« 意見陳述(4)忙しい人仕様<抜粋> | トップページ | 数日没した間に »

2011年11月11日 (金)

意見陳述(5)東京から

間が空いてすみません。

八ッ場ダム建設事業の検証に係る検討報告書(素案)に対する 示唆に富んだ渡部卓(わたなべ たかし)さんの意見(2011.11.7)です。必読です。太字は私自身が読みながらマーカー的に入れさせていただいたところです。(11日10:30差し替え。最終版は赤字部分その他追加されていました。
 
全体的に素案を検証すると
1)検証作業は国交省に関係しない第3者による委員会で検証すべきです。
 原案を作成したチームが再び担当し検証すれば、原案を誤りと認めない限り再び同じ原案の中味が素案として提出される理屈になります。
 この点については国交省でも気にしたのか冒頭の検討経緯で何か言い訳のような、法令遵守のようなことが述べられているが上述の理屈からこの法令(細則)がおかしいのであって即刻第3者委員会方式に変えるべきです。
 その際、原案にプロ・アンチの2グループにそれぞれ担当させて2案の答申を提出していただく方式も考えられます。
また、ここはオランダ方式で原案に反対のグループを含む構成(オランダでは義務付け)で検証委員会を再構成して再検討されることを強く望みます。

2)専門家でない市民の意見を吸い上げるならこのパブコミ方式はお上の都合よいように設計されているので再検討をお願いします。
  望まれる形式は、「この素案について良い点、悪い点なんでもいいですから、あなたのお考えを書いてください。」です。あとは担当の仕事です。面倒臭がらないで仕分けして仕上げれば済みます。
  国がこの形式を広げるものですから、地方自治体等でもこの形式を真似て汗をかかないで済ます傾向が盛んです。庶民の意見を聞いてやるんだぞという姿勢は改めて欲しいものです。是非市民の目線で再検討をお願いします。

3)「はじめに結論あり」を感じるのは私のみでしょうか。
  コスト計算も「結論を八ッ場ダム」にもってくるように設計している。
  富士川から水を導入するなんてこの結論を導入するだけの代案としか思えない。
  そもそも「八ッ場ダム」をつくらない選択肢があってよいではないか。「なぜ必ず八ッ場ダムを選択肢に入れて議論しなければならないか!」から議論を始めるべきです。
 ちなみに、その根拠の1つとして民主党の石関貴史衆院議員の質問書に対する政府答弁書があります。それは「カスリーン台風並みの大雨に備えるために必要と説明してきた国が実際には、同台風と同じ降水パターンの場合には治水効果がないと試算している」「同規模の台風の襲来と仮定した時の下流の観測地点のピーク流量は、ダムのある場合も、ない場合も同じで毎秒2万421トンである。」(朝日2008.6.11)
 これによれば、そもそも八ッ場ダムを作る根拠がないことになる。直ぐ中止することが一番コストの安い選択肢となる。終戦処理にいろいろな費用がかかるのはわかるがその議論は別に大いにやったほうがよい。

4)要するに、この公聴会もパブコメも国交省のアリバイづくりとしか思えない。最大の原因は原案と同じ素案を提出したことにある。ガス抜きに過ぎない。

5)動植物に対する配慮がゼロに近い、その影響に言及したの4行位を4箇所触れているが具体的な絶滅危惧種などの保護の言及はない。実際調査したか疑問である。

6)景観・環境に対する配慮がほとんどない。あの山紫水明の吾妻川に愛惜の感情がゼロである。風光明媚な吾妻渓谷国民共通の財産である意識がない。

7)地震に対しての地すべり対策が弱い。新潟、奈良県で現に起こっている。

8)国・1都5県で約9000億かけるのに費用は3500億、総便益が2兆2千億で費用対便益が6.3倍になる根拠が薄弱だ。しかし、既にこの数字はマスコミ等で使用されている。3500億を9000億にすれば2.4倍である。少なくとも私には6倍は信じられない。

9)東京都の水道需要は都の水道局の資料によれば1993年の617万t/dから一貫して低下していて配水量は2010年には495万t/dとなっているその逆に都の予測(2003.12)は2000年までは配水量と同じく低下していたのが2000年から大きく上昇して2010年には600万t/dとなっていて、そのギャップは133万t/dになる。この600万t/dは2013年まで続くとしている。都の人口は低下しているし、工場は移転するし、バブル期とちがって水の消費は減少・節水・その機器の開発等で水需要は増加する要因はないのに実績と違う数字を載せる(国交省に報告)するとはどんな考えだろうか。八ツ場ダムを建設させるための数字を出したとしか考えられない。
 地下水の年間実績の45万t/dを加算すれば、都の保有水源量(623万t/d)と都の需要との受給ギャップは173万t/dとなる。これだけ水道の余裕があるのになんで八ツ場ダムに50万t/dの利水参画継続の意思表示する必要があるのか。

10)P21 4.2.5概略評価
 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳの評価についてはその積算資料がないので具体的に指摘できないが、一般的にいって概算はどうしても過大見積もりになる。私の経験ではバブル期などは公共事業は2倍くらいに見積もられた事例を知っているからこの見積もりはどうしても国交省以外、請負コンサル以外の第3者の見積もりが必要と考えます。
 特にⅣの流域での対策の見積もりはむつかしいでしょうけど工法、工夫によっては半分くらいになるのでないかと思います。雨水貯留/雨水浸透施設は公共建物には必ず設置する。用地代がいらないから安くできるはずである。水田畦かさ上げだけをするだけで9000億もかからない。(河道掘削はなし)これを他の地域に広げれば半分の経費でできるのではなかろうか。水田かさ上げでも工夫次第で安く丈夫で実質的にできるのではなかろうか。遊水地の確保も本気でやる気であるか疑問である。ヨーロッパのように農地をもとの氾濫原に返す洪水対策を真剣に導入することを考えなければできない仕事です。
 このⅣの項目の①・②・③・④・⑤・⑥が軒並み9000億円の見積もり(①をのぞく,河道掘削を除けば同じくらいか)になったのも何かおかしい感じです。
 

|

« 意見陳述(4)忙しい人仕様<抜粋> | トップページ | 数日没した間に »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/82688/42964346

この記事へのトラックバック一覧です: 意見陳述(5)東京から:

« 意見陳述(4)忙しい人仕様<抜粋> | トップページ | 数日没した間に »