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2011年12月17日 (土)

霞ヶ関、永田町、虎ノ門(行き着けず)、新橋の日

朝から国土交通大臣定例会見へ。国会開会中に開催されていた時間をめがけてすっ飛んで行ったら10:50始まりだった。ドトールのアイスコーヒーを飲みながら、某誌の原稿を省内のベンチで直して出動。

さて、前田大臣。結構、ジェントルマンだという印象を持っていたが、ジェントルに質問をはぐらかされ、どこまではぐらかすのか分からないので途中で遮らせていただいた。

「地すべり」で、移転しなくて済むはずだった居住地域の人々までが、ダム湛水試験が始まった後、居住不可能になって移転させられ、国が敗訴した大滝ダムのことを「砂防ダム」として役に立ったと回答したくだりで唖然。法定計画のことを聞いているのに有識者に意見を聞いたと、まったく関係のないことを答える・・・。困った。

先日の会見は高速道路推進、今日は新幹線推進、なんというか、今の民主党は濡れ手に粟というか、官僚に踊らされながら、自制心を失った子どものように利権に手を突っ込んでいっているという印象を受ける。以下、本日の会見メモ(乱雑、八ツ場ダムのみ抜粋)。

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2011年12月16日国土交通大臣会見メモ

他紙記者:八ッ場ダムについて。前原政調会長が国土交通省は手心を加えることがあると。八ッ場ダムをやめた場合の生活再建の法律を作っていないからそう思われるのだと言っていますが。

大臣:直接お聞きしたわけではないが1万7千トンの議論があるのは承知しいています。1万5千が1万7千になったのではないかとそういう話しでしょ?それはもともと利根川の大首都圏の河川整備計画がない。要するにその程度なんです。全国の直轄河川を比べていくと、直轄河川も随分、安全度において濃淡があるが、だいたい2,30分の1から70分の1の安全度なんですね。整備計画がないままに、どの程度のところを設定するかというのが、だいたい50分の1とか、当時、40分の1とかその程度で、1万5千トンということだったらしいんですね。だけど首都圏の中の一番重要な得意な流域なんですね。それで全国直轄が目指している中で一番高い70分の1ぐらいを目指そうということで1万7千と、この現状には疑義があったので学術会議に比較検証してもらったところ、妥当だと。それをなかなかまだ広くご理解していただけてないのかなという感じ。

さらに申せば、さらに申せばですよ。この利根川流域というのは、ようは利根川から荒川から、全部、江戸川に流れていたわけですね。だから○○のときには昔の○は洪水は常態化していたところ。それを随分東へ東へ持っていって今の利根川ができた。荒川利根川ができあがったのは昭和に入ってからなんです。私も調べたことがある。初めて国会にあがったときに水源税という日本の森を山を守ろうというのはその当時からあった。私はその理論構成を随分した。なんと、その当時比べてみたら、明治大正時代の国家予算の5%ぐらいを治水に、軍事費よりも多いくらい使った。それで荒川放水路というのが昭和にはいってできた。利根川、荒川の非常に危ないところなんですね。それをえいえいとしてやってきた。そういう堰堤がある。だからどうしても安全度というのは高めなければならんというのはある。

Q:今、大臣がおっしゃった日本学術会議に検証してもらった1万7千トンというのは間違いで、2万2千トンがおかしいのではないかということで検証が始まったということですので、その認識をちょっと改めていただけないでしょうかという点が一つと、関連で民主党のマニフェスト違反となるかどうかということがこの八ッ場ダムについては重要だと思うんですが、党内で継続であるという意見を出されたお一人は沓掛哲男さんという建設省の技監だったかたで、もうお一人は大西孝典さんという奈良県の大滝ダムの水没地のご出身ということで、大臣の元秘書の方だと思うんですが、この二人が「継続」するということで民主党のマニフェストが左右されることが一つあると思うんですが、この受け止めをお願いしたいんですが。

大臣:学術会議というのはモデルについてですから1万7千トンじゃなしに基本高水の2万2千トンを含めての全体のモデルということで、評価をされたということです。1万7千というのは私が申し上げたのは、今言ったようなことで安全度を70分の1から80分の1にあげた場合にこの学術会議が出されたモデルをつかって流出計算をすると、だいたい1万7千トンぐらいに対応するというふうにいっております。

それから今固有名詞が出ましたが、そこについては言及しませんが、やはりそれぞれが今私がちょっと、まだ結果を申し上げておりませんが、最終決断は政府で決めるわけですがまだ申し上げていません。利根川の一般的な流域の特性みたいなことを申し上げましたが、私も多少知っているもんですから申し上げた。そうやって専門的に御存じの方はその立場にとって、その方の良識に沿って、いっておられるわけであって、元どうのこのだというのは偏見だと。

他紙記者:??(席遠く聞き取れず)

大臣:来週の早い時期に結論を出し・・・、こちらの調整会議ですか?それは党から結論があがってきてということですから、もちろん精力的に準備は進めていますけど。

Q:大滝ダムについてなんですが、2002年に完成予定で地すべりが、国会でも問題にされて建設省の方で問題ないと言っていたのが結局おきて今現在2011年でも湛水試験中で、これから先もそれで収まるかどうか分かっていない状態です。八ッ場ダムも同じように地滑りが湛水されるにつれ、起こるだろうと予測され、国会でも指摘されています。もし仮の話ですが大臣がご自身で継続を判断された場合、そして今後、着工して、湛水して地すべりが起きていった場合、どなたが責任を取られるのか、官房長官なのか、大臣なのかどちらなのか、今ここで明言しておいていただけないでしょうか。

大臣:ご指摘ですがね、たとえば、私自身はダムによらない治水は追求しているんですよ。今でもずっと。利根川についてはさっき申し上げたように流域の非常に危うさみたいなものがあるもんですから、ちょっとでも安全度、短期的に安全度を増すことができるようなことが重要だと思っているんですよ。まだ結論をだしていないが。今ご指摘の地すべりの話がありました。

実は私も、大滝ダムの流域に五条というところがあります。和歌山県との県境に、そこに私の実家がある。子どものときから吉野川で泳いで育っているんですよ。だからやっぱりここはダムができてどうかなと思っていました。しかし、実は昭和34年の伊勢湾台風というのは、あの流域というのは大変な災害で犠牲を出したんですね。それに対してどうしてもあのダムが必要ということになった。実はこの12号台風があったときに、あの大滝ダムのちょっと上流側、左岸側で深層雪崩がありまして、伊勢湾台風のときに土砂崩れがありましてね。土砂ダムが決壊して下流に多大な被害があった。今回、たまたま大滝ダムができて、湛水実験を、地すべりの対策をやったところで湛水をしようとしていたところ。そこにこの大土砂崩れがあった。まったく下流に人命被害がなかった。そういう意味では、一種の砂防ダムのような機能を果たしたなという印象は思っております。

それから八ッ場ダムについては、これは事務次官を長とするタスクフォースというのが作っていただいて、危機管理の専門家であったり、失敗学の畑村洋太郎先生なんかもご意見をいただき、さらには火山の先生、地質の先生のご意見を開陳していただき、ただしそれで八ッ場がどうこうということではないんですよ。3.11のああゆう想定していなかったような大自然災害と言いますか、自然の○○が加わったときにどうなるのかと考えておく必要があるのか、というようなことをいろいろな角度でみていただき、資料も決定的に集め、これは河川局と遮断をしておりまして、決定的に。ダムがひっくり返って崩壊するというようなケースにしても外国のケースなど調べてもらっている。あるいは大土砂崩れがおきた結果どうなったかということも調べてくれて、あるいは火山が大爆発をした、大爆発を事前に察知して、これはアメリカのケースで、ワシントン州だと思うが、水位を下げておいたために、その泥流を受け止めて下流に被害がおよばなかった。いろいろなケースを調べてくれています。そういうものを含めて資料を整理して有識者委員会で、それはどう考えるかという判断ではなくて、専門家としてどういうところが。。。というコメントをつけてくれています。

Q:それを踏まえた判断をされると思うんですが、判断が大滝ダムのときにように。あのときも有識者会議が開かれた結果、継続されて、結局、16倍にも事業費がふくらみました。ですので、伺いたいのは大臣が判断するのか、官房長官が判断するのか。

大臣:それは大臣です。

Q:それでしたら、もしも着工して、地すべりが起きて、今4600億円ですが、それがさらにふくらんでいくということになりましたら、大臣はどのような責任を取られるんでしょうか。

大臣:要するに命が大事です。今度の大滝ダムも、私も、ダムのないような治水の方法がないのかということはずっと頭の中にありました。結果的にはダムができた。実は今回、見事に想定していなかった。このダムは砂防の役割なんて大滝ダムは考えていなかった。しかし、実際には、昭和34年の伊勢湾台風と同じような紀伊半島の。。。2000ミリもふった。大台ヶ原で2000ミリその下流が大滝ダム、そして大地すべりが起きた。そしてダムがそれを吸収した。下流に被害がなかった。そういうこともあるんです。そういうことも含めてトータルで、一万年先ぐらいまでというわけにはいきませんが、やっぱり3.11の東日本大震災の劇力はあるんだということを頭に入れて最終的に判断するのは、大臣しかいない、そういうふうに思います。ですから、どういう格好になったとしても判断した大臣の責任になります。

他紙記者:スケジュールについて
大臣:私はいまのところ、明確にしておりません。要するに22年度予算に反映させると。3代の大臣が公約していますし、そのスキームを作ったのは前原大臣です。言ってみれば国交大臣の民主党政権の国交大臣の公約ですから、それが守られるようにしたい。

他紙記者:前原さんの判断が間に合わなかった場合は、
大臣:いやいやそんなことはない。前原さんは、その辺、よく御存じですから、しかも、政策のトップの責任者ですから、予算だって、調整して、最終的に、。。それは前原さんはお考えになっていると。

Q:さきほど大臣がおっしゃったように河川整備計画については正式なものがありませんし、1.5万トンというときに藤岡市が了承していないということでできていません。1.7万トンは誰もいままで聞いたことがなかったものが突然でてきたものです。河川整備基本方針の方は、検証があった結果、国交省が正式な利根川水系河川整備基本方針として出しているのは2.2万トンが書き込まれていますが、学術会議の結果、その数値も変わっています。要するに河川整備基本方針も河川整備計画も正式にオーソライズされたものが存在していないという状態です。その状態で下位計画であるダム事業を進めるということについて非常に行政手続き的にどうなのかと思いますが、ご見解をお願いします。

大臣:あらゆる施設、政策で機能がアップした暁に安全度があがるからいいわけですね。ダムの他に拡幅するだとかあるいは堤防を強さに問題はある、利根川流域は、相当あちこちで壊れている。江戸川では堤防の地すべりを起こしている。だから今の段階では相当の安全度、上流から下流まで機能を果たしてくれないと破堤しますから、そういう意味では堤防の強化をどうあげていくかということについては、どんな検討がなされているのか、今すぐ実行して、効果がでてくると確証が出てくるものはなかなか難しい。それから遊水池、これは効果的、守るべき都市部の遊水池と昭和までやったと、たとえば我孫子ですか、上流側には広い遊水池、これ民地ですよ。・・・・それから荒川ゴルフ場とか、いっぱいありますね、全部民地なんですよ、遊水させるための、それで私は国家予算の5%としてはそれぐらい軍事費より多いぐらい、それぐらい首都圏の利根川は低湿地が危ないということで一生懸命やってきた、その表れが民地でも広く囲って遊水池にして、そのかわり農業をやっておられる。そういうこともやる。ダムにたよらない治水を希求してきているんですね。私もそういうものを利根川の基準点近くでできないのか、そういうことも考え、ダムに頼らない治水をとにかく模索していこうと、それが民主党の政策の考え方だと。

Q:いえ、行政手続としてどうかです。法治国家ですから、行政は法律に基づいて事業を行わなければなりません。その法定手続きが二つともうやむやなまま進めて禍根を残しませんかと、そういう趣旨です。

大臣:それはあなたが指摘される法律手続きの解釈がどういうことか私は存じませんが、その法手続も含めて、専門家が随分いろいろな観点から検証してきた。さらにそれを事業評価監視委員会というそれこそ行政手続を経て第三者委員会、そこにかけてその結果も出ている。それがその経緯を含めて、一都五県の自治体の方々からする地方自治法関係やいろいろなことがあるでしょう。それも含めて検討評価監視委員会だとか、それをさらに有識者委員会をかけて、社会科学系の専門家もいた。そのプロセスをすべて検証していただいたんで、私はあたなほど行政手続きに詳しくはないんですが、そこはそのプロセスに瑕疵はないと思っています。
~~~~~~~~~~~
メモは以上。

ところで、・・・「法手続」など有識者会議は検証などしていない。
そんな役割はどの有識者会議にも与えられていない。彼らの仕事はプロセスを追うことではない。事業の中身である。

1964年にだったら八ツ場ダムは役に立ったのだろう。↓
http://www.mlit.go.jp/river/trash_box/paper/pdf_japanese/9.pdf 
しかし今は、その50年後である。

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