか。
司会としてそれを確認しなければ、単なる「公聴会」の司会でしかない。それがないなら、学識経験の枠を設けた意味がない手弁当で出かけていって喋る一般流域住民と何も変わらないから謝礼を返してくださいという話である。

ところが昨日の司会者(宮村忠・関東学院大学名誉教授)が司会中に采配したことは3つ。
5. 国交省に対して、「今の(学識者の意見)は意見として収めておいてください」とつないだこと。
6. 学識者に対して、「今のは意見ということでいいですね」と質問まじりの意見を抑制し、「極端な意見はここでは言わないでください」といなしたこと。
7. 検証検討について「現地の人々のことを考えれば、いまさらほじくり返すべきではない」との個人的な意見を、会議の締めくくりで
述べたこと。そういう立ち位置で5.6のような采配を行ったわけだった。

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2011年11月 3日 (木)

奇跡の集落「こうばる」

全国どこのダム計画も、時代遅れの先端を行っている。
どんな手でそうなっていくのか
「ダム事業の続け方のノウハウを知りたい自治体は読んでください」
とでも皮肉りたい話が石木ダム(長崎県)だ。

●50年前の長崎県石木ダム建設計画に税金投入【日刊SPA!】
http://nikkan-spa.jp/83203

しかし、4世代13世帯の方が、絶対に動かない!と腹をくくり、
  
  機動隊がこようが、
  知事がこようが、
  強制収用をかけようが、
  
「帰れ!」と半世紀突っぱねきた。そんな暮らしを続けさせるのは人権侵害だ。

ところが、日本はおろか長崎県内でさえ、「数年前までこんな問題があることを知らなかった」(長崎市内住民)と聞いた。

「知らせる人」がいなければ、「知る人」がいない大きな問題は日本中にまだまだある。上記、是非、読んでください。

●1月4日
「八ッ場ダム建設事業に係る検討報告書(素案)に対する
学識経験を有する者の意見聴取の場」
http://www.ktr.mlit.go.jp/
●1月6,7日
「八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)」に対する
関係住民の意見聴取の場
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000422.html

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2011年11月 2日 (水)

座り込みのオルタナティブ

八ツ場ダムの見直しの仕方につき、こちらで、

1.説明会を利根川流域各地で開く。
2.概要版を作る。

ことを提案し、そうならなければ「パブコメの提出期限である11月4日の前の祝日(3日)を挟んだ前日(11月2日)に、国土交通省本省の前で座り込みをします!これは八ツ場ダム問題を筆で伝えきれなかった自分への罰であり、同時に、現在の河川行政に対する抗議の意思の表明です。」と宣言し、おつき合いを申し出てくださった方もいらした。

結果として、ダム推進派からも、このパブコメのやり方は不評だったらしく、
2の概要版は作成され、達成
しかし、1は未達成で、説明会ではなく、スキーム通りの意見聴取しかない。オマケにそれが事業者の裁量で「関係住民」を1都5県に絞っているという問題も出てきた。

本質的な見直しがなされていないことが問題であるにしても、おざなりな検証とそのパブコメであるにしても、あまりにやり方がヒドイということを、「理屈じゃなく、ひっぱたく」的なアクションで伝えたいと思い、

かつ、座り込みをしながら、本来は何をなされなければならないのかを落ち着いてこんこんと訴える日にしたいと思っていた。しかし、計画性のなさにより、「やりたいこと」より「やらねばならないこと」が終わらない情けない状態になり、今回は断念。

理屈じゃなくひっぱたくアクション(比喩ですよ)は後日回しとして、現時点では、より本質的なアクションを昨日、起こされた研究者たちのアクションを含めた報道にリンクを張らせていただきます。

八ッ場ダム建設:国交省報告書素案、反対派との溝深く 推進派は歓迎 /群馬
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20111101ddlk10010219000c.html
八ッ場ダム:建設再検証を求め声明を提出 研究者ら
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111102k0000m040096000c.html
国交省に専門家が声明文 八ッ場ダムの再検証求め(11/01 18:57)
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/211101051.html

ということで、座り込みのかわりとして、こちらで書いたように、
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/stay-angry-stay.html
応募した意見聴取が却下されたら、異議申し立てをすることにまずはつなげます。

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2011年11月 1日 (火)

平成23年に昭和57年の国会議事録を読む

衆議院本会議で八ツ場ダムについての質問が行われた。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=TD

左側カレンダー →10月31日クリック↓
本会議 ↓
小渕優子議員クリック↓
19:45-22:00 質問概要
「2年間検証のもとで置き去りにしてきた。地元がどれほど苦難の日を過ごしてきたか。」
45:50~野田総理の八ツ場ダムに関する答弁概要
「予断を持たずに検証。来年度予算に間に合うよう結論を出す。
 現検証スキームに沿って国土交通大臣が適切に対処すると考えている。」

これを聞きながら思ったこと・・・。置き去りは事実。しかし、この2年ほど、『生活再建』の名で住民を置き去りで、しかし、物理的には八ツ場ダムの周辺工事が進んだ時はなかった。小渕議員がそれを知りながら「置き去り」と皮肉で言っているのか、気づかずに言っているのか・・・。

昭和57年に当時の野党(社会党議員)が、立場上は反対だが個人的には賛成の立場で、次のような質問をしていた。この当時からでさえ30年が経っている。何十億ではなく、二桁あがって今は何千億の話になっている。しかも利子を入れると約1兆円となる。

今の小渕議員は、このときの社会党議員のように立場上のスタンスと個人としてのスタンスをしっかり見極めているだろうか。

~~~~ ~~~~ ~~~~
昭和57年(1982年)4月27日参議院建設委員会
○茜ケ久保重光君 水資源が出たからちょっと質問するが、群馬県の八ツ場ダム、もうずいぶん時間がたっている。大分金も使ったと思うんだ。これは私が決算委員長時代に現地を調査しようと思ったら、自民党の諸君の反対でできなかったんだが、残念ながら非常なもうむだ遣いをしておるわけだな。重要なダムなんだ。私らは立場上ずっと反対してきたんだが、最近はそうあんまり反対もない。建設大臣、これは質問はしないよ、質問はしないが、この八ツ場ダムができないのは群馬県にボスが二人いるんだな。これは名前は言わぬでもわかるが、政治的ボスの確執が実はそこにある。現在は社会党や野党が反対しているわけじゃないんだ。群馬県に存在する政治的二人のボスの確執が原因なんだ。これはあなたに質問しては悪いからしない。
 そこで、いま局長が水資源についてとおっしゃるから、これは結構だ、結構だが具体的になかなか進まぬわけだ。特に八ツ場ダムは一億トン近い貯水量の多目的ダム、私も個人的にはこれは完成をした方がいいんじゃないかと思うけれども、こういう立場でいままできました。もうそろそろこれは解決しないと、いま言ったように恐らく何十億の金をいままで使ってきていると思うんだ。したがっていま、局長、この八ツ場ダムの事務所の開設時期とそれ以来の費用がかかっている。さらに調査の実態、話がつけばすぐにでも仕事ができるのかどうか。さらにまた、話がついても何年かの調査を要するのか、この点。それから現在の状況と見通し、もうごちゃごちゃ言わないで、簡潔にひとつお願いします。
~~~~ (続きはこちらからhttp://kokkai.ndl.go.jp/)~~~~

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