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2011年11月21日 (月)

八ツ場ダムを要望する江戸川区に行った

陳述の転載がまだ途中ですが・・・

昨日、「スーパー堤防・街づくりを考える会」の勉強会でお話しをしてきました。

2009年12月11日に、群馬県議会に「専門家等」として、
江戸川区の土屋信行土木部長(当時)が
「荒川では東京の遊水地になることを甘受しますが、江戸川は何とか守ってほしいということで、八ッ場ダムを何とか造ってほしい。」
http://www.pref.gunma.jp/gikai/z1111029.html
妙な陳情を行ったので、八ツ場ダムでどれだけ江戸川区が助かるのかと調べたら、水位なんか下がりませんよと職員は認識しているという話をカワシフでやったご縁です。
(この土木部長はその後退職してなんとかという財団法人へ天下ったとのこと。国の役人の天下りと同じ構造を自治体も持っているわけですね)
Photo

こんなに広い河川敷(東京湾に向かってカメラを向け、左が河川敷、緩傾斜の幅広な堤防があって、右が蛇足にしかならないムダなスーパー堤防予定地)を持っているので、職員が「は?八ツ場ダムで?水位低減?」という反応だったのもムリはないわけで、一体、土木部長は何を考えて、群馬県議会でそんなデタラメを言ったのかと。これは別途取材にいかなければならないことではあります。

ともあれ、以前、茨城に呼ばれていって八ツ場ダムの話をしたときに
過去の国会審議を調べたのをきっかけに、実は八ツ場ダムの問題が
随分前から会計検査院に問題視されていたことに気づきました。
これがそのときに茨城で使ったパワーポイントです。(クリックすると拡大)
Photo_2

昨日はそれを再利用したのですが、これであっと気づいたことがあります。
先日転載させてもらった深澤さんが陳述した内容。これです。
Photo_3

2つを比べると、昭和58年に出された年平均被害額128億円
深澤さんが陳述した水害統計による年平均被害額の実績値181億円
とても近い。それに比べて最近の想定は空想でしかないことが分かります。再評価を行ってきた事業評価監視委員会がまったく機能していなかったことも分かります(正確に言うと、委員が費用対効果がおかしいと指摘しても、国交省が聞き置いて無視したのを私は取材で目撃した)

ちなみに、1983年(昭和58年)に会計検査院が指摘したのは、
・ 実施計画調査に着手後10箇年以上を経過しても、用地買収、補償交渉が難航し、本体工事に着工の見通しが立っておらず、事業効果の発現が著しく遅延していること。
・ このまま推移すると治水目的の達成に支障をきたすこと。
用水の供給や不安定な取水状況の解消に支障をきたし、事業の長期化に伴う経費増物価上昇などによる事業費の増こうなどから原水単価が高騰すること。

などです。28年前に指摘されたことが、現実となり、続いているのが「今」です。
当時2100億円だった事業が、今は4600億円となっています。

こちらから再掲 
当初計画 (1986年)工期2000年度、事業費2110億円
1回目変更(2001年)工期2010年度、事業費2110億円
2回目変更(2003年)工期2010年度、事業費4600億円
3回目変更(2008年)工期2015年度、事業費4600億円

あれ?これでまた気づきます。
八ツ場ダム事業は、1986年に法定の基本計画ができるはるか前から
「実施計画調査」に着手され、それだけで「できるぞ、できるぞ」と
ただひたすら既成事実化され、住民を追い出してきた。

そして、基本計画の存在しない1983年にすでに「長期化」していることで問題が指摘されていた。行政裁量による既成事実化による公共事業の進め方は、今回、お話しの機会をいただいたついでに現場を見せていただいたスーパー堤防でもまったく変わらない。

住民を追い出すやり方により、江戸川区のスーパー堤防は「ミニ八ツ場ダム」と呼ばれ始めていることを知りました。そんな江戸川区の土木部長が群馬県議会で八ツ場ダムを要望するという事実に吐き気を催すのは私だけでしょうか?

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