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2011年11月 8日 (火)

意見陳述(2)茨城から

以下を読んだら岩上安身さんの『百人百話』 にもぜひ後でGO!

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する  
茨城県から神原禮二さんの陳述

要旨
福島原発の事故によって、私たち国民は、政官産学の”原子力村”が、権益を守るために「原子力安全神話」を作り上げてきたことを知りました。3.11とは震災を記憶するだけでなく、この国の政治・行政、社会のあり方を改めるべく、国民一人一人が心に刻み込んだ日でもあります。しかるに今回の八ッ場ダムの検証は、”河川村”の茶番劇そのものでした。すべてを白紙に戻し市民参加による再検証を求めます。

八ッ場ダム検証の目的は、八ッ場ダムを必要とするか否かではなかったのですか。
2009年前原大臣は八ッ場ダム建設について予断無く検証すると言明。翌1月「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を立ち上げました。記者発表に記載された趣旨は「できるだけダムにたよらない治水」へ政策転換を進めるとの考えに基づき、今後の治水対策について検討を行う際に必要となる、幅広い治水対策案の立案手法、新たな評価軸及び総合的な評価の考え方等を検討するとともに、さらにこれらを踏まえて今後の治水理念を構築し提言する。とありました。

ここからは、八ッ場ダムの残事業費と代替案の事業費を比較し安い方を採用することなどと全く読み取れません。国民の代理人である国交大臣が国民に約束したのは「八ッ場ダムが本当に必要であるか否かを治水・利水等の面から検証すること」にあった筈です。今回の検証結果ははじめから目的を歪め、八ッ場ダム建設にお墨付きを与えるものと言えます。検証は改めて本来の趣旨に沿ってやり直すべきです。

利根川治水の目標流量は何故17000m3/秒(1/70~1/80洪水)となったのですか。
河川の治水政策は1997年の河川法改正により「河川整備基本方針」と「河川整備計画」の2段階になったものと承知しています。利根川の場合、基本方針では1/200、整備計画では1/50となっていた筈です。現に立ち消えになってしまった先の河川整備計画案では1/50の約15000m3が目標流量として当時の委託調査報告書に記載されていました。今回突然に河川整備計画相当の目標流量として17000m3/秒が出され、主権者である国民に準備期間も与えずに意見聴取・パブコメ・有識者会議を開催するのは拙速などという生易しいものではなく、強引に八ッ場ダム建設を進める意図が歴然としています。すべて白紙に戻し、河川法の趣旨に従って流域住民の声を汲み上げて河川整備計画を立てるのが法による国のあり方でしょう。

各都県の水需給計画が妥当かどうかが、利水の検証ではないのですか。
前原大臣の八ッ場ダム中止の声明は、利水も既に八ッ場ダムを必要としない。という認識の上にたってのものです。その上で検証するならば、各都県の水需給計画が実績値と比べ、妥当かどうか、まだ水が要るのか要らないのか、を検証すべきです。ところが、今回の検証は各都県の水需給計画を検証することなく“確認”で済ませ、残事業費と代替案との事業費比較で八ッ場ダムが割安と判断しました。何故、水需給計画そのものを検証しないのですか。
茨城県の水需給計画「水のマスタープラン」は達成年度の平成32年には46万m3/日の都市用水が余るとしています。しかもこのプランは現在利用している地下水と自流水27万m3/日を削減していますから、実際の余剰水は73万m3/日にものぼります。しかし県は姑息にも、この余剰水を環境用水と危機管理水という新しい用途を作り出し、水余りはないと口を拭いました。八ッ場ダムに参加した時に建設省と取交した目的は「水道水」でした。これほどまでに作為的な水需給計画を確認という形で黙認することが検証と言えるのでしょうか。
ちなみに今回の震災で茨城県は全域断水しました。各市町村に確認したところ、県の危機管理水による手当てはまったく無かったことが明らかになりました。
茨城県の水道水源は120万m3/日。1日最大給水量は100数万m3/日を10数年続けています。工業用水の余剰は10数年60万m3/日。都市用水の余剰実績は80万m3/日にのぼります。そして八ッ場ダムの供給量は9.4万m3/日。
人口は2000年を境に減少期に入りました。どこに水需給計画の妥当性がありましょうか。どこに八ッ場ダムの必要性がありましょうか。

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