2009年2月23日 (月)

直轄事業負担金制度の本当の欠陥

国直轄事業負担金の軽減や廃止を全国知事会が求めはじめた1964年から数えて半世紀近い。ようやく個々の複数の知事が具体的な事業名をあげて、「支払い拒否」をほのめかすようになった。加速度的に多くの知事が言い始めたことで新聞も取り上げるようになった。

新聞報道によれば、与党政府は負担金制度の廃止も考え始めたようだ。(未確認)

しかし、私が思うに、国直轄事業負担金は、自治体が負担させられることが悪いのではない。国直轄負担金制度の欠陥は、自治体が財政負担をさせられる(納税者からすれば、住民税などの支払いで負担させられる)にもかかわらず、「応分の参加権」つまり「意志決定への参加権」がないことだ。

しかし、知事も国も、そこのところまでに考えがまだ到っていないように思う。

そこで書く。

この問題を考えるとき3つの点を考えるべきだ。

1.負担拒否は、事業から撤退の決断のときでなければならない。

一つは、あたかも「国の事業だから国が払うべきだ」といいたげな言い方は間違いだ。ある一つの事業に自治体が参加するときには、その意志決定に「加担」しているのだ。もし支払いたくないというのであれば、その事業から撤退すべきなのだ。

財政負担が苦しい、というのは事業から撤退する重大な判断根拠であり、民間事業であればそうしなければ倒産するのであるから当然、撤退の判断は健全である。ところが自治体として事業からは撤退もせずに「受益は欲しい、負担はいやだ」というのであれば、その論法は間違っている。これは自治体や国が破綻しないという甘えと勘違いからきている。夕張市を見てわかる通り、放漫経営を続ければ早晩、未来世代への行政サービスのカットでそのツケを払うことになる。

2.大阪府がかかえる矛盾

大阪府ではある意味、それが起きている。過去の放漫経営に対し、過去から見た未来(つまり現在)、橋下知事は、府としての行政サービスを削らなければならなくなり、国直轄負担金(最終的には2割)を支払わないという選択と、福祉行政サービスを含めたカットで対処している。ところが削るべきところの精査が甘い。たとえば大戸川ダムという国直轄ダムには異議を唱えて中止を訴えているのに、同じように推進根拠の乏しい府営のダム建設計画(ハコモノ事業)は止めようとしていない。不可思議な矛盾だ。これこそ「止める」といえば、止められる出血(財政負担)を放置している。この批判が間違っていると言いたいなら、橋下知事は、ただちに府営ダムの必要性の根拠を洗い直すべきだ。

国にしても、府営ダムへの補助金を大阪府に対して支払わなくて済むので、財政的に助かるはずなのだ。「財政が苦しい」といいながら、国は国の事業を、府は府の事業を死守するのは筋が悪い。府は、国直轄事業負担金の支払い拒否をすると同時に、現在の世代への福祉行政サービスを削るよりももっと先に削るべきところがある。

3.事業撤退、意志決定への応分の参加

国直轄負担金制度の最大の問題は、国が抱えている問題だ。自治体が必要性や優先順序の高さを認めることができずに、撤退をしたいといった場合でも、国は、現在のところ、暗黙のうちにゴリ押しや他の事業予算カット(行政圧迫)などの手法を使って、事業への継続参加と財政負担を事実上、求め続ける姿勢を見せる。

大戸川(だいどがわ)ダムに関して、それが起きている。事業撤退に関する筋道を法律で想定も規定もしていない。大戸川ダムは、河川法16条の2に基づいて、河川整備計画に位置づけない限りは推進できない。その手続に基づいて複数の知事が大戸川ダムを位置づけるべきではない、すなわち、中止するべきだとする意思表示をしているのにもかかわらず、国交省はいまだにその意志に従おうとしてない。

つまり、国直轄事業負担金制度とは「受益に基づく応分の負担」を求める制度であるにもかかわらず、「財政負担応分の参加権」、「意志決定への参加権」は認めていないのだ。「払えないから(あるいは優先順序が低いから、必要性を認められないから)参加しない、撤退したい」ということを認めない。

事業への参加にあたって、法的な手続を経て、ひとたび負担の支払いが始まるとあたかもやくざの兄弟の契りのように、それから足を洗えない不文律の仕組みになっている。

財政事業がかわって(将来的な財政状況を見極めずに参加しないことが本来は望ましかったわけだが、首長が選挙によって代わり、納税者の意志を尊重することは十分頻繁にありえるわけだから)、もはやその事業から撤退しようと、自治体が意志表示をすることは十分にありえる事態にもかかわらず、国がその意志を汲む手続が法律にない。

しかし、法律に書いてあろうとなかろうと、尊重すべきところを尊重すべきなのは当たり前のことで、その政治的意志を国土交通省官僚が認めないのであれば、国土交通大臣がただちにその自治体の意志を尊重し、その事業の中止に向けての手続きを命ずるべきところである。

政治決断を行わない大臣はまったく不要である。大臣の役割が分かっていない大臣が、大臣であることほど、国民にとって不幸なことはない。

以上、3つの論点が徹底議論されずに、地方が財政負担なしに国直轄事業に参加できるようになるのは、地方の焼け太りであり、間違いである。

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2009年1月 9日 (金)

政策課題にどう載せるのか?

先日、ある問題をどうやったら政策課題に載せられますか?とメールが来ました。

以下のようなお返事を出しました。形を変えて頻繁にいただく相談であり、最近一番冷たくあしらってしまったときのメールです。差し支えのある部分をカットしながら公開します。

政策課題に載せる作業のお手伝い。

今回、私はお手伝いはできませんが、

○○さん自身が情報を整理して、問題を見極めてみませんか?

才能とセンスがなければ難しいけれど

意地と根性があれば才能とセンスを補える世界です。

「問題がいっぱいある」とのことですが、

お勧めするのは、A4一枚に

1.何が問題ですか?(箇条書きでトップ5をあげてください)

2.その原因はなんですか?

3.どうずれば解決しますか?

3段階にわけて、問題を明らかにしてみては?

1.2.3に、分からない、という答えが出て、その答えを見つけだそうという情熱が○○さんの中に沸いてこなければ、もうその時点でアウト。

○○さん自身が政治家に対し、

政策課題に載せてくださいと要求することは難しい段階でしょう。

ときには、政治課題ではないのに

(政治課題とは究極的に法律を変えることです)

なんだか困ったな、というだけで政治家に持ち込む場合があります。

それはNG。

それと、政治課題になるのは社会問題になってから、という悲しいパターンもあります。ほんとうはそれではいけないのですが、霞ヶ関も永田町も人材不足ですね。そこにプレッシャーをかけるべき報道の世界も学者の世界も人材不足です。

メールをいただいただけでは、まず、何が問題かまったく分からないので

私でなくても「政治の世界」を知っている人であれば

まず「お断り」となると思いますので、

ほんとうに政治課題に載せるべき課題なのかどうか、

○○さん自身見極めるため(時間を無駄にしないため)にも、

A4、1枚で仕上げてみてください

それから、これは誰に持ち込むべき問題なのか?

それもさっと10人ぐらい、自分で直接、その人物が思い浮かぶようでなければ、

道のりは遠いです。

1に勉強、2に勉強、34も勉強、5に勉強ですよ。

どんな問題も、他力本願はNGです。

 

(○○を羨ましいということについて)

あれも人生かけてライフワークとして取り組んで考え尽くしてきた人がいるから進むんですよ。広報力やテクニックは重要だし凡人には羨ましい限りだけど、そんなもんは、あとからついてくるときはついてくるもんであって(つかないかもしれないけど)誰が誰の心を動かすかにかかっています。本質ではないんですよ。

諦めずにGood Luck

この世にとって大切なことで簡単にできることなんかないさ!

(ときどきあるけど。初めの一歩が一番たいへんなのさ!)

と書いたが、初めの一歩が簡単でだんだん大変になってくることも多いなぁ。。。

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2008年8月27日 (水)

中止されるべき川辺川ダムの今

熊本県知事に就任後、

9月に川辺川ダムに対する意見を表明すると知事が始めた

「川辺川ダム事業に関する有識者会議」の模様は以下に。

●川辺川ダム事業に関する有識者会議(第1回から第8回(最終回))

http://www.pref.kumamoto.jp/k_river/kaigi.html

●川辺川ダム事業に関する有識者会議報告書()平成20 8月)

http://www.pref.kumamoto.jp/sec_img/0141/200826090435041.pdf

●川辺川ダム事業に関する「文書等による県民の意見の募集」において応募のあった意見

平成20 826

http://www.pref.kumamoto.jp/asp/news.asp?page_flag=top&i_news_no=13453

●「川辺川ダム事業に関する県民の意見をお聴きする会」において発表のあった意見

平成20 826

http://www.pref.kumamoto.jp/asp/news.asp?page_flag=top&i_news_no=13452

●そして、国交省が熊本県知事におくる穴あきダム秋波(報道へのリンク)

080825() 21:44蒲島知事が国交省から川辺川ダムの意見徴収

http://www.kkt.jp/news/index1.html

◎国交省 穴あきダム知事に説明

http://www.nhk.or.jp/kumamoto/lnews/05.html

◎川辺川ダム事業 国交省「穴あきダム」の選択肢初めて示す

http://www.tku.co.jp/pc/news/view_news.php?id=15563&mod=3000

◎ダム無ければ「水害やむなし」=川辺川で「考え方」提示-国交省

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008082500744

◎国交省、新整備計画でも川辺川ダム 知事に考え伝える

http://www.asahi.com/politics/update/0825/SEB200808250034.html

◎「別の治水対策」否定知事意見聴取で九地整河川整備計画原案に川辺川ダム方針

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20080825-OYT8T00687.htm

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2008年7月 3日 (木)

近畿地整のなぞ

●ダムは、自然環境に及ぼす影響が大きいことなどのため、原則として建設しない

●考えうるすべての実行可能な代替案の検討のもとで、ダム以外に実行可能で有効な方法がないということが客観的に認められ、かつ住民団体・地域組織などを含む住民の社会的合意が得られた場合にかぎり建設する

●環境変化の多くはある時点で突然顕在化し、その変化は不可逆的でかつ時間が経つにつれてその影響が大きくなることに多い事実に鑑み

という提言によって、

新河川法の第一の体現者となった淀川水系流域委員会。

その最終意見を待つこともなく-しかも自分たちで諮問したのに-

国土交通省近畿地方整備局がダムありきの河川整備計画案を、

次の段階である知事意見を聞くために提示したことに、

多くの批判が寄せられている。

「宇治・世界遺産を守る会」さんから転載許可をいただきましたが、

せっかく淀川水系流域委員会のウェブサイトに掲示されているので

リンクを張らせていただきます。

http://www.yodoriver.org/iken_shuu/bessi/bessi_1077.pdf

その他の意見書もここから見ることができます。

http://www.yodoriver.org/iken_shuu/ippan_iken_hyou11.html

堤防強化で壊滅的な被害を防ぐことを最優先する流域委の考えとは違い、

ダムによる水位低下を優先させる従来の河川行政に逆戻りしたのは一体なぜなか。

このヘンに答えがありそうだ。

淀川水系の治水対策および淀川水系流域委員会に関する質問主意書

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a169484.htm

上記への政府答弁

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b169484.htm

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2008年6月21日 (土)

河川法の自殺

見切り発車をした国土交通省近畿地方整備局に対し、

宮本博司・淀川水系流域委員会委員長が、

声明を出しました。

委員長声明

http://www.yodoriver.org/seikeigenan/080620_seimeibun.pdf

淀川水系流域委員会

http://www.yodoriver.org/

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2008年6月18日 (水)

淀川をもっとよくしたい流域委関係者の会

淀川では・・・・

転載します

「淀川をもっとよくしたい流域委関係者の会」ご案内

淀川水系流域委員会の旧委員有志の呼びかけで

表記の会を開催することになりました。

流域委員会の先行きが危ぶまれるこの時期に、

員会関係者およびご関心のある皆さん方の

ご出席をお待ちしています。

河川管理者への参加を呼びかけましたが、

参加いただけそうにありません。

皆さんとともに「これからの流域委員会」を

考えたいと思いますので、

よろしくお願いします。

今本博健

■淀川をもっとよくしたい流域委関係者の会

  と き:6月20日(金)18302100(受付18:10

  ところ:大阪府立女性総合センター「ドーンセンター」

  定 員:150

  参加費:1000(当日):会場費等に充当

  申し込み先:細川ゆう子

          メール vr2s-hskw★asahi-net.or.jp

          FAX 06-6493-5991

  プログラム

   第Ⅰ部 これまでの淀川水系流域委員会

        寺田武彦(元委員長) 吉岡慎一(前庶務) ほか

   第Ⅱ部 これからの淀川水系流域委員会

        参加者の皆さんに意見を述べてもらいます。

~~~~

淀川水系流域委員会では最近こんな議論がなされてきています。

平成20527(火)第79回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/79th/pdf/iin79th_gijiroku.pdf 

平成20513(火)第78回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/78th/pdf/iin78th_gijiroku.pdf 

平成20422(火)第77回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/77th/pdf/iin77th_gijiroku.pdf

平成2049(水) 第76回委員会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/76th/pdf/iin76th_gijiroku1.pdf 

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/76th/pdf/iin76th_gijiroku2.pdf 

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/76th/pdf/iin76th_gijiroku3.pdf 

平成2046日(日)

淀川水系河川整備計画原案に対する意見(案)についての旧委員への説明会

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/080406_kyuiinsetumei/pdf/kyuiin_gijiroku.pdf

平成20326日(水) 第75回委員会 

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/75th/pdf/iin75th_gijiroku.pdf 

以上転載、上記@を★に変えています

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2008年5月31日 (土)

兵糧攻め、「殺せ」、なんという・・・

●淀川水系流域委員会

http://www.yodoriver.org/

「審議長期化による経費増、縮減を」淀川流域委に近畿地方整備局

http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080527/env0805272325008-n1.htm

次回は、平成2063日(火)16302030みやこめっせ(京都市)

●辰巳ダム

【動画】 辰巳ダム原告団代表を「殺せ」--宇野邦夫議員の発言

http://blog.goo.ne.jp/stoptatsumidam/e/e74814343708f01e9742b290a7c340bc 

その顛末は「辰巳(たつみ)の会」のブログでリアルタイムで

http://blog.goo.ne.jp/stoptatsumidam

辰巳ダム問題全般については

http://nagi.popolo.org/tatumi.htm

●山鳥坂ダム

治水・環境不信根強く

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/feature/matuyama1197023727613_02/news/20080224-OYT8T00645.htm 

●清津川の水利権・・・切れて2年半過ぎていますが・・・

東電が水利権更新で再延期要求(新潟日報2008529

http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=110729

救いは?

●川辺川ダムに関する熊本有識者会議情報は

http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/

「地域再生から考える球磨川・川辺川の未来~有識者会議とは何か?」

http://mkawamoto.jp/080607/080607d.pdf

   

●野田知佑さんのハモニカな夕べ、本日でした。

http://www.airbepal.com/bn/10509172356200/1211636732.html 

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2008年5月 7日 (水)

9月に向けた川辺川の動き

大臣会見でも触れられていた有識者会議とは?

●川辺川ダム有識者会議に9氏 知事公表

http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20080430200016&cid=main 

熊本日々新聞2008430

(リンク切れしたらすみません。)

●パッと分かる

清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会作成

「球磨川流域の水害被害と住民が求める治水対策」

http://yurika-net.sakura.ne.jp/kawabe-kuma/ryuiki_slide/ryuiki_slide_02.html

●子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会 編

川辺川ダム問題ブックレット 待望の第3弾!

『ダムは水害をひきおこす球磨川・川辺川の水害被害者は語る』

http://kawabegawa.jp/book/book.html

住民が語る川への愛着と水害の恐怖。住民の証言はダムが水害の原因であることを明らかにし、その解決策も指し示す。川辺川を守る県民の会スタッフが球磨川・川辺川の流域住民から聞き取り調査を行い、それをまとめた証言集の決定版。河川行政の転換を求める関係者必読の書。

●高橋ユリカのダム取材10年の証言

http://www.hitoyoshi.co.jp/dam/index.html

力作です。

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留意しましょう、と大臣が会見

少々順不同になりますが、滞ってしまった報告やら最近の動きやらを載せていきます。

430日、淀川、球磨川(川辺川)、利根川について、たいへん興味深いやり取りが、大臣と記者との間で行われました。

冬柴鐵三国土交通省大臣会見要旨(平成20430日)

http://www.mlit.go.jp/kaiken/kaiken08/kaiken.html

(略)

(問) 近畿の淀川水系河川整備計画の原案について、淀川水系流域委員会が22日に原案の再提示を求める意見書を出されました。国土交通省は、その意見書を受けとっていないその場から、再提示する考えは全くないと明言されています。大臣は以前の会見でも、「淀川水系流域委員会については、意見については尊重される。そして、河川整備計画の住民意見の反映については、意見を聞くだけではなく、きちんと議論する。」というようなことを明言されていましたが、これは全然尊重されていないのではないかと思わざるを得ません。大臣のご見解を伺わせてください。

(答) 淀川水系の流域委員会については、ずいぶん長い間、熱心に討論されたわけです。この中には、もちろん委員会自身の正式なご意見も、その過程で出された多くの意見もあり、ご案内のように500回以上開かれ、異例に詳細に結論を求めるための手続きをとられましたが、その過程でどのような意見があったのか。最後のまとめは、もちろん結論は結論として重く受け止めますが、その他の首長のご意見、あるいは有識者、それ以外の方々のご意見、あるいは地域住民のご意見等も勘案しながら、最終的な整備は河川管理者として責任をもって決めていかなければならないわけです。したがいまして、その中の一つの意見として、重く受け止めなければなりません。これだけ開かれた会議の結果ですから重く受け止めますけれども、しかし、そのとおりにするかどうかということは、また別問題だと思います。   

(問) そのとおりにしないというのは当然ですけれども、再提示をしない、つまり、意見を聞かないという発言は非常に問題だと思います。流域委員会の1年間は、国土交通省の都合で休止されて、その後、近畿地方整備局が従来の委員の選択方式を改めて、その上で、自分たちの意思で委員も選んでいます。それを踏まえて議論してきました。これは、意見を尊重しなければいけないということではないでしょうか。

(答) 人選が全くこちらだけの意思でやられたかどうか、これは別問題だと思います。しかし、どなたが入られても、今回も原案の提示以降20回開催されました。こちらからも、約2千6百ページにわたる資料を提示し、慎重にいろいろな審議をしていただいたと思いますので、重い結論だと思います。しかし、それをそのまま採用するかどうか、それは違うのではないのでしょうか。それは別だと思います。しかしながら、それを軽んずるような発言をしたのであれば、それはいけないと思います。   

(問) ぜひ、その点については、大臣からも留意していただきたいと思います。もちろん流域委員会の意見が100パーセントではないと思います。しかし、自治体の首長などからも流域委員会の意見を尊重してほしいというような意見が出ていると伺っています。これだけ時間をかけて議論して、出された原案について大きな疑義が出されたのは非常に重いことなのではないでないでしょうか。それにもかかわらず、たたき台だから再提出する考えはない、修正する気はないというような姿勢は、河川局の決定ではないかと、そのように考えられるのですが、いかがでしょうか。

(答) あなたのように以前からこの問題を非常に熱心に観察されている方のご発言ですから、私からもよく話したいと思います。

(問) 利根川についても、昨年来、住民意見の反映という点で非常に不満足な状況であるという指摘がされています。有識者会議が一年近く開かれていません。反対があれば休止、あるいは、中断するのか。東西ニ大河川で起きていることが他の河川に波及しないわけがないと思います。こういうことについても、ぜひ、大臣、留意していただきたいと思います。

(答) はい、留意しましょう。両河川とも集中豪雨等の大きな災害が発生した場合、とてつもないことが起ります。私も責任者ですから、そういうことを考慮しながら、いろいろ判断していかなければならないと思います。熊本県も知事が有識者会議を近く開くと決

断されたようです。ダム不要論もありますが、本当にそうなのか、私も勉強させていただきたいと思います。

(問) ダム不要論とおっしゃいましたが、流域委員会もダムに効果がないと言っているわけではないことはご承知のとおりだと思います。ダムの他、堤防補強などさまざまな選択肢を考慮し、一番想定外の豪雨に対し、どう住民を守るかを最優先に考えてほしいというのが流域委員会の提言だと思います。しかしながら、原案はダム事業をどう進めるかに大きなウェイトを置いていると思います。

(答) そういう見方があることがよく分かりました。私は、流域に住む方々、私も淀川水系に住んでいますが、一千万人を超える人々の安全安心の観点からどうあるべきか、利根川はもっとすごい人数ですよね。そういう観点を十分配慮しながら、偏らずに判断していかなければならないと思います。

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2008年4月23日 (水)

カカシではなく意見の反映

川上ダムに中止の意見書 建設の説得力欠く

2008423日 毎日新聞

淀川水系4ダム「必要なし」 国交省諮問委、答申へ

200804222342分 朝日新聞

4ダム計画 同意せず 淀川流域委 再提示要求整備局は拒否へ

2008422()京都新聞

事務局(国交省)が示した原案にお墨付きを与える意見をあげてこなければ、その意見は切り捨てるというのでは、「諮問機関は、単なる官庁の御用機関である。それなら最初からカカシでも座らせておけ」と思われていることを証明することになる。カカシ型諮問機関ではなく、住民意見の反映が求められていて、それを実現する機会が与えられていると考えるべきではないではないでしょうか?

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