2009年6月27日 (土)

参議院附帯決議抜粋

最後に、私自身がこの法案を1年間フォローし続けた視点から、課題として附帯決議に残された点を抜粋しておく。(ここに抜粋しなかった他の点が重要ではないという意味ではないので、ぜひ、全体を見て欲しい。法律には明記されなかったものの政府や修正案提出議員たちが踏み込んで答弁し、政令に反映されていくべき点が盛り込まれている。)
参議院附帯決議全体 

@@@参議院附帯決議抜粋@@@

二、(略)また、軽微性を理由とした文書の不作成が恣意的に行われないようにするとともに、文書の組織共用性の解釈を柔軟なものとし、作成後、時間を経過した文書が不必要に廃棄されないようにすること。

三、行政機関の政策決定並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるようにするため、行政機関による委託事業に係る元データが確実に取得される仕組みを検討すること。

五、保存期間の満了により廃棄される行政文書の量が膨大なものであることを踏まえ、廃棄に係る行政文書の内容の審査等に要する内閣総理大臣の補佐体制を強化すること。

八、公文書の電子化の在り方を含め、セキュリティーのガイドラインの策定、フォーマットの標準化及び原本性確保等の技術的研究を推進し、電子公文書の長期保存のための十分な検討を行うこと。

九、国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利用制限については、利用制限は原則として三十年を超えないものとすべきとする「三十年原則」等の国際的動向・慣行を踏まえ、必要最小限のものとすること。

十、特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱いにおける除外規定である本法第十六条に規定する「行政機関の長が認めることにつき相当の理由」の有無の判断に関しては、恣意性を排し、客観性と透明性を担保する方策を検討すること。

十二、本法に基づく政令等の制定・改廃に際しては、十分に情報を公開し、多角的な専門的知見及び幅広い国民の意見が取り入れられる機会を設けること。

十八、附則第十三条第一項に基づく検討については、行政文書の範囲をより広げる方向で行うとともに、各行政機関における公文書管理の状況を踏まえ、統一的な公文書管理がなされるよう、公文書管理法制における内閣総理大臣の権限及び公文書管理委員会の在り方についても十分検討すること。(*)

十九、公文書等の管理に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための司令塔として公文書管理に係る政策の企画・立案及び実施を担当する部局及び機構の在り方について検討を行うこと。

二十、行政機関のみならず三権の歴史公文書等の総合的かつ一体的な管理を推進するため、国立公文書館の組織の在り方について、独立行政法人組織であることの適否を含めて、検討を行うこと。

@@@抜粋以上@@@

@@@@@@@@@@@@@@@@
(*)「附帯決議十八」にある「附則第十三条第一項」は、衆議院で修正案として加えられ、可決・可決成立したもので、以下の通り(第二項もついでに掲載)。
=============
附則 (検討)
第十三条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案しつつ、行政文書及び法人文書の範囲その他の事項について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2 国会及び裁判所の文書の管理の在り方については、この法律の趣旨、国会及び裁判所の地位及び権能等を踏まえ、検討が行われるものとする。
=============
つまり、「附帯決議十八」は、行政文書の範囲は今後も広げていかなければならないことなどを強調している。
@@@@@@@@@@@@@@@@

また、今回の公文書管理法が、行政文書と民間から寄贈される歴史文書が対象となっているが、国会や裁判所についても同様に法律を検討していかなければならないことを意味する。

以上、五月雨式に必要最低限な側面からいつものごとく走りながら書いてきたので、読んでいただきにくい発信だったと思いますが、読んでくださった方に感謝します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法成立

6月24日、参議院で公文書管理法が通過した。
賛成222で全会一致可決。
●23日に審議入りで、原案修正案 が一気に附帯決議および採決。
●参議院の附帯決議はここに掲載されている↓
http://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/171/f063_062301.pdf 
(参議院のウェブサイトは衆議院より総じて優れて使いやすい)

●6月23日参議院内閣委員会  質疑者
徳永久志(民主党・新緑風会・国民新・日本)    
松井孝治(民主党・新緑風会・国民新・日本)    
岩城光英(自由民主党)    
岡田広(自由民主党)    
山下栄一(公明党)    
糸数慶子(各派に属しない議員)

徳永議員、松井議員、糸数議員の質問は、興味深かった。
徳永議員の質問により、衆議院においてどのような考えのもとで(水面下で)修正協議が行われていたのが見えた(衆議院の審議においても、それは十分に見えたが)。
松井議員は元官僚で、行政文書がどのように下から上へと動いていくのか「経過」をよく知っているだけあって、微妙な側面を抱えつつ貴重な議論になったと思う。ただ、行政職員が職務時間中に業務として作る文書はメモも含めてすべて公文書だと考える私からすれば、若干、無駄のある審議に思えた。
与党川3人議員は、不勉強ではないか?と思わざるを得ない、与党にありがちな教養の披瀝と時間つぶし的な質問も多かった。

●23日当日の日経新聞「経済教室」で
廣田傳一郎・駿河台客員教授が衆議院での審議・修正を踏まえた形で
「成立待たれる公文書管理法 恣意的な隠蔽・廃棄許すな」と論考していた。
この分野をフォローしている人には一読を強くオススメします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月21日 (日)

原発ゴミ処理費情報に風穴(ベルギー/オーフス条約)

昨日、グリーンピース・ジャパンスタッフのクジラ事件が一体、日本社会にとってどのような意味を持つのか、と考えさせられるシンポジウムがありました。その後、スピーカーの一人で、ベルギーから来日したDirk Voorhoof博士と、隣り合わせで食事をしながら(博士いわく“Between soup and potato”)取材未満、雑談以上のお話をさせていただくことができました。

話は「言論の自由」から始まって、あちこちに飛び、すべての話が興味深かったのですが、「オーフス条約(★)」の話になり、「最近、とても面白いことがあり、原稿をホームページにあげたばかりだよ」という。ベルギーの緑の党「GROEN!」の政治家Tinne van der Straetenさんが「原発ゴミの処理費」情報へのアクセス権に風穴を開けたというのです。

この政治家はNIRAS(Belgian Agency for Radioactive Waste and Enriched Fissile Materials)という(日本で言えば原子力発電環境整備機構のような役割を持った組織?)機関に核廃棄物の処理にいくらかかるのかという情報を開示するように請求をした。5年に一回、定期的に発行している報告書があるのだそうです。

ところが非開示。一部黒塗りで開示すら拒否。なぜならば、この情報は国家の安全が関わっており、企業秘密も含まれているとNIRAS。一部を黒塗りにして公開すればあらぬ誤解を生みかねないと主張した。

そこに割って入ったのが、オーフス条約のもとに作られた独立委員会で、この委員会は核物質の場所や形体といった詳細を除いては、開示請求された報告書は公開しなければならないと裁定した。

ところがNIRASはその決定に従わずに保留。

これに対して今度は行政裁判所が(このケースの最高決定機関にあたるようです)、オーフス条約に基づく独立委員会の決定を是とした。手に汗握るどんでん返しにつぐどんでんがえし。「ところが面白かったのは、開示されてきた報告書を見るとね、一部黒塗りの部分は理解できるんだけど、『国家の安全』とか『企業秘密』とか一部黒塗りの公開すらダメと言っていたのは、全然そんなことなかったんだよ」「つまりウソだったんですね!」とカタルシスを感じながら叫ぶ私。「そう!ウソだったんだ!」と私の単純な英語につられてしまった博士。面白い!ということで、記事のURLを教えてもらいました。

The real price for nuclear power not secret anymore
By Brigitte Alfter and Dirk Voorhoof
http://www.wobsite.be/index.php?page=4&detail=475&PHPSESSID=5caa0cc269d5567a3909a2b048ab2510

オーフス条約のもとに作られた独立委員会の「独立性」にほれぼれ。

「ところでオーフス条約って東西欧州が統合されたときに東欧諸国の環境法制をレベルアップさせるために作られたって思っていましたけど、ベルギーでも使えるんですね!」って言ったら、ワカサギをつまみながら、エヘヘ、という顔をされていた。

「ところで、なんで、あなたはオーフス条約を知っているの?日本も加盟国?」と聞かれて、「いえいえ」から始まって、またまた話はヨソへと広がっていきました。

★念のためですが、「オーフス条約」とは、環境に関する①情報アクセス、②政策決定への参加、③司法アクセスの3つを柱に欧州諸国で結ばれている条約です。

シンポジウム本体もとても面白かったです。上記の取材未満、雑談以上の話とも重なるのですが、公益に関わること、環境、健康といった情報であれば、その所有者が公的機関であれ、民間機関であれ、個人であれ、それは公開されなければならない。そうした情報は「言論の自由」を確保するために必要である、という話でした。そのためには何をどこまでならジャーナリストやNGOはやっていいのかがシンポジウムのテーマでした。

情報を開示すべき範囲については、「公文書管理法案」の議論とも重なる話です。衆議院の修正で、「当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう」記録が残されていくことになりました(「軽微」という言葉がついているのを参議院でなんとかして欲しいですが)。また、民間企業が持っているものでも上記の定義に入ってくるものについては取得しなければならないということに同意をする形での政府答弁が確保されています。

けれども、日本は、どこまで何を公益情報と考えるのか、より深い議論が今後も必要になると思いました。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月18日 (木)

公文書管理法案と海外動向と臓器移植と

臓器移植法の4案
思わず気になって厚生労働委員の事務所に電話をかけた。
どうなるんですか?と。
過半数を超えた案が可決するというのだが、まったく分からないという。

読売新聞がこれまでそれなりに書いているかなと思うが、
「臓器移植どうなる?午後衆院で4案採決…年齢制限など焦点」
(2009年6月18日11時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090618-OYT1T00354.htm 
『国際移植学会が自国外での臓器移植自粛を求めた「イスタンブール宣言」を採択』
『世界保健機関(WHO)も臓器移植の自国内完結を促す指針』

だけど、前者で言えば、
ある意味、「移植」学会が移植について物をいうのは当然として、
小児科や各種臓器の学会が沈黙してきたのはいかがなものか、
生命倫理などの学会はどうなのか、という声も聞くし。

後者で言えば、たとえば、
調査捕鯨をやめろと何度もIWC(国際捕鯨委員会)で決議されているのに
日本は「拘束力がない」と無視したり(*)、

歴史文書は30年たったら原則公開しましょうという
国際的な動向「30年原則」を無視して、
利用制限が30年を越えてもかかる公文書管理法案が今、参議院にあがっている。
政府への取材段階では、この点については今後(国会も含めてということだろう)
の議論に委ねるということだった。
衆議院では、修正までには到らなかったが、附帯決議はついた。
参議院では、来週、審議らしい。

海外の動向、国内議論、世論、専門家・・・・
1億2千万人の国民はもちろん
約700人の国会議員がすべての法案について勉強して票を投じているわけではない
その実態を知る者として、今日の投票結果はとても気になる。

臓器移植法案の中には、
人の死を法律で定義づけることになる案までが含まれていることが
(脳死における「死」の定義づけと整合性が生まれてしまうこと)
理解された上で裁決がされるのであれば、まだしも・・・・と思う。
これだけは、不勉強なままで投票して欲しくない。
しかし、記名投票により、430票のうち、A案が263票で可決。
B,C,D案は議決を要せず終わった。

*(興味ある方は、拙稿『クジラ肉を盗んだのは誰か』
http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php
(週刊金曜日2009年6月12日/754号)をお読みください)

これにも黒塗り文書が出てくるので、公文書管理法案とも関係が深いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月14日 (日)

参議院での公文書管理法案審議

今週16日(火)に参議院内閣委員会で公文書管理法案の審議が始まる。
以下はこれまでのフォローとこれからの課題。

公文書(歴史文書)の「利用制限」
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-d2bb.html
公文書管理法修正案と附帯決議
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-13a4.html
公文書管理法 修正案、主なポイントと課題
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-187d.html
公文書管理法案審議抜粋(目次)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-b76f.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月13日 (土)

わ~い、カナダde日本語で

キャパシティが小さいのでパンクし続けていた。

6月7日、人気ブログ『カナダde日本語』の
「森田健作の辞職を求める署名に1,000名以上集まる」
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1631.html#more
というところに、4月20日に書いた
「八ツ場ダム推進の政治家の発言と「公文書管理」の関係」
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-482e.html
が全文転載された、と群馬から連絡が来ていた。
署名は、きっこのブログで紹介されるや否や、ど~んと集まったらしい
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/06/post-111e.html
凄い。
「森田知事の政治責任を追及する6.11決起集会」
というのが、初の県議会に合わせてあったらしい。いけなくてゴメン。

4月20日に書いた通り、八ツ場ダムを推進する議員の生態を見聞しておこうと
これには行ったが、次々と「有名政治家」たちの発言を聞くうちに、
なんだかこんな人たちの発言を報道することに自分の時間を使うことが
嫌になってしまった。

選挙中に八ツ場ダムについては「中立」としていたのに、当選した途端に、「治水利水の両面から考えて、やらなきゃダメですよ!皆さん!私はですね、それを基本的な姿勢として訴えてまいりました」とのたまった森田知事の汚さには反吐が出そうになったし、

最も唖然としたのは、「昭和39年の東京オリンピックの年はたいへんな水不足の年であったと記憶しております。そして2016年の東京オリンピックでは八ツ場ダムができている。それで水は大丈夫という中で東京オリンピックを迎えたいというふうに思うわけでございます」という有力県議の発言だった。この人、土建屋さんである。

1964年の東京オリンピックのために作られた八ツ場ダム計画を、時代をグルっと一回りして、冗談にも次のオリンピックをよくもまぁ引き合いに出せるものだと、そして、その発言にゲラゲラと会場から笑いが起きたことに対して、もう我慢ができなかった。

この人たちの言葉を伝えるのは嫌だ、と思った。
もう要らないよ、このダムは、とそのオリンピック発言で
我に返らない政治家は、おかしいんじゃないか?
一体、ここはどこだ(都庁なんだが)と、気が遠くなってしまった。

(テープ起こしをしてくれる協力者がいたので、
そのままを最低でもブログでアップした)
(その結果、群馬からは、いつもこんなことを聞かされている身にもなってくれ
だからドンドン伝えてくれと・・・。
だから今度から反吐を吐きながらでも頑張ってみる・・・
自信はないがイメージトレーニング)

ちなみに、その時、撮った写真は、
同業者の横田一さんがうまく週刊金曜日で活かしてくれた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書(歴史文書)の「利用制限」

公文書管理法案 残された課題・・・・

ここまで、公文書管理法案の肝と考えた「公文書」のうち、
行政文書の定義と、作成(取得)義務がかかる範囲や保存期間の問題を中心に発信してきた。(こちらで報告できているのはそのごく一部だが)

文書がきちんと作成され、行政文書であると定義され、保管されないことには残っていかない。情報公開法の基礎となる部分だからだ。

そこが衆議院である程度クリアされ、改めて全体を見ると、作成され、保管され、歴史文書となったあとの課題も小さくはないことが見えてきた。

国立公文書館に移管された歴史文書を、国民は、情報公開法の開示請求にあたる「利用請求」することができる。ただし、情報公開法に非開示事由が許されているように、公文書管理法でも「利用制限」条項がある。その「利用制限」は情報公開法の非開示事由と整合性がある。

「おそれがある」という判断する側の「恣意性」により、存在しても「非開示」「利用制限」をかけることが可能だ。今回、数えてみると23箇所にわたり「おそれ」のあるものに利用制限をかけることが可能になっている。
●外交上のおそれ
●捜査情報に関するおそれ
こうしたものが含まれていて、利用請求を行う場合の仕組みは
 第三者に対する意見書提出の機会の付与等(第十八条)
 利用の方法(第十九条)手数料(第二十条)
 異議申立て及び公文書管理委員会への諮問(第二十一条)
に書かれているが、その仕組みは国民側から見て妥当なものか、
歴史学者たちは十分に精査して、参議院内閣委員に意見を寄せて欲しいと思う。
情報公開法と車の両輪でよくも悪くも整合性があるので、
実は、この部分は歴史学者だけではなく、
リアルタイムで行政を監視する人々にも関係がある。

資料を作ったのでご活用いただければ幸い。「closed_document.doc」をダウンロード
「おそれ」に黄色でマーカーを付けておきました。

ちなみに、国際的には、「利用制限は原則として30年を越えない」とする国際公文書館会議の決議(1968年)がある。
参議院に送られた法案では、「『時の経過』『等に応じ』保存しなければならない」となっているが、衆議院では、「国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利用制限については、利用制限は原則として30年を越えないものとすべきとする。『30年原則』等の国際的動向・慣行を踏まえ、必要最小限のものとすること」と附帯決議がついた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法修正案と附帯決議

公文書管理法案の修正案が衆議院のウェブサイトに掲載された。

●「公文書等の管理に関する法律案」提出時
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17105041.htm 
●可決した修正案
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/1_50B6.htm 
●ただし、上記では分かりにくいと思うので、
入手した新旧対照表のPDFをこちらに上げておきます。
と思ったら大きすぎてこのブログでは無理なので、
瀬畑源さんが載せているのでこちらに
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/sin-kyuu.pdf
それから附帯決議はこちら。「public_record_lower_house_resolution.pdf」をダウンロード

ちなみに、
「修正案」は一般の人にはとても読みにくい。
私は政策秘書時代も今も、新旧対照表しか見ない。
ウェブサイトに掲載するなら、新旧対照表を載せた方がいい。

また、附帯決議はそれを議員が読み上げるから「議事録」には残るけど、
法案とともにウェブサイトにはそのままが掲載されない。
しかし「附帯」とはいえ「決議」だし、
修正には盛り込まれなかったが、残された課題が記録されている。
それらは本来、事後的なフォローが必要なものでもある。
多くの場合、あまり意味のない附帯決議があることも事実だが
今回の附帯決議は意味あるものがあるので、ぜひ、上記をクリックして読んで欲しい。

かつて永田町でシゴトしていたときに質問主意書の本文や答弁が、
ウェブサイトに掲載されるのが遅いと、一議員事務所として苦情をもらったことがある。
そこで、「その仕事をやっている衆議院事務局に直接伝えてもらえないか?」と
逆に頼んだ。

「そうします」と。それからしばらくしてもの凄く早くなった。
今はさらに当時から比べると速くなっている。
国会を身近なものにするか、使い勝手のいいものにするかどうかは国民次第。
仕事する側も忙しいから「ついつい」ということはある。
監視して、重大な要望はダイレクトに自力で伝えることが大切。

とはいえ、衆議院事務局さん、これ読んでいたら、以上2点の改善
どうぞよろしくお願いします。
(参議院のサイトには意見を寄せるコーナーがあるんですけど・・・)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月11日 (木)

公文書管理法 修正案、主なポイントと課題

昨年から丸1年間追ってきた公文書管理法案。学会なる場所、ジャーナリストとして、一国民として、メディアワーク(メディアへの情報提供)も含めて、やれることは皆やった。とりいそぎここでは一ブロガーとして、昨日、衆議院内閣委員会を通った与野党共同の修正案の主なポイントと残された大きな課題を整理しておく。

○目的の主語に国民が加わった。(第一条)
一方的な政府の説明責務に、国民からの利用が加わった
「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源とし
て、主権者である国民が主体的に利用し得るものであること」

まさの感想
これは大きい。行政法の目的の「主語」に初めて?
「主権者である国民が」を主語に持つ行政法が誕生したのではないか?
これはちょっと内閣法制局に取材したいなぁ。

○作成すべき文書の範囲が拡大し、例示された(第4条)
「行政機関の職員は、この法律の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならないものとすること。
1 法令の制定又は改廃及びその経緯
2 1のほか、閣議、関係行攻機関の長で構成される会議又は省議の決定又は了
解及びその経緯
3 複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対し
て示す基準の設定及びその経緯
4 個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯
5 職員の人事に関する事項

まさの感想
例示は例示として「その他」がついた上で、政府案では「意思決定」と「実績」だったのが
「意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう」と入ったのは大きい。

しかし「処理に係る事案が軽微なものである場合を除き」は余計。衆議院の審議の中でも、民主党逢坂議員、社民党重野議員、参考人福井秀夫教授から問題にされていた。

他にも運用段階で大きな意味を持つ修正が多くなされたが、一方の残された最大の課題は、

○文書廃棄の判断は依然として行政に残ってしまった。歯止めの仕組みは盛り込まれたが(第8条)

行政機関の長は、保存期間が満了した行政文書ファイル等を廃棄しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならないものとすること。この場合において、内閣総理大臣の同意が得られないときは、当該行政機関の長は、当該行政文書ファイル等について、新たに保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。/内閣総理大臣は、行政文書ブァイル等について特に保存の必要があると認める場合には、当該行政文書ファイル等を保有する行政機関の長に対し、当該行政文書ファイル等について、廃棄の措置をとらないように求めることができるものとすること。

まさの感想
政府案では「行政機関の長」が国立公文書館への移管か廃棄かを判断することになっていたのに比べると、「内閣総理大臣」の同意が必要になり、「内閣総理大臣」から廃棄しないよう求める権限も備わった。しかし所詮、行政。例えば行政から独立した国立公文書館・記録管理院の長官の承認なしには捨てられない米国と比べると劣る。審議の中、および附帯決議で、修正案提出者、また民主党の西村議員から、将来を見越した理想像は提示はされた。

上川初代大臣いわく「立法府の意思」として修正案は提出されたが、政府答弁は、あいかわらず「政令で定める」「公文書管理委員会へ諮問する」を連発。

参議院で、行政が死守したがる傾向にある行政の恣意が利く幅に縛りをかける審議が、さらにどこまで行われるかが一つの見どころです。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 7日 (日)

公文書管理法案審議抜粋(目次)

★法律案を見たくなった方はこちら↓
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2anbun.pdf (案文)
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2youkou.pdf  (要綱)
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2shinkyu.pdf (関係法の新旧対照)

★たくさん書きすぎたので、本日書いたコマの目次です

【公文書管理法案審議 抜粋の目次】

●公文書管理法 気になる修正協議の行方
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1cca.html
●修正協議が終わってまだできること、残されたことのチェック
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-d416.html
●公文書管理法案審議(その1)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0cdb.html
共有財産/知る権利/行政文書の定義/行政文書の作成、取得義務/政策形成過

●審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-86fe.html
●公文書管理法案審議(その2)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html
個人的なメモ/文書ファイル/行政文書ファイルの管理簿/移管と廃棄/利用、
30年原則/利用と恐れ
●公文書管理法案(その3)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a64d.html
政令、文書管理規則/司法府、立法府/大量破棄/制定プロセスの管理
●個人メモについて
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a20a.html
●公文書管理法審議(その4)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html
公文書管理担当機関/知る権利、最高裁判例、利活用/行政文書の定義/
作成義務/公文書管理担当機関の独立性/統一的なルール(政令)と省ごとの規定(文書管理規則)
●知る権利について
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-8942.html
●公文書管理法案審議(その5)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-fd92.html
総務省の文書管理業務の業務・システム最適化計画/紙媒体、電子媒体/総務省と内閣官房公文書管理検討室
/システムの維持管理費/行政文書ファイル管理簿の検索
●公文書管理法案審議(その6)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-24bf.html
保存期間問題
●公文書管理法案審議(その7)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-9ff4.html
委託先のバックデータの取得/行政改革
●公文書管理法案審議(その8)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1b9a.html
いつの時代から/歴史文書かどうかの判断基準/中間書庫
●中間書庫について
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-c85a.html
●公文書管理法案審議(その9)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-42fe.html
政策形成過程としての「審議会」の議事録/法務省から国会図書館への閲覧禁止要請
●議事録の作成について
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ca1a.html
●公文書管理法案審議(その10)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ea93.html
アメリカの公文書館と日本での不存在/
●公文書管理法案審議(その11)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-05e2.html
国民が主体的にかかわる権利/内閣法制局と議員立法/文書管理の司令塔/罰則
/販売目的で発行されるものは除く?/民営化企業/ 補助金など公金で作成する文書/軽微なもの
●公文書管理法案審議(その12)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-8ca9.html
公文書の意義/最近の取り組み/移管率の現状/レコードスケジュール/意思決定過程/集中管理/利用
●公文書管理法案審議(その13)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0061.html
衆議院内閣委員会 参考人質疑 

次の審議は6月10日(水)だと聞いています。衆議院内閣委員会です。
まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その13)

エネルギー切れしました。あとはURLを↓
衆議院内閣委員会 参考人質疑 平成21年5月29日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090529013.htm  
ビデオライブラリはこちら↓
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php 
→右側のカレンダーから2009年5月29日(金)をクリック
→2009年5月29日(金)内閣委員会をクリック

参考人
・尾崎護(公文書管理の在り方等に関する有識者会議座長)
・三宅弘(弁護士・獨協大学法科大学院特任教授)
・福井秀夫(政策研究大学院大学教授 日本計画行政学会常務理事兼行政手続研究専門部会長)
・菊池光興(独立行政法人国立公文書館長)

★この中で注目したい語録は、
建設省に約十五年間勤務した経験を持つ福井秀夫氏によるもの
「証拠等の提出を当事者の判断にゆだねるという当事者主義の行政訴訟制度のもとでは、みずからに不利となる資料やデータは、仮にそれらが存在していたとしても、行政側から積極的に法廷に提出するということは一般的に行われていないのが実態であります。(興味深い発言続く・・・)」

「国会や一般国民からデータや資料を要求した場合には、論点が顕在化しにくく、請求者の目的や意図にもよりますけれども、基本的にはできるだけ不親切にする、提出を実質的に拒むか、そうでなくても、何らかの批判を浴びる可能性がある論点についてはあいまいな形で提出するという傾向があります。(興味深い発言続く・・・)」

「行政の意思決定は、その結果以前に、それに至るプロセスに非常に意味がある、特筆すべき場合が多くあります。しかし、そのようなプロセスが行政文書として保存されることはほとんど望めないのが実情です。本来は、行政の透明性、公正性を確保する観点からは、明確な基準を設けて、プロセスについてもガラス張りに匹敵する透明度の高いものとし、後世の人々だけでなく、現在を生きる国民に情報が同時に共有できるようにすることが望ましいと考えます(興味深い発言続く・・・)」

「私的文書あるいは公的文書の境目は何かということでございますけれども、私的か公的かというのは、公務員が、いや、これが私的だと自分で言い張るものが私的であってはならないということでございます。すなわち、給与の対価として作成されたもの、執務時間中に作成されたものは、幾ら本人が私的だと言い張っても公的文書だということは当然でございまして、その観点から、情報公開法と公文書管理法ではそういった基準を明確にするということが将来の課題だと考えます」

原文はこちらへGO!
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090529013.htm  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その12)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-05e2.html 
一気書きの限界が来て、休日も終わってしまったが、やっと、この日最後の質問者。
初代・公文書管理担当大臣です。(政変によりたった1年間でコロコロ3人が交代した中で、最も精力的に動き、評価された大臣)

【抜粋】です。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

●公文書の意義
上川陽子議員(以下、敬称略):(略)基本的な考え方ということで三点ほどお伺いをしたいというふうに思います。第一の項目につきましては、公文書の意義についてでございます。(略)

小渕国務大臣:(繰り返しなので略)

上川:公文書の意義につきましては、大変大事な国民の共有財産であるという認識については、今小渕大臣からのお話のとおりでございます。そのことも含めて、本法案におきましての目的の規定の中にもしっかりと書き込むべきではないかというような声も実はいただいておるんですけれども、このことにつきましては、私は、法律の持っている趣旨に照らして考えれば、でき得る限り、最終報告の趣旨も生かしつつ、また今大臣が御指摘いただいたことの大変大事な心髄のところを目的の中にしっかりと書き込んでいくということは大変大事なことではないか。

●最近の取り組み
第二点でございますが、(略)私は、昨年、大臣就任早々に、十九の省庁を視察いたしました。一時間の予定というところを大幅に上回って、かなり細かく現場の中を拝見させていただきまして、省庁によっては、ああ、しっかりやっているなというふうに思うところもあれば、ずさんな管理で、これで仕事がやっていけるのかというような気持ちになるところもございまして、(略)そこで、文書管理の改善努力、公文書管理担当という形で任命をされてから、全体的に見ると一年と数カ月たっているところでありますが、この間の改善努力は大変私も気になるところでありまして、このことについての取り組みの最近の状況についてお伺いしたいというふうに思います。

山崎政府参考人:(繰り返しなので略)また、工夫した取り組みを行っております省庁の事例を参考として対応するため、文書管理に関する優良事例集といったようなものを配付いたしますとともに、情報共有のための連絡会議の開催、各府省への研修といった取り組みを実施しているところでございます。

上川:第三点目でありますが、私は、公文書管理の改革というのに当たりましては、やはり職員の皆さんの徹底した意識改革が大前提ではないか(略)。

増原副大臣:今の財務省、前の大蔵省なんかは文書課というのがあるんですね。省内の分については大体そこが全部やるんですが、やはり日が当たるポストとはとても言えないというところがありました。一方において、私も主計局で勤務いたしましたが、そこに法規課というのがあるんですが、そこでは、財政法とか会計法、これに照らして当該支出が適正かどうか、違法性はないか含めまして、過去の事例も含めて、全部各予算係から上がってくる相談事をきちっと起承転結調べて、そして結論を出してやるんですね。各省庁から来る場合もあります。これは毎年毎年きちんとしたファイルになっていまして、別冊にしてつくってある。目次集は事項ごとにずっと毎年毎年できていくという感じなんですね。(略)一つは、人事考査の面で、今上川委員言われたように、もう少し日の当たるようなものにしていく、これも大事なことだと思います。(略)おろそかになっている研修などにつきましても、どういうふうにやればその充実が図られるかについてまた検討を重ねてまいりたいと思います。

● 移管率の現状
上川:移管率の現状につきまして、これは省庁別にかなり違いがあるということでありますので、そのことも踏まえて、移管率の現状についてまずお伺いしたいと思います。

山崎政府参考人:各府省から国立公文書館に移管される公文書等の移管率でございますけれども、年度によって若干のばらつきがございますけれども、府省全体といたしましてはおおむね〇・七%程度であったところ、平成二十年度には一%程度になったというふうに承知しております。省庁別の状況につきましては、省庁それぞれに事情が異なるところでございますけれども、例えば農林水産省からの移管数は、平成十九年度に約千二百冊であったところ、平成二十年度は約四千冊が移管されるなど、移管促進に熱心に取り組んでいただく事例も出てきているところでございます。

上川:〇・七から平成二十年は一%という御指摘でございまして、その中でも農林水産省の移管率が、例示的ではありましたけれども、アップしたということであります。このアップした理由でございますが、私も大臣就任中に、若林大臣が、農林水産関係の、特に戦後の農地改革の広報資料というものが大変各地域に、地方に残されていた、これを移管したいと決断をなさったということで、これを受けてもしかしたら移管率が高くなったのかなというふうに推察するわけでありますが、この点はいかがでございましょうか。

山崎政府参考人 確かに、上川先生が大臣のときに、若林農水大臣といろいろと調整をしていただきまして、それが移管率向上の大きなきっかけになっているのではないかと思っております。

上川:トップの決断というのが大変大事だなということを改めて痛切に感ずるわけであります。(略)そうはいっても、平成二十年の一%というこの状況は、私は、他の国々の公文書の移管状況あるいは公文書の管理の実態から照らしてみても、必ずしもレベルの高いものではないというふうに思うわけでありますが、他の国々の公文書の移管状況につきましても、比較の中でどう考えているのか。またさらに、この法律が制定されて、できるだけ高い比率で移管していただきたいというふうに思うわけでありますが、大体どのくらいのパーセンテージで現用文書から歴史公文書としての移管をすべきと考えるのか、この辺の見通しにつきまして、今の段階の御見解をお願いしたいというふうに思います。

山崎政府参考人:厳密な統計数字ではございませんけれども、例えば米国におきましては二、三%、カナダも同様でございます。なお、米国につきましては、昨年秋に中山恭子大臣がアメリカのNARAに行かれたときに、ワインシュタイン長官から、はっきり二、三%だという数字を得られております。そのほか、イギリスが五%、ドイツが五から一〇%。それに比べまして、我が国におきましては〇・七あるいは〇・八というのは極めて低い、今は極めて低いというのが現状でございます。そういうことで、本法案が仮に通って、適正な文書管理が行われ、適正な移管が行われた場合について、推測することはなかなか難しいわけでございますけれども、アメリカが二、三%ということでございますので、最終的にはそういう方向になるのではないかなというふうに推測をしているところでございます

●レコードスケジュール
上川:今回の仕組みの中で特に注目している取り組みとして、レコードスケジュールを導入したという点に注目をいたしておりますし、これは大変画期的なものではないか。(略)立法府、司法府の文書の移管についてはどのように検討をしていくつもりなのか、この点につきましてもあわせて御答弁をお願いしたいと存じます。

並木大臣政務官:レコードスケジュールというのは、個々の文書ごとにライフサイクルをあらかじめ定めるというものであります。これまでは、移管、廃棄の判断というのが、保存期間を満了するときに、短期間に慌ただしく行われてきたという実態があります。そういう意味で、今回この法案でこのレコードスケジュールを導入したことによりまして、行政文書の保存期間満了前に、必要に応じて国立公文書館の専門家のサポートを受けつつ、各省庁において移管または廃棄の判断を行っていく。そして、その上で、歴史公文書等に該当するものはすべて国立公文書館へ移管されるということになっておりますので、歴史的に重要な文書がこのレコードスケジュールによって国立公文書館等へ確実に移管されるということになると考えております。

立法府と司法府の文書の移管についてでございますけれども、これは、それぞれの府に事情とか判断もあります。三権分立というところから、義務的にこの協議機関を設けるということは、今回、ちょっと現時点ではできなかったわけですけれども、合意を得ながらお互い協議して定めをつくり、そしてその定めに基づいて、国立公文書館において保存する必要があると認める場合には内閣総理大臣が移管を受けることができるという旨も規定しているところで、これは十四条でございますけれども、そういう規定がございます。

上川:文書が作成された後のどのような段階でこのレコードスケジュールが決められるのか、このことについて政府の方からよろしくお願いしたいと思います。
山崎政府参考人:できるだけ早く設定したいと考えております。また、設定された後は、行政文書ファイル管理簿に記載されますし、また定期的に内閣総理大臣への報告が行われますとともに、公表も行います。そこで明らかになるわけでございます。そして、この報告を受け、移管、廃棄の設定に仮に問題があると考えられる場合には、内閣総理大臣が実地調査あるいは勧告を行いまして改善を図る仕組みとなっておりますので、これらの手段を総動員することによりましてかなりの改善が図られるのではないかと考えております。

上川:このレコードスケジュールのところにおいては、法文上はどのような記述がなされているのかということについて回答をお願いします。(略)立法の趣旨としては、作成された時期にできるだけ近いところでレコードスケジュールが付与されるという趣旨であって、満了前にあらかじめという、こちらの、移管、廃棄のところに近い時期に決定をされるという趣旨ではない、こういう理解でよろしゅうございますか。

山崎政府参考人 上川先生御指摘のとおりでございます。

上川:そうしますと、作成の早い時期にレコードスケジュールが決められるということでありまして、そういう意味では大変安心して、つくってそして保管していくというプロセスが流れに乗る、こういう仕組みになろうかと思います。ただ、その満了した後に廃棄するのか、あるいは歴史公文書であるのかどうか、この判断を、できるだけマニュアルにのっとって、一律に、統一的なルールで決めていくべきと私は思いますけれども、仮にこれがなかなか難しい判断だという場合の対応につきましては、ここは専門的な知見が大変大事ではないかというふうに思うわけであります。この点については新しい法制度の中ではどのような工夫がなされているのか、よろしくお願いします。

山崎政府参考人(繰り返しなので略)

● 意思決定過程
上川:(略)作成すべき文書に関しては、意思決定の結果だけではなく、その意思形成過程についてもきちんと文書が作成されるべきと考えているわけでありますが、この法案の中ではこの点に関してどのように確保されているのか。御答弁をいただきます。

山崎政府参考人:(略)文書の作成、これは第四条でございますけれども、事務事業の実績あるいは意思決定過程をわかるように書くということで、これは有識者会議の提言を踏まえて、ただ、法案作成の過程で、法律の条文としては有識者会議そのままの言葉とはなっておりません。しかしながら、有識者会議の報告書をもとにこの法案をつくったわけでございまして、当然、有識者会議の御提言を反映して法体系を築き上げるというのはもちろんでございますので、今後、政令で定める詳細な基準につきましては、公文書管理委員会で御議論いただいた上で決定されるわけでございますけれども、この有識者会議の趣旨が最大限生かされるようにしていきたいと考えている次第でございます。

上川:文書作成については、意思形成過程も含めて作成義務があるというふうに理解しておりますけれども、この点も確認をさせていただきたいというふうに思います。再度、答弁をお願いします。

山崎政府参考人:昨年十一月にいただきました有識者会議の最終報告では、意思決定過程や事務事業が合理的に跡づけられるように文書を作成すべきといったような御提言をいただいております。それにのっとりまして、この法案、そしてそれに基づく政令で、最大限それを尊重して規定するということを考えております。

● 集中管理
上川:集中管理ということについて、実は現場の視察の中で大変印象深かった事例がございました。これは人事院の視察の場でありましたけれども、保存期間三年以上の文書につきましては、原則、主管課において一年間保存した後に文書管理担当課に引き継いで、文書管理担当課において集中管理をしている、こういう事例でございます。先ほど増原副大臣の話に主計局という話もありましたし、各業務によっても違いがあろうかと思いますけれども、一定の年限が来たら原則すべて集中管理にしていくという形で原課を離れるということ、このことは、文書の自立というか、そういう意味でも大変大きな制度になり得るのではないかというふうに思ったところであります。
 最終報告におきましても、「長期保存される文書を中心に、統一的な管理を推進することにより、組織の改編・廃止があった場合も含めて、ファイルが、劣化・散逸等しないようにする。」ことが提言されているところであります。同じ省の中でもさまざまな形で局や課が統廃合されたりということが起きるわけでありますので、その際の措置としても、一定の年限が来たところで集中管理の方向にでき得る限り持っていく、そういう意味での集中管理のシステムというのは大変重要というふうに考えておりますが、この点につきまして、本法案でどのように確保されているのか、お伺いをいたします。

山崎政府参考人:有識者会議の最終報告におきまして、集中管理の推進につきまして御提言をいただいたところでございます。これを受けまして、この法案の第六条におきまして、「時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所」における保存義務を定めております。若干持って回った言い方というような判断もあるかもしれませんけれども、この時の経過というのが、大体、文書というのは各府省の原課、要は何々局何々課というところで保存されるわけでございますけれども、そこは、一定期間終了後、文書管理の統括課に移すというようなやり方もあるでしょうし、また、同じ法案の国立公文書館法第十一条第一項第二号等におきまして、国立公文書館において中間書庫業務を行うことができる規定を設けているところでございます。
 ただ、こういう、ややちょっとおっかなびっくりのような、義務づけまでは至っていない規定を置いておりますのは、この中間書庫を仮に設けるとなりますとかなり経費がかかる話でございまして、内閣府といたしまして、おととしぐらいからこのパイロット事業を始めたところでございますので、そこは引き続き検討すべき点もあるということを踏まえまして、こういう条文になっている次第でございます。 さらに、昨年十一月の関係府省連絡会議におきまして、「作成又は取得から一定期間が経過した行政文書ファイルについて、文書管理担当課による集中管理の実施について検討する。」ということを申し合わせておりまして、引き続き研究あるいは推進を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。

上川:今、持って回ったような文言になっているということでありまして、まさに持って回ったような文言になっているということであります。(略)それでは、有識者、専門家の活用というところでございます。(略)現用段階から、文書管理のライフサイクルの全般を通じて、いろいろな形の専門的知見を生かすことができるような仕組みを入れているということでありますが、もう一度この点に関して、どのような改善を図っているのか、この点について御答弁をお願いいたします。

山崎政府参考人(略)

上川:ここは大変重要な点であるということで、再度御質問をさせていただいたわけでありますが、現場の判断に任せないということ、そして、専門的な立場での知見を最大限活用し、適切に文書が移管されるということ、この仕組みを、先ほどのお話でもありましたとおり、作成のなるべく早い段階からしっかりとした道筋をつけていくということだというふうに思っております。ぜひここの点については、制度の実際の運用というところに至るすべての過程の中で透明性の高い形になるように、このフォローにつきましてもよろしくお願いしたいというふうに思っておるところであります。次に、利用の促進ということでの質問をさせていただきたいというふうに思います。

●利用
上川:(略)この公文書の利用促進に関しての方策につきまして、御答弁をお願いいたします。

山崎政府参考人:現用文書の利用につきましては、本法案におきまして、本法に基づく文書管理の徹底が図られることによりまして、文書の不存在といったような件数が減少し、現用文書の情報公開制度の的確な運用を通じて、その一層の利用に資するものと考えております。また、非現用、いわゆる国立公文書館に移管された歴史公文書の利用につきましては、本法案におきまして、移管された文書につきまして、国民からの利用請求を請求権というふうに法的に位置づけました。この法的に位置づけるということは、もし不開示に不服がある場合には不服申し立てができるということでございます。これによりまして、標準処理期間の設定等の行政手続法の関係規定が適用されますとともに、特定歴史公文書等の利用制限に対しまして、利用者が行政不服審査法に基づく不服申し立て、あるいは行政事件訴訟法に基づく取り消し訴訟を行うことができるようになることが明確になりまして、利用に関する手続的保障が格段に整備されるということになります。あわせまして、国立公文書館所蔵の文書のインターネット利用を可能といたしますデジタルアーカイブ化など、特定歴史公文書等のさらなる利用の促進、これは第二十三条でございますけれども、規定もございますので、このデジタルアーカイブ化の促進につきましても一層努めてまいりたいと考えております。

上川:文書のライフサイクルを通じた利用の促進ということについては、シームレスに利用ができるようにということでありますので、情報公開法との絡みも含めて、でき得る限り、この公文書管理法の中に、公開という形の中の規定も明示的に入れ込むべきではないかな。情報公開法の絡みの中で推測するということではなくて、情報公開法との関連の中で利用ということではありますけれども、この公文書管理法の中にも、この利用ということについて、しっかりと公開のルールを入れ込むべきではないかというふうに私自身思っているところであります。(略)今後の取り組みの基本的な考え方につきまして、副大臣から答弁をお願いいたします。

○増原副大臣:行政改革というので、毎年毎年定員削減をしていく、要るところにつけていくというのをやってきておりますね、小さな政府を目指してというのでありますが。今のような状況だと、極めて難しいことだと思います。(略)午前中、本当に司令塔として大丈夫か、こういうふうなお話が出ました。まことに私はお寒い限りであるというふうに思っております。定員あるいは予算の面においてもっとしっかりしたものをつくっていかないと、この法律で目的に書かれてあることが達成できないと思います。そういう意味で、しっかり頑張ってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから施設面でありますが、二十一年度の当初予算におきまして調査検討費をつけていただいております。これでもってやっていくのでありますが、いずれこれも、施設、これでいいのかという議論は当然出てまいります。そのときに、将来を見据えた形のことをしっかり頭に据えて、この調査検討費の中では、将来設計を施設についてもやはりきちんとしていかないと、今のシャビーなままの部分を前提にした部分はよろしくないと思っておりますので、頑張ってまいりますので、ぜひ先生方の御支援もよろしくお願いいたします。

上川:(略)これから国家事業として取り組むというスタートをこの法案は切るわけでありますが、そのことの実現に向けての取り組みには、段階を経ながら、十全にその整備がなされるように努力をしていかなければいけないということでございます。(略)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その11)

そろそろ限界が近づいてきましたが、ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-ea93.html

新しく出てきた論点のみ抜粋させていただいてます。【随分はしょった抜粋】です。
議事丸ごとは、こちら↓衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

国民が主体的にかかわる権利
重野安正議員(以下、敬称略):今の大臣の答弁でも、国民というのはこの中ではあくまでも受け身なんですね、受け身。この法律は、まさしく公文書、公の文書でありますが、そういう与えられるものではなくて、それらについて国民は主体的にかかわる権利を持っている、その趣旨がこの法案の目的のところに出ていないという認識を私は持つわけです。そこのところは、やはりこの法律そのものを規定づける極めて重要な要素をはらんでいると思うんです。この法律の主体が国民にあるんだというところがなぜもっと具体的に表現されないのか、改めて聞きます。

山崎政府参考人:国民の共有財産という御指摘でございます。確かに、有識者会議で国民の共有財産という提言をいただいたわけでございますけれども、財産という用語は、通常、金銭的価値のある権利と解されておりまして、こういう用語を本法案で規定するのは適当ではないのではないか、そういうふうに考えたことによりまして、目的規定には含めておりません。(略)最終報告書で国民共有の財産と記述された趣旨は本法案において反映されたのではないかというふうに考えております。

重野:趣旨において国民共有の財産という認識を持つのであれば、今一々説明をしなくてもいいように、国民共有の財産という文言をすたっと入れれば済むことなんですね。なぜこんな回りくどい説明をするようなことになるんですか。

山崎政府参考人 :国民共有の財産というのは、普通は金銭的価値を持つものに対して使う言葉で、それに伴いまして分割請求権という問題が生じまして、共有財産というふうに規定しますと、国民が、では、うちの持ち分をよこせというようなことにもなるのではないかという関係方面の御指摘も踏まえて、このような文言にした次第でございます。

内閣法制局と議員立法
重野:知らしむべからず、よらしむべしという言葉がありますが、あなたはまだそんな発想を持っているんじゃないですか。何で共有の財産といえば金銭的なんという狭い解釈をしなければならないんですか。共有の財産というのはまさしく共有の財産であって、そういう金銭的な云々というふうな説明をあえてするというのは、僕はこれはおかしいと思う。そんな説明で、そんなスタンスでこの法律をつくっているんですか。これは法律の趣旨を規定づける極めて重要な要素ですよ、この問題は。(略)例えば大阪市の条例では、第一条の目的に「市政運営に関する情報は市民の財産である」、このように書いているんですね。これに比較しますと、今の説明を聞けば聞くほど、もうわけがわからぬ。何でそんな回りくどいことを言わなきゃならぬのですか。大臣、この「貴重な共有財産」という文言、この意味をどうとらえておりますか、お聞かせください。

増原副大臣:委員御指摘の点、私どもお聞きしていまして、非常によくわかります。とかく内閣法制局というところは、これまでの事例をずっと調べまして、それで、その用語の使用が適切であるかどうかとか言ったりいたしますが、一方で、議員立法などにおきましては、どんどんと従来の慣例を破った形でもって、新しい感覚でそれを取り入れております。御趣旨は十分私も御指摘の点についてはわかりましたので、いろいろまた、この御審議を踏まえながら考えてまいりたいと思っております。

重野:我々の側も、この法案については、修正協議が進められつつありますが、そういう中でしっかり生かしていくように、そしてそれを正確に受けとめていただきたい。次に、法案を見ますと、目的としまして、公文書の管理と適正な保存は、行政の適正かつ効率的運営のためや、国などの国民への説明責任のためとなっております。いずれも主語は行政であり国なんですね。しかし、公文書は決して国や政府、時の為政者のためにあるものではない。中国の春秋時代の崔杼の例を引くまでもなく、記録は時の為政者のものではないんだ。はっきりしているんですね。日本はその点で余りにも立ちおくれているんだと言わざるを得ない。これは重要な点ですので、大臣の見解を聞いておきたい。

増原副大臣:私も二十六年間国家公務員をやっておりましたけれども、やはりこれまでの我が国の流れを見てみますと、知らしむべからず、よらしむべし、先生が先ほど言われましたけれども、かなり、まだまだ残っているなというふうに思っております。そういう意味で、先ほど西村委員の方から御質問がございましたが、十年おくれてのこの法律案という形になっておるわけでございまして、もっとこういうものは加速していく必要がある、それがやはり民主主義の原点ということであろうというふうに思っておりますので、我々もよくそれを拳々服膺しまして頑張ってまいりたいと思っております。

文書管理の司令塔
重野:公文書管理委員会というのは、まさしく文書管理の司令塔です。(略)法案では、内閣府に置く、こういうふうになっていますが、私は、その重要性にかんがみ、国家行政組織法第三条に基づく組織にするべきだというふうに思いますし、そうすることによってこの公文書管理委員会の機能がより発揮できるのではないか、このように考えるんですが、その点についてはいかがでしょうか。

増原副大臣:三条委員会は、公正取引委員会等のように、強力な権限を持って、法律で授権されてそれを執行していく、そういう委員会でございます。そういう意味では、私どもが考えております公文書委員会というのは、強力に何かを執行していくというようなものではございません。

罰則
重野:今回のこの法整備で意図的な怠業だとか廃棄を防ぐことができるんでしょうか。

山崎政府参考人:法案では、再発防止に資する措置を盛り込んでおります。(略)

重野委員 違反した場合の罰則はどうなっているんですか。

山崎政府参考人 不適切な公文書管理を行った職員につきましては、国家公務員法第八十二条に基づきまして、その事案によっては免職も含めた懲戒処分が可能となっております。この懲戒処分は、刑罰と異なりまして時効がないということでございますから、職員の身分を有する間は相当過去の事案でも処分することが可能となります。なお、公文書管理にかかわる刑罰といたしましては、刑法におきまして、公務所で用いる文書を毀棄した者を三カ月以上七年以下の懲役に処する公文書毀棄罪、刑法第二百五十八条が規定されております。そういうことを踏まえまして、本法案では、直接、改めて罰則を規定しなかったところでございます。

重野:アメリカの連邦記録法での罰則規定はどうなっているんですか。

山崎政府参考人:米国におきましては、合衆国法典第十八編、刑事及び刑事訴訟という節の中に規定がございまして、合衆国裁判所の書記官あるいは公務員に対しまして、または合衆国の公的機関、司法官、公務員に対して提出もしくは寄託された記録等を消滅、破壊、毀損等、そういう意図を持って持ち去る者は、罰金または三年以下の懲役あるいはその両方を科せられる、こういう規定になっております。

販売目的で発行されるものは除く?
重野:前後して恐縮ですが、公文書の定義について尋ねますけれども、第二条に、「不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの」「を除く。」となっておりますが、除かれた理由は一体何なんでしょうか。これらも公文書の一つだというふうに私は認識するのでありますが、いかがですか。

山崎政府参考人:行政機関あるいは独立行政法人等が発行いたします出版物を含めまして、不特定多数の者に販売する目的で発行された図書等につきましては、一般に、容易に入手、利用が可能であるところでございます。一方、こうした文書につきましては、随時、定期的に新たな版が出版されることが多く、一般の行政文書、法人文書と同様の管理を義務づけることは、新たな取得のために分類、保存期間等の設定を行う必要が生じるなど、行政機関や独立行政法人等の事務負担の面から問題があると考えまして、またその実益も乏しいことから、本法の目的の一つであります行政運営の効率化にも反するではないかというふうに考えた次第でございます。
なお、行政機関でありますとかあるいは独立行政法人におきまして、業務上の必要性から保有されております文書、雑誌等につきましては、主として特定部分、その組織の業務に関係する記事でありますとかそういう部分を抜粋して用いられることが多くなっておりますけれども、そうした文書につきましては、当然、行政文書として管理されることになる次第でございます。

民営化企業
重野:同じように、今度は、今まではいわゆる国あるいは地方がやっていた、それが、今この民営化の流れの中で民営化された企業というのもたくさんあるわけですが、その民営化される以前の文書、これについてもしっかり管理すべきだと思います。まず、その点についてどうなっていますかということが一つ。また、公益法人や民間企業であっても、国の補助金など公金による業務でつくられた文書、たくさんあると思うんですね。それも含むべきだと考えますが、その点についてはいかがですか。

山崎政府参考人:民営化以前に公社やあるいは特殊法人等であった企業が有する文書については、かつて公的な性格を有していたといたしましても現在は民間企業であることから、民間企業になってしまったものにつきましては、行政機関が有する文書同様の公文書等とすることは適当ではないと考えております。ただ、今回、法案におきまして、民間におきます歴史的に重要な文書を国立公文書館に寄贈できる、そういう規定は設けておりますので、その規定に沿って、重要な文書が適切に入るように要請あるいは努力することは可能であると考えております。

補助金など公金で作成する文書
山崎政府参考人:お尋ねの二点目でございますけれども、補助金など公金で行う文書でございますけれども、これにつきましては、当該支出を行いました行政機関におきまして、事業終了後に必要な文書を取得することが通例でございまして、それを取得した時点で当該行政機関の行政文書になると考えております。これは、独法につきましても基本的に同様でございます。 その一方で、公金を支出して行われる事業はさまざまでございまして、例えば研究者への補助金でありますとか、さまざまでございますので、当該事業に関して支出先において作成された文書をすべて行政文書と取り扱うことは必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えている次第でございます。

軽微なもの
重野:関連して、法案の第四条には、「軽微なものである場合を除き、」という文言があります。この「軽微」を理由に文書が破棄されることが起こるんじゃないか。とりわけ、先ほどの意思形成にかかわる資料が「軽微」として廃棄されることを私は危惧いたします。その点についての見解を。

山崎政府参考人:法案第四条におきまして「処理に係る事案が軽微なもの」というふうにされておりますのは、行政機関内部におきます日常的な業務連絡でありますとか、あるいは所管事項に関します簡単な照会等、作成しなくても国民への説明責任あるいは業務遂行の観点から支障が生じないものを想定しております。これらにつきましても文書の作成を義務づけることは、行政機関の事務負担の面から考えて、あるいは実益的にも乏しいのではないかというふうに考えている次第でございます。なお、政令等におきまして、作成、保存すべき文書の範囲について規定することとしておりまして、その中で、「処理に係る事案が軽微」という判断基準を具体的に盛り込むことを予定しております。

重野:今の答弁を聞いていると、公文書を国民に広く開示するという精神が乏しいと私は思うんですね。まだまだ、抱え込んで、知らしむべからず、よらしむべし、やはりそれがあるんだと実感しますよ(略)私の質問を終わります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その10)

そろそろくたびれてきましたが(ヘロヘロ)ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-42fe.html 

アメリカの公文書館と日本での不存在
吉井:外務文書の方を見ておきたいんですけれども、砂川事件をめぐって東京地裁が五九年三月に米軍基地の存在を違憲として被告を無罪とした、有名な伊達判決というのがあります。これに関して事件の元被告が、最高裁、内閣府、外務省に、日本側の公文書を二〇〇九年三月に開示請求したんですね。これに対して三機関とも、そういう文書は存在しませんと不開示を決定しました。ところが、二〇〇八年四月、昨年四月ですが、新原昭治氏の砂川事件をめぐる公文書開示請求で、実はアメリカの公文書館では外交文書が見つかっているんですよ。それが出てきているんです。その中では、伊達判決をめぐる当時の、ダグラス・マッカーサー二世アメリカ駐日大使が、藤山愛一郎外相に高裁への控訴を飛ばす最高裁への跳躍上告を提案してみたり、田中耕太郎最高裁長官が大使と極秘会談を持って、短期間で判決を出す言質を得ていることなどが明らかになっております。つまり、アメリカの公文書館では全部明らかになっているんですよ。アメリカ公文書館には公文書が残されているのに、なぜ日本政府は存在しないと言うのか。(略)これは本当に恥ずかしい話だと思うんですね。

それで、特に法務省の文書についてはアメリカ兵犯罪の第一次裁判権放棄に関する通達や非公表の日米合意などが記されているんですが、日本政府の裁判権放棄の密約は、日本でのアメリカ兵を特別扱いにして、アメリカ兵の犯罪を助長させるということにもなっているんです。実は、これについては、日本図書館協会は、全国のすべての図書館が加盟しているんですよ、国会図書館に対して閲覧禁止措置を見直すよう要請しているんですね。国民が情報を受け取る自由を妨げる行為は、私は戦前の検閲と同じことになると思うんですよ。社会的、政治的圧力による自己規制は図書館の運営原則に反しているというふうに図書館協会は言っているんです。もともと図書館法では、真理が我々を自由にすると前文でうたっているんですよ。だから、法務省のやっていることは図書館法にも反するし、今回の公文書管理やあるいは情報公開にも反するし、アメリカの公文書館と比べてみても、法務省や外務省のやっていることは余りにも恥ずかし過ぎる。私は、こういうことについては、やはり大臣として、法務省や外務省、あるいは防衛省とか関係するところに対して、内閣を挙げて、この法律を出しているのは、公文書の管理はきちんとやりましょうと。外交関係がありますから、私も直ちに全部出せと言っているんじゃないんですよ。アメリカだって三十年たったら公開するわけでしょう。三十年たったものがアメリカでは公開されて、わかったんですよ。しかし、日本は、その文書は存在しないんだといううそまでついて公開しようとしない。こういうことでは公文書管理のこの法律が生かされないと私は思うんですよ。やはり提案するからにはこれはきちっとする、それも内閣を挙げてやるんだという姿勢を内閣として徹底していただきたいと思うんですが、これは小渕大臣に伺っておきます。

小渕国務大臣:御指摘の点に関しましては、まさにごもっともなことであるかと思います。ただ、他国が公開をしているから日本も全部公開しますという、一律に公開する仕組みということはなかなか難しいかと思いますけれども、やはり他国の公開事情のこともしっかり勘案しまして、可能な限り積極的な公開を進めていきたいと考えております。

吉井:そこで、私、最初に伺った基準の問題に戻るんです。日本が第三者機関を中心にして基準をきちんとつくって、今直ちに出すことが外交上問題あったとしても、例えばアメリカの場合、大体おおむね三十年たったら全部公開するわけですね。たとえそのときに恥ずかしい思いをするにしても、自由に物を言いたいという点は、恥ずかしいことを言ったために三十年先に恥をかくという人はかなわぬかもしれぬけれども、やはり公開しなきゃだめなんですよ。私は、やはりそういう姿勢を貫くことが必要だというふうに思うわけです。それで、不存在ということがありますから、あわせてこの機会に伺っておきますが、法律案が施行すれば不存在により開示できないという事案はなくなると理解していいのかどうか、これを伺っておきたいと思うんです。

実は私、あらかじめ国会図書館に調べてもらったんですが、二〇〇一年は三千百五十一件が不存在になっているんですね。不開示の部分は、一部開示合わせて、全体の開示したものの中の一六・一%だったんです。二〇〇二年は九・六%、二〇〇三年は一〇・三%、二〇〇四年は一一・〇%、二〇〇五年は一六・六%、二〇〇六年が一九・七%、そして二〇〇七年度は八・七%。大体一〇%から二〇%は、情報公開を求められたら存在しませんというんですね。でも、本当に廃棄しておったらそれ自体問題なんですけれども、存在しないということを口実にして公開しないというのは、これはまた私は、公文書管理のあり方として大きな問題だと思うんです。
 そういう点では、まず今回の法律に基づいて、不存在ということを理由にして公開しないようなことはしない、させないということを最後に小渕大臣に決意を伺っておいて、質問を終わるようにしたいと思います。

小渕国務大臣:もともと、文書が存在しない限り文書管理のしようがないということでありますので、やはり何よりも文書が存在しているということが大事でありますので、不存在という事態が起こらないようにしっかり努めてまいりたいと考えております。

吉井:時間が参りましたので、終わります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

議事録の作成について

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:43加筆しますが、
このコマは私の感想です)

防衛省は、ここで
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-42fe.html
宇宙開発利用推進委員会について「率直な意見交換を行うため非公開といたしまして、委員会における個々の発言者の氏名あるいは発言内容のすべてを公開することは差し控えさせていただいております。そのかわり、議論の透明性を確保する観点から、主要な発言内容等を記録した議事要旨を作成し、これを公開してきている」と言う。

ここでは詳しく書かないけれど、たとえばアメリカの州では「サンシャイン法」(会議公開法)などで、非公開にするにしても議事録は作成しなければならない。そして住民からチャレンジ(開示請求)された場合は、改めて開示するかどうかを判断する仕組みがある。

最初から行政が「非公開」と決めて、議事録すら作成しないのは、民主主義に反する。反則だ。

吉井議員が指摘しているように、山崎政府参考人が、「第四条におきまして、行政機関の意思決定に関する文書作成原則を法制化いたしました」と答弁していることともまったく矛盾する。

また、議事要旨というのは、議事録なしで作ると、「恣意」が生じる。たとえば、私はこうして国会議事録を「抜粋」しているが、「抜粋」には私の恣意が必ずはいるので、だから原文もきちんと示している。

防衛省は「出席者の自由な意見を提示することを重視する会議」としているが、より優先順序が高いのは「世界平和」だ。その目的を前にして、公開されたら自由な意志が言えない人は、最初から参加しなければいい。最初から全部を公開しろと言っているのではない。国民からそれは公開すべきだとチャレンジを受けたときに、判断され、公開されるための「記録」を公文書として保持しておくことが重要なのだ。それだけの責任を伴う会議でなければ、国家として開催する意味はない。それでは井戸端会議だ。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その9)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1b9a.html

政策形成過程としての「審議会」の議事録
吉井:防衛省には宇宙開発利用推進委員会というのが設けられています。宇宙基本法を根拠に、防衛省が宇宙で軍事利用を具体的にどう進めるかの議論をしています。この委員会は、これまで三回行われていると思うんですが、議事録は公開されていないんですね。議事要旨というのをいただきましたが、余りにもお粗末な、メモ書き程度の紙一枚です。議事録を作成していないのではないかというふうに思われますが、今回の法案を提出している以上、防衛省は、やはり文書管理の不適切事案を反省して、改善して、そして議事録をきちんと作成する。つまり、議事録を残しておかないと、公文書館をつくっても公文書として来ないわけですよ。これについて、どういう扱いをしているのかを伺っておきます。

松本政府参考人:本委員会については、率直な意見交換を行うため非公開といたしまして、委員会における個々の発言者の氏名あるいは発言内容のすべてを公開することは差し控えさせていただいております。そのかわり、議論の透明性を確保する観点から、主要な発言内容等を記録した議事要旨を作成し、これを公開してきているところでございます。本会議については、発言者の発言を正確に記録する必要がある会議というよりも、むしろ、私ども、出席者の自由な意見を提示することを重視する会議というふうに考えておりますので、そういった観点から、議事録というのは作成しておりません。そのかわりに議事要旨というのをつくりまして、公表させていただいているところでございます。

吉井委員 その議事要旨ですね、これは、武田防衛大臣政務官あいさつというのが四行、講演者の氏名が三人出ていて、岸大臣政務官あいさつ、これが四行。これは恥ずかしく思いませんか。こういうものを議事要旨とは言わないんですよ。余りにもひどいものをつくっておいて、議事要旨だと。僕はこの件に関して質問主意書を政府に出して、答弁書をもらっているんですが、防衛省の第二回目の宇宙開発利用推進委員会では、三名の外部の人を講師として招聘しているんです、この議事要旨に出ているんですけれども。慶応大学の青木節子さんと、航空宇宙工業会技術顧問の中田勝敏さん、現在この方は宇宙戦略本部事務局の技術参与をやっている方ですが、講演に招いているわけですよ。そもそも、開催すること自体の文書決裁がないんです。さらに、青木節子さんと中田勝敏さんを講師招聘することについては文書決裁がないんです、とっていないんです。しかし、謝金は支払われているんです。これは行政の文書主義を否定する行為なんですね。こういうことをやると、これは公文書管理以前の問題なんですよ。公文書がそもそも作成されていないんです。だから正式議事録もない。そうなると、幾ら公文書管理だと言ってみても、これは、その公開もない、記録もない、何もない。これではもう本当に法律以前ですから、まずこういう事態は、これは内閣を挙げて改めさせるということにしないと。これを小渕大臣に伺っておきます。

松本政府参考人:宇宙開発利用推進委員会で、講師の招聘等を文書決裁を行っていないというお話がございましたが、私ども、宇宙開発利用推進委員会設置要綱というものを決裁をとって定めておりまして、そこの中で、委員長の権限として、部外有識者の招聘という事項がございます。こういった文書の規定に基づきまして部外の有識者を招いたということでございます。また、謝金の支払いにおいても、当然のことながら、決裁をとってやっております。

小渕国務大臣 今のお話を聞いておりますと、しっかりとした意思決定過程における文書が残っていないという事実が明らかになっているのだと思っております。公文書管理法以前の問題ではないかという御指摘でありましたので、しっかりと問題意識を持って、それぞれの各省庁におきまして、意識改革といいますか、しっかりとした意識のもと、こうした公文書を歴史的文書として残していくという思いでやっていただかなければなりませんし、もちろんこの法案の中には、文書作成原則を法制化すること、あるいは定期的な報告や実地調査によりチェックをするということもしっかり入っておりますので、この法案が成立すればこうしたずさんな管理というものがないようにできることと思っております。

吉井:昨年十二月九日の答弁書をいただいているんですが、この中では、青木節子さんとそれから今挙げました中田さん、このお二人については文書による決裁は行われていないと、ちゃんと答弁書に書いているんですからね。だから、そういういいかげんな言いわけをしちゃいかぬということをまず言っておきたいと思うんです。私は答弁書を持ってきて言っているんです。それで、法案が成立すると、文書主義が徹底されて管理がしっかり行われ、都合の悪い文書を廃棄、隠ぺいすることがなくなる、文書が存在しないから開示できない、こういう理由からの非公開というのはまずなくなると思いますが、これはなくなりますね。これは一言でいいです。

山崎政府参考人 委員御指摘のとおり、なくなるものと思われます。

●法務省から国会図書館への閲覧禁止要請
吉井:法務省の方で、日本に駐留するアメリカ兵犯罪に関する日米間の密約を裏づける法務省文書があるんです。法務省刑事局が七二年三月に作成した合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料。内容は、アメリカ兵の犯罪に対し、日本側が優先的に裁判を行う権利の大部分を放棄するよう指示している一九五三年の通達など、アメリカ側の特権事項が書いてあるんですね。これまで国会図書館で実は閲覧可能だったんです。ところが、法務省は国会図書館に閲覧制限をやってくださいと要請するという形をとって、この圧力によって、二〇〇八年六月下旬から国会図書館は閲覧禁止の措置になっているんですね。その批判を受けて、国会図書館も二〇〇八年十一月から、墨塗りにして一部閲覧できるようにした。問題は、墨塗り部分が非常に重要な意味を持っているんですが、日本側が優先的に裁判を行う権利の大部分を放棄するよう指示した箇所なんですよ。なぜ国会図書館にそういう指示をしたのか、伺っておきます。

甲斐政府参考人:御指摘の資料は、法務省刑事局において作成いたしました合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料でございますが、平成二十年五月に、秘文書でございます本件資料が国立国会図書館に所蔵され、一般の閲覧に供されていることが判明いたしました。そこで、同月、同図書館に対して、同館規則に従い利用制限の措置をお願いしたというところでございまして、六月には同図書館において閲覧禁止の措置がとられたものと承知しております。法務省刑事局が本件資料につきまして利用制限の申し出を行いましたのは、同資料には米国との間の協議の内容でございますとか刑事裁判権の行使に関する記載というものがございまして、公にすることにより米国との信頼関係の維持や、捜査、公判の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものと判断したからでございます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

中間書庫について

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:43加筆しますが、
このコマは私の感想です)

ここで
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1b9a.html

山崎政府参考人は吉井議員の質問に対し、「国立公文書館法の業務規定のところに中間書庫的事業を行うことができる規定を設けたところ」と答弁しているのだけど、実は、旧法と変わっていない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国立公文書館法(旧) 業務の範囲(11条)
・ 移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を保存し、及び一般の利用に供する。
・ 国立公文書館又は国の機関の保管に係る歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する情報の収集、整理及び提供を行う。
・ 歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する専門的技術的な助言を行うこと。
・ 歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する調査研究を行うこと。
・ 歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関する研修を行うこと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
↓ほとんど変わらず
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国立公文書館法(新)業務の範囲(11条)
・特定歴史公文書等を保存し、及び一般の利用に供する。
・ 行政機関からの委託を受けて、行政文書の保存を行う。
・ 歴史公文書等の保存及び利用に関する情報の収集、整理及び提供を行う。
・ 歴史公文書等の保存及び利用に関する専門的技術的な助言を行うこと。
・ 歴歴史公文書等の保存及び利用に関する調査研究を行うこと。
・ 歴歴史公文書等の保存及び利用に関する研修を行うこと。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

山崎政府参考人は「一定期限たったら例えば集中的に管理するとか、そういうことも念頭に置いた文言は盛り込んだつもり」「国立公文書館法の中間書庫の事業を行う規定ができます」とも言うのだが、今でも、役所におけなくなった資料を民間倉庫を借りているので、これについても、この答弁だけでは不十分ではないでしょうか。あとからもう少し出てくるのかもしれませんが。

まさのあつこ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その8)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-9ff4.html 
この辺から繰り返しの部分をはしょって新しく出てきた論点のみ抜粋させていただきます。ここからは単なる抜粋ではなく、【随分はしょった抜粋】です。重要な点は引き続き、繰り返し出てきています。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

● いつの時代から
吉井英勝議員(以下、敬称略)::レクチャーを聞いていたときには、例えば奈良時代の古文書も公文書だということのお話もありました。いつの時代のものからを公文書として考えていくことになるのか、これを伺っておきたいと思うんです。

山崎政府参考人:その文書がいつ作成、取得されたものであろうと、行政文書、法人文書あるいは公文書館に移管された特定歴史公文書等に該当するものであれば公文書等に当てはまるということとしているところでございます。どんな古い文書であろうと公文書等に含まれ得るというところでございます。

吉井:今回の法案は、行政の文書主義の原則を法文化するというところが大事なところだと思うんですね。

山崎政府参考人:本法案におきましては、第四条におきまして、行政機関の意思決定に関する文書作成原則を法制化いたしました

●歴史文書かどうかの判断基準
吉井:行政機関が保有する公文書が保存年限に達した場合には、それを公文書館に移管するのは文書が歴史公文書に該当する場合であって、歴史公文書に該当しなければ、保存年限が来れば廃棄するわけですね。法案では、文書が歴史公文書に当たるかどうかの基準がやはり明確に規定されていないというふうに思うんですよ。法律施行後に国立公文書館が作成する判断基準に従って各行政機関の長が決定する、各行政機関の長にフリーハンドがゆだねられるという状況ですね。これでは、行政の意思形成過程を示した文書が、行政府の恣意的判断によって、公文書館に移管されることなく、保存年限に達すれば廃棄されてしまうということが非常に懸念される問題があります。これは、国民の知る権利を否定する重大な問題じゃないかと思うんですが、なぜ公文書館に移管する文書を歴史公文書に限定するのか。

山崎政府参考人:どういう歴史的文書について保存すべきか、また、どういう文書は保存する必要がないか、こういうようなものについて、政令で各府省共通の基準を設定いたします。(略)こういうレコードスケジュールの導入によりまして、各府省統一基準にのっとって、保存すべき文書は歴史公文書等として国立公文書館に移管され、保存される、こういうことにした次第でございます。

● 中間書庫
吉井:大事なことは、基準の問題だと思うんです。各省庁が、一応ぼんやりした基準があるにしろ、それに基づいて保存期間を決めて、過ぎたら破棄だとか何だとかやるとやはりまずいわけで。やはり中間書庫的機能を持つもので全部、役所が勝手に廃棄したり処分するんじゃなくて、預かって、もう一つはきちんとしたルールを定めておいて、ルールに照らして判断をする。そういう仕組みというものを考えていかないと、本当に公文書の管理というのがきちんとできるかどうかというのは大変問題のあるところだと思うんですが、この法案のどこを読み取れば、中間書庫的機能を持つ問題とか、あるいはその基準をどうつくるかということを読み取ることができるのかを伺っておきたいと思います。

山崎政府参考人:本法案におきましては、国立公文書館法の業務規定のところに中間書庫的事業を行うことができる規定を設けたところでございます。また、整理、保存のところに、時の経過に配慮して保存というふうに規定したところでございますけれども、これは、時の経過によって、例えば全部原課で保存するのではなく、一定期限たったら例えば集中的に管理するとか、そういうことも念頭に置いた文言は盛り込んだつもりでございます

吉井:文言は入ったんですが、中間書庫的機能を持つものはつくるんですね。

山崎政府参考人:現在パイロット事業で既に行っておりますし、本法案におきましても、先ほど申しましたとおり、国立公文書館法の中間書庫の事業を行う規定ができますので、それに沿って検討してまいりたいと考えております。

吉井:これは検討の段階から実現に移る段階の話だというふうに思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その7)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-24bf.html

●委託先のバックデータの取得
逢坂:ところで、大臣、日本の予算の中で、一年間にいわゆる委託費というのはどれぐらいあると思いますか。委託費というか、外に対していろいろ、例えば設計委託とか、あるいはBバイCなんかをやるときに民間業者にいろいろ調査してもらって、事業効率がいいとか悪いとかとやる委託費、これが二十一年度予算で、表に委託という文字があるものだけで約八千億円あります、八千億円。それから、表に委託というのが出ていない、補助金とかなんとかの中で、独立行政法人とかにお願いするものの中に委託費が含まれているものがこれにカウントされておりません。例えば今回話題になっております国立メディア芸術総合センター、これの設計費なんというものは、あれも設計委託なんですけれども、それはこの八千億の中に入っていないんですね。だから、日本の行政機関は相当多くの部分を外部に委託して仕事をしているということがこの金額からもわかるのかなというふうに思うんです。多分一兆円近いお金が委託費になっているのではないか。この中にはあれは入っておりません、例えば庁舎の清掃管理委託とかは入らないで、このぐらいの額なんですね。こういう委託に係る文書、何か調査を委託して成果物が来るということになったときに、成果物の根拠になったようなデータとか、それを開示してほしいというふうにこれまでいろいろな場面でお願いをすると、それは私どもの文書ではありませんので開示できませんとか、文書が不存在ですという言い方をして、なかなか行政機関ではこの部分を開示してくれないんですね。だから、道路やダムの費用対効果を考えるときの根拠のもとデータ、生データが知りたいと思ったら、国民はなかなか知れなかったわけであります。これは、大臣、問題だと思いませんか。

小渕国務大臣 やはりそうしたところも含めて、わからないでは済まないことですので、問題であると思います。

逢坂:ぜひ、公文書の統一的なルールをつくるとか規則をつくるときに、ここも配慮が必要だと思うんですね。委託であってももとデータは必ず我々の方に、民間事業者であっても開示をして、我々がそれをハンドリングできるんだというふうにしなければ、本当の意味での政策の発生源がわからなくなってしまうんですね。この点、しっかり担保をしていただくということで、大臣、いかがでしょうか。

小渕国務大臣:委託先のバックデータというものもしっかり委託元である各府省ができる限り取得をして、保存していくことが望ましいと考えております。しかし、それぞれの事案によりましては、例えば委託先の秘密のものということもありますので、おのおのにおきましては、その委員会におきまして議論していただきたいと考えております。

逢坂:業務を進める上でのノウハウみたいなものとか、そういうのはまさに秘密、それぞれの事業者の専門性だと思うんですね。ところが、やはり生データみたいなものというのはそうじゃないので、それはしっかり担保できるようにしてもらわなきゃ困ると思います。

●行政改革
逢坂:最後に、一つだけ申し上げておきたいと思います。公文書管理法制あるいは公文書管理の体制に、資源、人や物や金を使うことについて、行政の焼け太りだという指摘が一部にあるようでございます。あるいは、行政改革に逆行するというような指摘が一部にあるようなんですが、私の経験からしますと、それは全く逆だというふうに思われます。公文書の管理をしっかりやることで、私は、相当程度行革が進むのではないか、情報公開にもつながりますし、役所内の事務室の整理にもつながりますし、かけたコストがその倍、倍というのは言い過ぎかもしれませんが、倍にも、二倍にもなって、実はプラス効果となって返ってくるということがあると思いますので、ぜひ大臣、行政文書に資源を割くことは行革に逆行するということに対しては、そうではないという認識をお持ちいただきたいと思いますが、その点の認識を聞いて、終わりたいと思います。

小渕国務大臣 確かに、こうしたお話をしますと、行革に反しているのではないかというお声が聞こえてまいります。しかし、委員が御指摘のように、本当に大事なことでありますし、将来的なことを考えたら、逆に効率的になることであると考えております。人員の問題につきましても、現在の状況ではかなり少ない人数でやっておるわけでありまして、これを拡充また育成していかなければなりません。委員の御指摘をしっかり踏まえながら、決して行革に反するものではなく、将来的には大変大きな成果を残していくということをしっかり言ってまいりたいと思っております。

~~~
まさの感想メモ:この辺までくると、副大臣たちの少しづつ踏み込んだ決意や答弁に学び、大臣の答弁も柔らかくなっている。重要な答弁が現れてきた。繰り返し繰り返し、政治家同士が議論し、国民にとって何が問題とされ、国会として、どのように行政を律していかなければならないのかが認識されていったように見受けます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その6)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-fd92.html 

保存期間問題
逢坂:次に、「二〇〇八年国会審議における行政文書の保存期間問題」というペーパーを、資料を用意させていただきました。裏表で六ページにわたるものでございます。これは日本計画行政学会のある報告の中からおかりをしてきたものでございますけれども、これ以上にももしかしたら国会審議の中でいろいろと議論はあったのかもしれませんけれども、とりあえずここで拾っているものはこの程度の件数があります。随分やはり行政文書について国会でも指摘がされているわけであります。五ページ目です。これの下から二段目に、これは、六月三日、民主党の富岡議員が八ツ場ダムの問題についていろいろと議論をしているわけでありますね。八ツ場ダムの問題についていろいろ議論をしている中で、八ツ場ダムをつくるときのいわゆる費用対便益、その積算根拠になった資料はないかという質問をしているのに対して、隣におりますけれども、平井たくや国土交通副大臣が、これはないというふうに答えているわけですね。それで、「これ、私もないはずがないと思っておりまして、捜していただいたんですけれども、これが本当にないわけでありまして、」と副大臣も答えざるを得ないような状況になっているんですね。御案内のとおり、八ツ場ダムはまだ事業継続中のものであります。その事業をスタートさせるときの費用便益に関する資料がないなどということは、これはどう考えてみてもおかしいわけであります。そこで、国土交通省にお伺いしたいんですけれども、今回の法案ができ上がるとなったときに、こういう問題というのはなくなるんですか、国土交通省としては。ちゃんとなくそうとしてくださいますか。どうされますか。

西銘大臣政務官:国土交通省といたしましては、この公文書管理法案が成立をしました後には、法案の趣旨を踏まえまして、現在の文書管理規則を必要に応じて改正し、また、保存期間を過ぎた文書が事務的、機械的に廃棄されることのないよう、文書の性格に応じ適切な保存期間の設定、また、必要な場合には保存期間の延長などの措置を講じ、より一層適切な行政文書の保存に努めてまいりたいと考えております。(発言する者あり)

逢坂:隣の席からも、もっと踏み込めという話がございましたけれども、ぜひ、役人答弁ではなくて、政治のリーダーシップでこれはいかなきゃいけない。先ほども言ったとおり、行政文書の管理というのは、私は、何も役人の皆さんが悪いというふうに言うわけではないのでありますけれども、やはり、ある種第三者の目線でやらなければだめなんだというふうに思うので、もう一歩しっかり踏み込んで、絶対そういうことはないようにしますというふうに、もうちょっと御自分の言葉でいかがですか。

西銘大臣政務官:先生おっしゃっている意味は十二分にわかりますので、この法案の趣旨が十二分に生かされるように、国土交通省の文書管理規定もその趣旨に沿うような形で、二度と副大臣が答弁したような事態が起こらないようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。

逢坂:もう一つの事例をちょっと出したいと思います。郵政民営化準備室というのが二〇〇四年から二〇〇五年にございました。これは有名な話になりました。この郵政民営化準備室がアメリカ側と、我々が知っているだけで十八回にわたって何らかの協議、交渉、面談なんかをやっているわけであります。ところが、この問題について国会でいろいろとお話を伺いますと、当初、竹中総務大臣は、これは外交上のことなので相手側の了解を得なければならないからこの十八回の協議内容についてはお出しできません、相手の了解をとる必要がありますというふうに最初は答弁をいたしておりました。ところが、竹中大臣から今度は増田大臣にかわったあたりで国会答弁が変わってまいりました。それは儀礼的なものだった、アメリカから来てあいさつをしに来た程度のものだったからメモ程度しかないんだということだったんですね。それからまた、だんだん時間がたつと、メモ程度しかなくて、郵政民営化準備室からまた組織がかわってきたので組織がかわる段階でメモも廃棄をしたらしい、どうもどこにもないんだという話になっているわけなんですね。郵政民営化は、日本の将来をどうするかで、もう国を挙げた大議論になったテーマですね。その政策の発生源であるところの議論について、いや、外交上だから出せないと言っていたのが、最終的には、メモだから廃棄しましたなんということは、これはまことにお粗末きわまりない、民主主義国家として信じられないことだというふうに思うのであります。今回の公文書管理法案ができたらこういう問題はなくなるんでしょうか。あるいは、こういう問題を起こさないためにどういう対応をするおつもりでおりますか。

利根川政府参考人:私どもの方で当時の準備室の担当者に話を聞きましたところ、面談メモを作成したことはあったと思うけれども、先ほど先生御指摘のとおり、儀礼的なものでありますとか、あるいは問い合わせでありますとか、あるいは各種陳情的なものであるというようなことで、保存を要するほどのものではないことから廃棄をしたということではないかというようなことを伺っておりまして、その旨、私どもの室長からも御説明させていただいたところでございます。したがいまして、御指摘のメモに関しましては軽微なものであったということで当室に引き継がれていないということではございますけれども、あのような非常に政治主導でつくられた法案とは違う、積み上げ的にプロセスを経てつくられるような場合に、その内容に影響するような会合や何かが役所の中であったというような場合におきましては、私どもは本法案を所管する部局ではございませんけれども、本法案の趣旨にのっとりましてメモを作成し、一定の期間は保存するといった適切な措置が講じられることになるものというふうに考えております。

逢坂:今皆さんお笑いになっておりましたけれども、まさにこの事例は、今回の法案の第四条の問題でありますとか、第二条の公文書の定義、行政文書の定義の問題でありますとか、五条の廃棄の問題でありますとか、しかも、それは行政機関の長の裁量によってやっているわけですね。やはりこういうことを起こしてはいけないわけですね。そのためにこの法案をつくっているんですが、ただ、今の答弁からは、ではこの法案が成立した暁には本当にそれがちゃんと跡づけられるのかというところについては、私は心もとないような気がするんですね。小渕大臣、今の話を聞いてどう思いますか。

小渕国務大臣:御指摘のように、今の話を聞いておりましたり、あるいは出していただきました資料を見ておりますと、これまでの公文書管理のずさんな状況というものがまさに浮き彫りになっておると思っております。こうした状況というものが今後決してないようにしていくためにこの公文書の法案というものが出てきておるわけでありますし、先ほども申し上げた、しっかりとした統一的なルールを政令で定め、その範囲内においてそれぞれの役所においてしっかりとした案を策定していただきたいと考えておりまして、本当にこうしたことが二度とないような形になりますようにこの法律を制定するということであります。

逢坂:ぜひ、今度統一的なルールをつくる、あるいは各行政機関が規則をつくるというときには今のことも頭に置きながら、これじゃやはりだめなんだと。各行政機関の長が、これは儀礼的で簡単だなんと言って、でも、本当に儀礼的だったのか、簡単であったのか、後でそれを証明できないんですから。しかも、あのたった一年の間に十八回もやっているわけですよね。なぜ日本の郵政民営化にアメリカがあそこまで来て、十八回もごあいさつに来なきゃならないのか。これはやはり、はてな、はてな、はてなというふうになるわけですね。ぜひこれは解決されるように、大臣、頼みますよ。本当によろしくお願いしますね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その5)

ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html

総務省の文書管理業務の業務・システム最適化計画
逢坂:総務省では、文書管理業務の業務・システム最適化計画というのをお持ちになって、これは二〇〇八年二月十三日に改定したものによって、総務省が、何か各府省を横断化する文書管理システムをつくり上げようとしている。十九年からもういろいろ作業が始まっていて、これまでに、システムの最適化に係る設計開発業務に約五億円、それからソフトウエアの賃貸借一式に約九億円、それから運用の請負一式に、二十一年度から二十四年度までに三億円ということで、これまで都合十七億円を投資しているわけですね。十七億円を投資して、総務省として各府省横断的な文書管理業務の最適化をしていくんだということをおやりになっているんですが、私、これはちょっと何か変なんじゃないかなという気がするんですね。 今まさに公文書管理法案が議論されていて、これから各府省でいろいろなことを決めていきましょうという段階で、もう既に十七億使ってこういうことをやっているというのは、どうもちょっと腑に落ちないのでありますけれども、今回の法案と総務省がやられているシステム最適化計画との整合性というのは、倉田副大臣、どのようにとるおつもりですか。

倉田副大臣:各省庁が各別に運用管理していた文書の管理につきまして標準化、一元化していこう、これによって文書管理業務を全体的に効率化する、結果として費用の削減もできる、こういうことでございます。今回の法案は、公文書のライフサイクルを通じた管理ルールを定めよう、こうしているわけです。最適化計画によるシステムは、例えば文書の散逸を防いだり誤った廃棄を防いだり等、防止する機能など、適切な文書管理を行うという基盤整備を行っているわけであります。したがって、今回の法案ができた場合に、その運用の基盤としてこれに資することになる、こういうぐあいに考えております。

●紙媒体、電子媒体
逢坂:今回のシステムのイメージ図を見ますと、これはどうも紙ベースではなくて電子媒体でやるのかなというふうに思うんですけれども、そこで、総務省の政府参考人にお伺いするんですけれども、これは電子媒体ということでよろしいのでありましょうか。私は、電子媒体のメリットというのはあるとは思うんですけれども、電子媒体には相当デメリットも多いんですね。電子媒体のデメリットも考えた上でこういうことをやろうとしているんですか。そのあたりはいかがですか。あるいは、電子媒体のメリットについて何らかの認識はございますか。

田部政府参考人:基本的に、電子媒体でやりますと非常に効率的に業務が遂行するということで今最適化もやっておるわけでございますので、基本的な考え方としては、電子媒体で業務を遂行することに相当なメリットがあるというふうに考えてございます。(逢坂委員「デメリットは考えておりませんか」と呼ぶ)
 当然、それに移行する際に、いろいろなシステムの整備なりあるいは業務の見直し、そういったものが必要になるというふうには考えてございます。

逢坂:非常に認識が甘いですね。実は、紙媒体というのは古臭くてだめなシステムのように思われるかもしれないんですけれども、紙ベースの記録は千年残っているという実証がございます。電子媒体が千年残るという実証はまだございません。一覧性というのは、ぱっと見て情報が全部入ってくるという点においては、電子媒体よりも数段すぐれております。一覧性というのは、紙面をざっと開いて、自分が見たい記事、見たくない記事を含めて目に飛び込んでくるという、それにおいては電子媒体よりも紙媒体の方が数段すぐれている。電子媒体は、その意味においてやはり数段下なんですね。それから、電子媒体は、記録するメディア、これが日々進歩をしていますから、電子媒体で何らかの形で保管をしたとしても、五年後、十年後に媒体変換ということはこれまでの歴史を見ると必ずあるんですね。そのときに、やはり相当なコスト、手間、そこでいろいろな判断が必要になってくるということなんですね。ほかにも電子媒体のデメリットはいろいろあるんですが、メリットがあることは事実なんですけれども、こういうことをもう既に十七億をかけてやられていて、電子だから全部いいんだみたいになっていくことは相当に危険だというふうに私は思います。特に公文書においては、先ほど来議論になっておりますように、公文書というもの、行政文書というものの定義が非常に重要なわけですね。アメリカの例に見られるように、メモだとか電子メールだとか、いろいろなものも広く含めている、手書きの草稿まで含めるわけですね。電子媒体で電子決裁なんかがたくさん使われるようになると、そういう手書きのメモや草稿なんというものは全部忘れ去られる可能性があるんですね。だから、そういう意味でいうと、電子媒体はすごくいいように思うけれども、実は危険な部分もあるということを承知してやらなければいけないのではないかと私は思っていますが、副大臣、いかがですか、今の私の話を聞いて。

倉田副大臣:おっしゃる要素が私にはよくわかります。これまでの文書の部分については、その項目等を電子記録にはしておく、けれども、そのもともとのものをどうしていくのかということはより適切に考えていかなければならない、そう思います。

逢坂:これはまたどこか別の場でやりたいと思うんですけれども、行政文書の電子化というのは極めて危うい部分があるということをぜひ皆さんにも御認識いただきたいんです。

総務省と内閣官房公文書管理検討室
逢坂:総務省に改めてお伺いをしますが、総務省では、この公文書管理法制とは別に、こういうシステムをこれまで、公文書管理法制の議論が始まる前からやっているわけですから、別にこのシステムのことをいろいろやっておられたわけですけれども、今回の公文書管理法案、閣法の策定過程で、総務省として、内閣官房の公文書管理検討室に対して、何かこのことで注文をつけられましたか、今回の法案をつくる上において。私たちはもう既にこういうシステムを検討、準備している、だから今度の法案に当たってはこういうことをやはり入れてもらわなきゃ困るとか、今度の法案を我々と独立したところでやられちゃちょっと整合性がとれないというようなことも含めて、何か注文はつけられましたか。

田部政府参考人:(文書管理の在り方等に関する有識者会議の)最終報告におきまして、分類基準に沿って適切に管理できる機能、適切な文書管理のための本システムの整備すべき機能、こういったことについての御指摘もいただいているところでございます。

逢坂:分類について適切にやれるようにという、そのことだけだったんですか。ほかはなかったですか。主張は、総務省としてはなかったですか。

田部政府参考人:詳細はあれですけれども、電子決裁についての取り決めとか、そういったものも入ってございます。

逢坂委員:公文書管理ということは、日本で、まさに入り口に今立っているわけですね。これからスタートなんですね。そのときにまた新たなシステムが入るということでありますから、これは、相当に注意を持って、整合性を持ってやらなければ、日本の公文書が本当にむちゃくちゃなことになる可能性を、そういうおそれを感ずるんですね。ですから、ぜひこのシステムの運用に当たっては、慎重さを持って、今の公文書管理法制の精神をちゃんと踏まえたものになるように、大臣、具体的に何かやる必要があるんじゃないでしょうか。倉田副大臣、いかがですか。

倉田副大臣:電子化、電子化ですべてが解決するというような考え方をしているわけではありませんので、本当の意味で、決定内容だとか、あるいはその思考過程だとかいうようなものも何らかの形で残っていくことは重要だと思いますので、よく認識して今後も対処してまいります。

システムの維持管理費
逢坂:このシステムがフル稼働したら、年間の維持管理費、どれぐらいだというふうに見込まれておりますか。

田部政府参考人:現在、年間二十五億ほどかかってございます。これが十一億削減されまして、十四億円という運用経費になります。(逢坂委員「ちょっと言っている意味がわからない」と呼ぶ)年間二十五億円の運用経費が現在かかってございまして、新しいシステムになりますと十一億円削減されまして、年間十四億円の運用経費ということになります。

逢坂:今二十五億かかっているというのは、今の紙ベース、現状の、今のシステムを動かしているということではなくてということですか。今、そもそも総務省として行政文書の管理に二十五億かけているという意味ですか。

田部政府参考人:現在、各省で運用しておりますシステム、そういったものの総体の費用でございます。

行政文書ファイル管理簿の検索
逢坂:現在のところについて再度お伺いしたいんですけれども、電子政府の総合窓口というのが政府のホームページにございますね。ここに行政文書ファイル管理簿の検索というところがあって、行政文書ファイルを、国民の皆様に、検索してどうぞ御利用くださいというところがあるわけであります。
ところが、私がいろいろこれを操作してみたり、あるいは私以外の者が使ってみると、極めて使い勝手が悪い、評判が悪いもので、こんなもの、全然ファイル検索にならないじゃないかという声があるのでありますけれども、この行政文書ファイル管理簿の検索に対する現状の認識について、どう思われますか、副大臣。

倉田副大臣 私は、自分ではやらぬものですから、けさ、秘書がやるのを横でのぞいて、見ておったんですけれども、なかなか具体的に知りたいことがわかりにくい。今後ちょっと、もう少し詳しい項目、中身がわかるようなことまで表示をやっていくべきではないかな、こんなことを感じております。

逢坂:今、御実感されたように、余り使えないんですね。それで、ファイル名、行政文書ファイルの名前を、ある種恣意的というか、皆さんが自由につけられるわけですから、それにうまくヒットしなければ目的の文書に到達できないわけですね。そこで、こういうものをやるときにはメタデータという考え方があって、メタデータというのは、ファイル名は確かに何々に関する文書というふうになっているけれども、その中に何が含まれているのか。例えば、交付税であるとか特別交付税であるとか、あるいは漁業であるとかという、検索にかかりやすい言葉もあわせて埋め込んでおいて、検索にヒットできるように、メタデータを埋め込むということは必須のことなんですね。それをやらないで、ファイル名だけで検索させようとすると、それは全くやはり使えないものになりますので、ぜひその方向で、今後この新しい公文書管理法制ができた暁にもそういう対応をしていただくように、副大臣、よろしいですね。

倉田副大臣:情報の件名とか、あるいは作者、つくった人間、あるいは保存期間だとか、幾つかのものを、すぐにそういう表示が出てくるようなシステム、これを考えていかなければならない、そのようにしていこうと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

知る権利について

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:48加筆しますが、
このコマは私の感想です)

ここで出てくる「知る権利」についてですが
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1901.html

情報公開法制定時からずっと続いている議論で、「開示請求権」と裏表だから、この言葉にこだわらなくていいという議論をはじめ、「諦め」がちなムードがあると思う。この言葉にこだわり過ぎると他のことが議論できなくなるとか、具体的な開示請求権に比べると曖昧な概念でしかないとか、とかく「知る権利」という言葉ばかりを語れば「とんがった人」として排除されかねない雰囲気もあった。でも、実際はやはり、開示請求権はあっても、知る権利が確保されていないというのが、私のこの10年の実感。

今回も、官僚答弁を棒読みする大臣が「今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない」と平然と述べている。

行政は、自分たちの不可侵な領土に侵略されるような心理で「知る権利」から防衛しようとする。たとえて言うなら、行政は、今なら国民の知りたい欲求を「不法侵入」だと言って遠ざけることができる状態。国民から言えば行政が「不法占拠」していると言いたい状態だ。

国会こそが、国権の最高機関であって、唯一の立法機関なんだからなんだから、「今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない」ことを理由に「知る権利」を立法によって確立させないのは、理由になっていない。

答えは常にシンプルだ。
第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

最高裁判決を盾に答弁を書く官僚に、公文書管理担当大臣が見事に騙された図が、2009年のできごとして歴史に刻まれたのだ。あ~あ。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法審議(その4)

ブランチを食べ終えて、ここ↓からの続きです
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-a64d.html
繰り返しますが、これらは【抜粋】です。議事丸ごとは、こちら↓
衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm

民主党の西村智奈美議員に続く二人目の質問者、逢坂誠二議員が、
官僚答弁を繰り返す妊婦の大臣に気遣いつつもねばり強く追撃質問しています。

公文書管理担当機関
逢坂誠二議員(以下敬称略):公文書管理担当機関、公文書管理担当機関という言葉が何度も出てまいりましたけれども、今回政府が提出している法案における公文書管理担当機関というのはどこのことを指しておりますか。

山崎政府参考人:現在は、現用文書は総務省の行政管理局、そして歴史公文書は国立公文書館を所管する内閣府というふうに分かれております。新たに設けられます内閣府の行政機関、そして専門的知見を有する国立公文書館、そして有識者の意見をお聞きする公文書管理委員会、この三者が中核になって、各省とも協力しながら適切な文書管理を推進していくというのが本法案の趣旨。

知る権利、最高裁判例、利活用
逢坂:公文書管理は何のために行うかといえば、それは、政府が説明責任を全うするために行うこともこれまた一つの理由でありますけれども、国民が、政府の意思とは関係なしに、自由にその情報を活用できるということも、これは大事なことなわけですね。政府の一方的な上意下達的な説明だけでは私は十分ではないというふうに思うわけです。上川前大臣も、公文書は国民共通の財産だとおっしゃっておられる、今小渕大臣もそうおっしゃっておられるのに、なぜそれを盛り込まなかったのかということが一つと、もう一つ、知る権利という言葉を盛り込むか盛り込まないかはいろいろ議論のあるところでありますけれども、先ほど私が説明したように、主権者である国民が主体的に利用すべきというような言葉を盛り込むことで、法律上の知る権利のいろいろな議論を飛び越えて、その概念だけは体現できる、具体化できるのではないか。

小渕国務大臣:財産という用語についてでありますけれども、これはまた、法律上、通常、金銭的な価値のある権利と解されておりまして、国民の共有の財産という用語を本法案の目的規定に用いるということはなかなか難しい。
 また、知る権利についてでありますけれども、先ほど答弁をさせていただきましたし、委員も御指摘のあるように、今、最高裁判所の判例において認知されるに至っていない。

逢坂:財産がだめだったら、ほかの言葉もあるわけですね。国民共有の資源であるとか、国民共有の資産であるとかという言い方もできるわけでありまして、それによって法の思う概念というのは十分伝わるのではないかと思うんです。

小渕国務大臣:そうしたところも全部含めまして、この「国民主権の理念にのっとり、」や「国民に説明する責務が全うされる」ということをあわせて用いている。

逢坂委員:余り答えになっていない。財産という言葉が法律上難しいのであれば、ほかの言葉を使うことは可能ではないかという問いかけを私はしたわけでありますけれども、再度、いかがですか。

小渕国務大臣:国民からの目線を意識した規定としていくために、そうした委員の御趣旨も踏まえまして、しっかり考えてまいりたいと思っております。

逢坂:国民が利活用するという観点もやはり公文書管理には必要でありまして、後にも議論になりますけれども、検索ファイルなどが非常に使いづらいなんという話もあるわけでありまして、やはり国民がちゃんと利活用できるというような概念も入れておくことが公文書管理法をより強固なものにならしめるのではないか。

小渕国務大臣:最大限、公文書館といたしましては、国民の利用を促進していきたいと考えております。この十六条に記述しておるところであります。

逢坂:この二つは目的規定に検討していくべきだ。

行政文書の定義
逢坂:次に、やはり問題になりますのは二条の「定義」。行政文書というのは何だと思いますか。

小渕国務大臣:職員が職務上作成、取得したものであるということ、また、組織的に用いるものであり、当該行政機関が保有しているもの。

逢坂:行政情報公開法の定義と一緒のことなわけですね。今の行政情報公開法の定義で、これまでの公文書に係るさまざまな国会での議論や、国民への説明責任というのは十分に果たされているというふうにお考えですか。今の定義で十分だというふうにお考えですか。

小渕国務大臣:先ほど申し上げました二つの定義が確実に果たされているのであれば十分ではないかと考えております。

逢坂:公文書管理の出発点はどこかというと、公文書というものは何かというところをしっかり議論することが実は重要なんですね。ここがすべての物事の発生源でありますから、ここの範囲を狭めてしまうと、どんなにいい公文書館をつくろうが、どんなにいい管理のシステムをつくろうが、それは機能しないというか、そもそもターゲットが狭いものになってしまうわけですね。だから、公文書というものの定義はいかなるものか、行政文書というものの定義はいかなるものかということをやはり十分に議論しなければならない。

小渕国務大臣:本法案におきましては、行政機関の意思決定並びに事務及び事業の実績について、文書作成原則を明記しておるところであります。具体的にどのような文書を作成すべきかにつきましては、公文書管理委員会において御議論いただき、文書作成の統一的な基準として政令で規定することといたしております。

逢坂:必ずしも議論がかみ合っていないんですけれども。公文書というものの定義はある一定の時期にこうであるというふうに決めることは、それはそれでいいとは思うのですが、公文書の定義について、やはり不断の見直しをしておく。不断の見直しというのは、切れ目のない見直しを常にするんだという思想がなければまずいというふうに私は思います。それともう一つですが、大臣、やはりちょっと御認識されていないようなんですが、それは、役人の書いた答弁を読んでいるからどうしても御認識されない。本当は、お心の中では御認識されているとは思うんですけれども、政府の説明責任を全うするということだけを何度も言うんですけれども、そうじゃないんですよ。政府の説明責任を全うすると同時に、国民が自由意思で、その行政情報というものを知りたい、活用したいという、そのことを保障してあげることがなければ、それは一方通行の押しつけ的なことになってしまうわけですね。だから、そのことも含めて公文書の定義というものが決められなければいけないと思うんですが、不断の見直しをするということについてはどう思われますか。

小渕国務大臣:国民がしっかりとそうした情報というものを知っていくということについて、こちらとしては、その情報を狭めていくということではないようにと思っております。そうした範囲を狭めることなく、今後しっかりとした議論の上で広げていくことの重要性については十分に承知をしておるところであります。

逢坂:ぜひ、公文書の定義、行政文書の定義のところが出発点でありますから、ここを何度も何度も議論をしていくということが大事だと私は思います。アメリカでは、公文書とは何か、私文書とは何かということについて、具体的な事例をもって、これは私文書だ、だけれどもそれ以外のものは公文書だというようなことを、何度も何度も繰り返し議論をし、かつまた、それを職員に周知するわけですね。だから、そういう不断の見直しが必要だということで、ぜひ大臣にも御認識をいただきたいというふうに思います。

作成義務
逢坂: 私は、この閣法の第四条の「作成」の規定では十分ではないのではないかなというふうに思うんですね。もう少し法律で具体的に書いてもよいのではないか。もちろん「政令で定めるところにより、」というふうには書いてはおるのでありますけれども、私が役人だったら、これを読むと、まあこれだったら作成しなくてもいい文書が山のように出るなというふうにも、私が役人ならですよ、思うのでありますけれども、大臣はこの規定で十分だと思われますか。

小渕国務大臣:公文書管理委員会によって具体的に議論をしていくことになる。

逢坂:有識者会議でも何度も出ていることでありますけれども、意思決定に至る過程を合理的に跡づけることができるようにするとか、あるいは、例えば閣議だとか関係行政機関の長で構成される会議または省議の決定、了解及びその経過みたいなものは必ずちゃんと残すとか、あるいは、複数の行政機関による申し合わせ、打ち合わせ、あるいは行政機関に示す基準の設定みたいなもの、あるいは地方に対していろいろと指示をしているようなこと、そういうことも、どういうプロセスでそれが決められたのかなんということもしっかり残すというようなことも例示をより具体的にしておくことが必要だと思うんですけれども、いかがですか。

小渕国務大臣:今御指摘の点、もっともだと思っておりまして、今委員が例示として並べられたことは基本的に残されるべきものであるかと思っております。
ただ、一つ一つやはり丁寧に管理委員会におきまして議論をしていく必要性があるかと思っておりますので、この法律上ではそうした細かな事例まで明記していないというところであります。

逢坂:もし法律に書けるのであれば、私は可能な範囲で書いた方がよいのではないかなというふうに思います。例えば、今私が言ったようなことを例示として書くことは、それほど法文としては問題のないことだというふうに思いますので、この点は指摘をしておきたいなというふうに思います。

●公文書管理担当機関の独立性
逢坂:公文書管理担当機関というのはどういう位置づけであるべきだというふうにお考えですか。私は、これはやはり独立性の強いものでなければだめなのではないかというふうに思うんですね。アメリカでウォーターゲート事件というものが起きたのは皆さんも御承知だと思います。あのとき、アメリカの公文書館の独立性というのは余り強くなかったんですね、アメリカでウォーターゲート事件が起きたときに。そして、そのときに、当時のニクソン大統領は、その証拠を隠そうとして、ホワイトハウスの執務室でとっていた録音テープや文書を廃棄しようというようなことをやろうとしたわけですね。しかも、それをだれに頼んでやったかというと、文書管理担当の長官に頼んで、それを持ちかけてやろうとしたということがあるんですね。これを契機にして、アメリカでは、これは公文書管理担当機関というのは政府と一体ではだめなんだ、もっと独立性の強いものにしなければいけない、そうしなければ、その時々の権力の恣意性で、文書の範囲だとか、廃棄するだとか保管するだとかが決められてしまう、これではまずいということで、NARA、アメリカの公文書館の独立性を強めるということになったわけですね。今回の日本の法案、やはりこれは必ずしも独立性が強くないというふうに思うんですね。その独立性の強くない公文書管理委員会にいろいろなことを預けて、そこで決めていただくというのは、私は相当に問題が多いのではないかと思うんですけれども、いかがですか。

小渕国務大臣:公文書管理委員会につきましてでありますけれども、この委員会は、審議会等の、いわゆる諮問機関ということで、内閣府に置かれることが適当であるかと考えております。内閣総理大臣が、この公文書管理委員会のメンバーも、その責任とリーダーシップのもとでこのメンバーを決め、この委員会は、内閣総理大臣が権限を行使する上で必要な場合に、その諮問に応じて専門的見地から意見を述べる役割を果たすということであります。

逢坂:公文書管理委員会や公文書管理担当機関は独立性が強くなければだめだという私の指摘に対してはどうお考えですか。

小渕国務大臣:今のこの体制で十分にその機能を発揮できるものと考えております。

逢坂委:今の体制で十分にその独立性は担保できるという根拠は何ですか。

小渕国務大臣:この委員会のメンバーにつきましても、内閣総理大臣の決定のもとで決められることでありますので、しっかりと内閣総理大臣のチェックのもとでこの委員会ができるということで、その管理体制もしっかりとしたものになるかと思っております。

逢坂:私の指摘はそうじゃないんですね。先ほどウォーターゲート事件の例を引っ張り出したのは、大統領であっても自分の都合のいいように文書を廃棄してしまうということだから、アメリカの公文書館は独立性をさらに強めて、政治からある程度離れた場所に置くということに最終的になったわけですね。ですから、今回の法律のしつらえは私も理解はいたします。しかしながら、大臣に、将来の課題として独立性を強めていくということについてどう思うかというふうに私は伺っているんですね。

小渕国務大臣:確かに、委員が御指摘のように、大統領でさえもそうした機密文書を隠してしまうというような事例があるというお話でありましたけれども、そういうことが行われてはもちろん困ることでありますので、この委員会の権限やそうした立場につきましては、しっかりと議論を進めていきたいと考えております。

逢坂:政治のリーダーシップによって、日本の公文書管理というもののあり方を生み出していく、つくり出していく、これは政治がやる以外にないというふうには思うんですけれども、政治がある一定程度のところへ押し上げていった暁には、公文書管理担当機関を、さらに独立性を強めて、ある種、政治の権限から離れた、まさに公平、中立な存在にしていくということは私は大事だというふうに思いますので、ぜひこの点は将来に向かっての検討事項にしていただきたいと思うんですが、どうですか。

小渕国務大臣:今後進めていく上で、やはり公文書管理委員会の役割というものが大変大きなものになっていくのではないかという御懸念というものもそのとおりであるかと思いますので、しっかり議論してまいりたいと考えております。

統一的なルール(政令)と省ごとの規定(文書管理規則)
逢坂:第五条「整理」という規定がございます。第五条の五項に「行政機関の長は、」ということで、ここで、移管をするのか廃棄をするのかということを行政機関の長が定めることになっていますね。公文書管理の基本的な精神は、やはりある種、政治や行政の現場とは違ったところで、公平、中立に管理をしなければならないという観点からするならば、この規定というのは、この主語が行政機関の長になっているのはいかにもまずいのではないか。ここの主語はもっと別な人にする必要があるというふうに思うんですけれども、どう思われますか。

小渕国務大臣:もともと統一的なルールというものがあって、その枠内でそれぞれの省ごとの規定の案というものが定められることになってまいりますので、そのあたりの心配というものは当たらないのではないかと考えております。

逢坂:もともと統一的なルールがあってとおっしゃいました。もともと統一的なルールというのは何ですか。

小渕国務大臣:統一的な管理ルールというものを政令で規定することとなっておりまして、その枠内におきまして、それぞれの省庁におきまして基本的な案というものを作成することになっております。

逢坂:すなわち、現在のこの法案は枠組み法なんですね。眼鏡でいえば、枠だけはあるんですけれども、眼鏡の度数がまだ入っていない。いろいろなことが、有識者会議で決めます、政令で決めます、どっちで決めますと。できる限り法律に落とし込めるものは落とし込むということをしなければ、本当の意味での公平性は保てないし、行政機関の長が自分に都合のいいことをやらない保証はなかなかないんだということを指摘しておきたい。もしこの法案がこのとおり成立するとするならば、大臣、これから、政令をつくるとか、各府省がつくる規則の段階、これは物すごく大事ですよ。ここをちゃんとやらないとえらいことになってしまうというふうに思うんですね。ぜひそのことに対する御認識を、決意を。

小渕国務大臣:公文書の管理につきましては、これまでのさまざまな事案がありまして、それの反省のもとに今回のこの法案があると思っております。ですから、もちろん各府省におきまして勝手やたらのことができるということはあってはならないことですし、そうしたことがないように、しっかりとした統一的な政令を定めるということであります。意思決定というものがしっかり文書にされていくことが大事であると思っておりますし、委員の御指摘はしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。

逢坂:逐条の方は若干お休みをして、ほかの話題に行きたいと思いますので、しばしお休みください。体にさわるといけませんので。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

個人メモについて

(この挿入がどうも紛らわしいので6月7日20:50加筆しますが、
このコマは私の感想です。この間、以下に貴重なコメントもいただいています。
逗子市の条例のお話。ぜひ、ご参考に。)

その2に関連して
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html

個人メモについては、こだわりたいところだ。個人メモとはつまり私文書である。

今年の1月に日本計画行政学会の関東支部でワークショップを開催した際、急いで米国の国立公文書館・記録管理院が作っているNARA連邦規則(36CFR)の一部抄訳を作った。→こちら「nara_36cfr_j.xls」をダウンロード

なぜなら、そこには、しっかりと「私文書とは何か」を定義、つまり「何が公文書とは見なさないか」というネガを見せることにより、「公文書とは何か」を浮き彫りにする規則が定められているのだ。これを読めば、これ以外はすべて公文書であると公務員が意識・認識した上で業務を行わなければならないという意識も生まれるというものだ。

個人メモ(私文書)について書かれた部分だけを以下、抜粋する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
§1222.36 私文書とは何か
(a)私文書とは公務とは関係がないまたは公務に影響のない私的たは非公共な性質を持つ文書。私文書は連邦政府の定義から除外され、政府の所有物ではない。私文書の例には以下を含む
(1)政府業務に就く前に職員が集積した文書で公務に実質的には使用していないもの
(2)個人の私的な事柄にしか関係のない、たとえば公務以外の職業団体や個人的な政治的なつながりに関する文書など。
(3)日記、日誌、私的な通信や、その他政府業務執行のための準備、使用、回覧、伝達を行ったものではないメモ
(b)私文書は明らかにそのように区別できなければならない。また常に公文書とは区別して保管するようにしなければならない
(c)個人的な事柄と公務に関する情報が同じ文書に存在する場合は収受の際に、個人的な情報を削除した上で複写し、連邦記録として扱われなければならない。
(d)「個人的」「機密」「私的」または同様のラベルがついていても、業務遂行に使用された文書は該当する法令の条項が適用される連邦記録である。「個人的」という言葉がついているだけでは連邦機関における文書要件を決定づけるには不十分である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

また、お気づきのように、このルール作りを行っているのは、行政からは独立した国立公文書館・記録管理院だ。日本が本来目指すべきは、行政とは一線を画した機関がこのようなルールを作ることだ。現在、法案審議が行われている以上、何が個人メモで何が公文書かという審議を重ね、より明確化していって欲しい。

時間ができた際に、私が国交省を相手に行った裁判について書いて(こちらでも裁判に到るまでは地団駄を踏みながら書いたけれど)、さらなる情報を提供したい。

まさのあつこ

| | コメント (2) | トラックバック (0)

公文書管理法案(その3)

こちらからの続きです。(審議抜粋)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-821b.html

政令、文書管理規則
西村:文書管理の際の基準の設定について、行政機関の長が定めることが望ましいとお考えか、それとも、公文書管理担当機関が統一的に定めることが望ましいか。

増原副大臣:具体的なルールについては政令で定めるということになっております。当然のことながら、これは内閣府が主導して統一的な基準をつくってやりますということであります。

西村:私の質問は、基準は行政機関の長が定めるのが望ましいと思うか、それとも統一的な基準として公文書管理担当機関が定めることが望ましいか、どちらですかと伺ったんですよ。どちらですか。

増原副大臣 内閣全体として政令を定めていく、統一ルールは政令のレベルで定める。

(ばっさり省略)
・IT化への対応
・デジタルアーカイブ化での著作権など
・研修など

司法府、立法府
西村:この有識者会議の中で、公文書管理担当機関に関連して、組織のあり方として、国立公文書館を現在の独法形式から特別の法人とすべきであると。つまり、今も国会や裁判所などの記録は移管できるということになっておりますけれども、この移管は進んでいません。ですから、特別の法人として、そのような政府とのいろいろな連携、そしてまた、司法府、立法府からの文書の移管ということをよりスムーズに進めるために特別の法人にするということについて最終報告の中でも提起をされているわけですけれども、この点について政府としてはどうお考えですか。

増原副大臣:政府側としましては、立法府、司法府からの文書の移管に関する協議機関の設置の是非につきましては、それぞれ立法府、司法府の事情や判断もあることから、三権分立の観点から見て、内閣の提出法案の中に、協議機関を設置し両府の参画を義務づける、この規定を入れるということは難しかったということでございます。引き続き、これからもいろいろ立法府、司法府との協議も続けてまいりたい、そのように考えております。

大量破棄
西村:十年前の行政情報公開法が施行されたとき、実は、行政情報公開法の施行目前に霞が関から大量の文書が廃棄されたということが市民団体の調査などによってもわかっております。上川前担当大臣が、平成二十年の三月の時点で、有識者会議の議論を行っている間、当分の間は、保有する行政文書の廃棄を一たん中止していただきますようお願いしますと、これは閣僚懇談会において発言をされておられます。小渕現大臣は、平成二十年の十一月に、この最終報告がまとまったことに関連して、「今後の行政文書の管理に関する取組について」ということで、「行政文書・公文書等の管理・保存に関する関係省庁連絡会議申合せ」ですか、ここにおいてペーパーを出されておられるようでありますけれども、これがどう担保されているのか。
 ここで、ぜひ大臣からは断言をしていただきたいんです。情報公開法の施行前のように、霞が関からあんなに大量に、一気に文書が消えるようなことは、私の責任においてありません、しませんということをぜひ言っていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

小渕国務大臣、委員が御指摘のように、前回の轍を踏まないように、今回の法律整備前にそのような廃棄が行われることのないように、徹底して関係省庁に発言してまいりたいと考えております。

制定プロセスの管理
西村:最後に、今回の公文書管理法の制定プロセスというのも、私は、これは後世に残す極めて貴重な資料としていろいろ残していくべきだろうと思います。きのうファクスで送っていただいたこの文書、上川前大臣の閣僚懇談会での発言、そして小渕現大臣の閣僚懇談会での発言等も、これも貴重な発言でありますので行政文書として定義されるべきものだと思いますけれども、その点について一点伺います。
 二点目は、これからつくられる政令、そしてさまざまな規則の制定過程も、きちんと後から合理的に裏づけできるように、まさに他の省庁のお手本になるようなファイル作成、そして管理、公開というような、まさに他の省庁のお手本になるような取り組みを進めていただきたいと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

小渕国務大臣 この法律の趣旨というものは、その意思決定の過程をしっかりと行政文書として適切に作成、管理をしていくということでありますので、この法律につきましての意思決定過程もしっかりと文書として管理をしていきたい、そして、委員の御指摘のように、各省庁の今後のモデルケースとなるように努めてまいりたいと考えております。(西村(智)委員「これはどうですか、閣僚懇談会」と呼ぶ)それも含めてしっかりと管理をしていきたいと考えております。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その2)

こちらからの続きです。(審議抜粋)
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-0cdb.html

個人的なメモ
西村:行政文書の定義では、「当該行政機関の職員が組織的に用いるもの」というふうにされておりますけれども、「組織的に用いる」というのはどういう意味でしょうか。私は、個人的なメモであっても、例えば二人以上で回覧したもの、閲覧したものであれば、これは組織共用文書として行政文書の定義に加えるべきではないか。

増原副大臣:個人的なメモの件でございますけれども、委員が言われている個人的なメモというのはどういうケースを言われているのかということになると思います。外交上の交渉の話なのか、各省折衝の話なのか、あるいは、ある国会議員から調査依頼が来たときにメモった話なのか、これはいろいろケースがあると思いますよ、先ほどの委託事業と同じでして。それを、一体どこまで含めるようにすべきか。これは、意思形成にかかわってくる、そしてそれが組織的に使われるというものであれば、個人的なメモも行政文書に該当することは当然あり得る、そのように考えております。

西村:私の考えですと、先ほど副大臣がおっしゃられた三つとも、すべて組織共用文書に含まれることになると思います。民主党は、この点についても、個人的なメモであっても、二人以上で回覧、閲覧したものについては、組織共用文書として行政文書の定義に含めるという考えであります。その点についてはここでは明確な御答弁はいただけなかった。

文書ファイル
西村:(有識者会議の最終報告書)五ページのところになりますが、「一連の業務プロセスに係る文書が、その個々のプロセスごとに別のファイルに編集され、異なる保存期間で保存されるため、後から一連の業務プロセスの全体像を把握することが困難な場合がある。」というふうに書かれております。これについては、政府はどういうふうに認識しておられますか。有識者会議と同じ課題があるというふうに考えておられますか。

増原副大臣:基本的には、有識者会議と同じような認識を持っております。本法案につきましては第五条の方で、統一的な保存期間基準を定めた政令を策定することにいたしております。また、その有識者会議の最終報告におきましても、「業務遂行上の必要性に対応するとともに、一連の業務プロセスに係る文書の一覧性を高める観点から保存期間が設定されるようにする。」という方向性も示されております。
 これを踏まえて、保存期間基準につきましては、業務遂行上の必要性、一連の業務プロセスに係る文書の一覧性の確保等の観点から、公文書管理委員会の御意見をお伺いしながら、今後検討してまいります。

西村:そこは非常に大きな問題だと思うんですね。一つのファイルの中に、いわゆる決裁文書と意思形成過程に係る文書が一緒に保存されている。恐らくそれは、決裁文書と意思形成過程の文書ですから、保存期間が異なるということになると、一冊のファイルの中に異なる保存期間のものが含まれるということになるわけですね。ところが、法案の第五条の二項では、括弧書きで、「(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)」と書かれているんです。これは矛盾しますよね。そういたしますと、先ほど私が読み上げた有識者会議の指摘の点というのは解消されないのではないかと思うんです。有識者会議の最終報告に忠実にこの法案をつくるのであるとすれば、この括弧書きの中は削除しなければならないというふうに考えるんですが、いかがですか。

増原副大臣 西村委員御指摘の点につきまして、私も、法案を読んだときにあれっと思ったんですよ。正直申し上げまして、思いました。それで、これはこういうことなんです。例えば、審議会の答申が出ました、こういうものは十年です、閣議決定なり閣議了解、そういうものは大体三十年と保存期間が定められておりますと。これをいかに一覧性のあるものにするかということが、実はベースにそういうものがあってこの五条二項があるというふうにお考えいただきたいと思います。審議会の答申を受けて政省令をつくります、閣議了解をしますというようなケースであれば、十年と三十年であれば、両者を一緒にして三十年にする、こういうことなんです。

西村:保存期間の異なるものが一つのファイルの中にあって、十年のものと三十年のものがあったら、そのファイルの保存期間は三十年ということになるんですか。(増原副大臣「そうです」と呼ぶ)その間は利用できないということですか。ほかの文書については利用できないということですか。(増原副大臣「それはどういう意味ですか」と呼ぶ)閲覧できないのかという意味ですが。

増原副大臣:破棄しないということでありまして、従来は十年で破棄していたものを、これは意思決定の全体の一覧性を確保するために三十年にしておりますということ。

行政文書ファイルの管理簿
西村:行政文書ファイルの管理簿についてでありますけれども、情報公開で情報公開請求をする場合に、ファイル管理簿の上での文書の名前のつけ方が極めてずさんであるために、これが役に立たないという指摘を受けておると思います。私たちでも、ヒアリングをする中でそういうお話を承りました。ファイルの名前と管理簿上の名前を一致させておかなければ全く役に立たないというふうに考えておりますけれども、今後そういった問題が発生しないために、具体的に内閣府ではどういう対応を考えておられるのか、具体的な対応策をお答えください。

増原副大臣 御指摘のようないろいろな問題につきまして我々も重々承知をいたしております。新たな公文書管理法のもとでは、国民へのわかりやすさを意識したファイル名の設定など、行政文書ファイル管理簿の記載方法につきまして、先ほど来申し上げておりますが、委員会の審議、調査も経ましてマニュアル等で定めてまいりたい。

西村:具体的な問題がわかっておられるのに、また有識者会議の最終報告などを受けて検討ということでは、とても、政府の国民に対する説明責任を果たそうという姿勢が欠けているのではないか。

移管と廃棄
西村:最終報告の中で、移管と廃棄については、「移管・廃棄基準の具体化・明確化を図り、移管基準に適合するものについては、原則移管とするとともに、公文書管理担当機関の判断を優先する仕組みを確立する。」というふうに記載をされています。この点について、政府の認識はいかがでしょうか。

増原副大臣:歴史資料として重要な公文書はすべて移管する。また、確実な移管、廃棄の措置を担保するために、あらかじめ移管または廃棄の措置の設定を行います。行政文書ファイル管理簿に記載され、定期的に内閣総理大臣への報告が行われるとともに、公表も行います。問題があると考えられる場合には、内閣総理大臣が実地調査や勧告を行い、改善を行っていく

西村:つまり政府案では、行政機関の長が政令で定めるところによって移管をして、それ以外のものは廃棄する、こういうことになっているわけですね。有識者会議が求めていたのは、公文書管理担当機関の判断を優先する仕組みをつくるということであったはずです。
私たち民主党の考えでは、当面、公文書管理については政治的なリーダーシップが必要だと考えますので、内閣総理大臣に移管、廃棄の最終責任を負ってもらうというふうに考えているんですけれども、政府案ではそのようなことは検討されなかったんでしょうか。なぜ公文書管理担当機関がチェックする仕組みにしなかったんでしょうか。

増原副大臣:委員御指摘の公文書管理機関というのは、内閣府も入れば公文書館も入ればあるいは公文書管理委員会も入ります。ある意味では、関係省庁も全部入ります。政令できちっとルールを定めれば、これは各省庁ということではなくて、政府全体という形になってまいります。毎年それをチェックしていく規定をこのたび入れております、先ほど申し上げましたように。内閣総理大臣への定期的な報告、さらにそれを受けて、もちろんそれも公表いたしますが、さらに実地調査や勧告、これを行うことにいたしておりますので、実質的にそれは担保できる。

西村:今のは大変苦しい答弁だったと思いますね。私たちもいろいろ考えました。公文書管理庁という独立した庁を置くか、それとも内閣府の中に局とか置くか、外局として置くか、担当大臣を置くか置かないかということまで含めていろいろ考えてきたんですけれども、これは政府全体で各行政機関の長で任せてきたから、今のように文書があるとかないとか、それから勝手に捨てられてしまったとか、保存期間前なのに捨てられた文書もありましたね、たくさん。
 そういったことからいたしますと、今の答弁というのは非常に理解に苦しむんですけれども、ですから、ここは私たちの主張としては、やはり内閣府の中にきちんと庁なりを置いて、最終的に総理が最終責任をとって移管、廃棄を行うという仕組みにすべきだ、この主張だけはさせていただきたいと思います。

利用、30年原則
西村:公文書というのは、国民共有の財産であるのと同時に、これからデジタルアーカイブということにもなってくるでしょうから、海外からのアクセスを容易にするということは必要だと思います。
 国際的には、既に、利用制限は原則として三十年を超えないといういわゆるマドリッド原則があるんですけれども、これをきちんと記載して、この移管後の利用促進というものを図るべきではないか。法定化すべきであると私は考えておりますが、この点についての意見を伺います。

増原副大臣 利用制限に関する不服申し立て、取り消し訴訟といったような手当ても既に用意してございます。海外の場合になりますと、どうしてもデジタルアーカイブズが非常に重要になってくる。それから、国際ルールの三十年ということでありますが、先生御指摘の部分は、ICAのマドリッド大会、一九六八年の部分だと思いますが、文書閲覧開始まで三十年を超えないものとすべきであるとの勧告が出されておることは私どもも承知しておりますが、三十年たったら一律に全面公開するということは、それは必ずしも、実務的なケース、いろいろな各国のケースを見ても、そのようになっているわけではございません。本法においては時の経過を踏まえる規定を置いておりまして

西村:戦後の外交史を知る上で、私たち日本人が、日本で公開される日本の行政文書によって知るのではなく、アメリカで公開されるアメリカの行政文書によって知ることができるのはなぜかといえば、やはりここが違いなんだと思うんです。つまり、三十年原則というのをきちんと踏まえて、アメリカは、年月がたったからということで公開をする。しかし、日本は相も変わらず、やれいろいろな障害があるとかなんとか理由をつけて、なかなかそういった分野での情報というのは公開されていかないんですね。ぜひ、この三十年原則を踏まえて、より適切な公文書の管理と情報公開はやるべきだというふうに考えます。今の副大臣の答弁では、私は、正直言うと納得はしていない

 次に、同じく移管後の利用について、第十六条の関係で伺いたいと思います。

利用と恐れ
法案の第十六条では、「特定歴史公文書等」、つまり、行政文書の中から歴史公文書が選択をされて、その中から国立公文書館に移管されたものが特定歴史公文書等ということになるわけですけれども、その特定歴史公文書等の利用権について記載をされている。私は、「これを利用させなければならない。」という十六条の書きぶりは非常に評価をいたしております。
 ただ、「おそれがあると当該特定歴史公文書等を移管した行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」はそこから除くことができるというふうに書かれているわけですね。行政機関の長がおそれがあるかどうかということを判断するという、その判断の主体は削除すべきではないか

増原副大臣:要は、その「相当の理由」に全部尽きるんだろうと私は思っておりますが、外交文書あるいはいろいろなジャンルの文書によっていろいろ違いは出てくるんだろうと思いますけれども、できるだけそういうものはやはり制約すべきではないかと私は思っております。

西村:おそれがあるものはあるでしょう。それは私も認めます。例えば警察あるいは外務省の情報、防衛省の情報、出せないものもあると思います。しかし、それを判断する主体がなぜその当該の行政機関の長なのか。一方で利用原則があるのにその利用を制限するという、何といいますか、冷房と暖房を一緒につけるような、そういうような極めておかしな話になっているわけですから、ここのところは改めるべきだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

審議その1関係(行政の恣意性排除と政治家の役割)

この中のこの副大臣答弁について↓↓↓

=======================================
増原副大臣:私も、大蔵省にいましたときに財政演説の草稿をつくった立場でありますが、案件それぞれ、最終的にはそこでは財政演説が公文書になるわけでありますけれども、その前に、まず、私は企画官であったんですが、係長クラスから、パーツをそれぞれ割り振って、出させます。それを私が全部まとめてたたき台をつくる。それが課長のところに行って赤字がたくさん入る。局長のところに行って入る。さらには、あのときは渡辺美智雄大蔵大臣でしたが、大変な赤字が入りました。だから、どれをもって意思決定の過程で、どこまでを公文書とするかというのは、かなり難しい問題であると思っております。
=======================================

まさのメモ:
ここでいうすべてが重要な公文書ではないか。
どこまでがどのような判断材料(公文書)をもとに、企画官が行政判断をして、どのような草案をまとめ、課長が何(公文書or恣意的判断)をもとに赤字を入れ、局長が何(公文書or恣意的判断)をもとに赤字を入れ、そして最後に大臣が何(官僚がもたらす情報or政治判断)をもとに財政演説をおこなったのか。そのすべてが保存され、開示の対象になってこそ、判断の適切さが公正明大に担保され、国民が警戒し、忌み嫌う行政官による行政のための恣意的な判断を抑制できる。

これこそが、行政文書管理の意義ではないか。恣意性の高い行政に都合のいい判断を排除して民主主義の土台を作ること。白黒つかない政治判断は、最終的に政治家が行い、その結果責任を政治家が行う。それが「行政」とそのトップである大臣の役割分担だ。昨年9月、日本計画行政学会のワークショップでもこのことは議論されている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法案審議(その1)

衆議院内閣委員会平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm
の審議から、テーマごとに小見出しをつけながら【抜粋】してみる。
抜粋だからそのつもりで。
さらなるツメが必要ではないかと思う部分、あとで考えたい部分に下線も引いておく。

●共有財産
西村智奈美議員(以下敬称略):この最終報告の最初には「公文書の意義」ということで記載があります。公文書というのは「未来に生きる国民に対する説明責任を果たすために必要不可欠な国民の貴重な共有財産である。」というふうに書かれているとともに、「公文書は「知恵の宝庫」であり、国民の知的資源でもある。」というふうに書かれています。政府として、この最終報告に書かれている記載と同じような認識を持っておられるかどうか、伺います。

小渕大臣:国の活動や歴史的な事実の正確な記録である公文書は、民主主義の根幹を支える基本的なインフラであります。過去、歴史から教訓を学ぶとともに、未来に生きる国民に対する説明責任を果たすために必要不可欠な国民の貴重な共有財産であると認識をしております。

知る権利
西村:やはり法案の中では、いわゆる国民の知る権利についての保障がきちんとされるべきだった。なぜ盛り込まれなかったのでしょうか。

小渕大臣:いわゆる知る権利につきましては、その内容や憲法上の位置づけについて学術上さまざまな理解の仕方があり、また、請求権的な権利としての知る権利は最高裁判所の判例において認知されるに至っていない。
 そのため、本法案におきましては、あえてそのような文言を使わず、情報公開法と同様に、「国民主権の理念にのっとり、」や「国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」という文言を用いているところであります。

西村:知る権利というのは明記できるし、明記すべきだというふうに考えております。そこは主張として申し上げます。

行政文書の定義
西村:(有識者会議の)最終報告の中では、「経緯も含めた意思形成過程や事務・事業の実績を合理的に跡付けることができる」ように文書を作成、保存しなさい、こういう方向性が書かれておりますけれども、この点について、公文書管理法案の中ではこの意思形成過程についてどのように示されているのでしょうか。

増原副大臣:我々としましては、それを踏まえて第四条に、意思決定について文書を作成することを法律上義務づけるということにいたしております。
 その具体的な範囲につきましては、有識者で構成する、新たに設けます公文書管理委員会の御意見を伺いながら政令で定めることを予定しておりまして、今後、本国会での御審議あるいは最終報告の提言に沿って検討を進めてまいりたい、そのように考えております。

西村:政令で定める、そして今後の議論にゆだねたいというのは、余りにも見えない法案であると思うんですね。本来であれば、行政文書の定義、それは事細かく書くことは難しいのかもしれませんけれども、最低限の基準なりを示して、法定化した上で法案審議に付することは必要なのではないかというふうに考えております。ですから、政令に任せるという空手形ではとても、なかなか納得できない。

行政文書の作成、取得義務
西村:行政文書の作成、作成と、言葉を聞いていますと、とかく行政機関の中だけでつくられる文書についてのみが対象範囲として頭の中に浮かぶんですけれども、本来、行政文書というのはもっと広い定義なのではないか。意思形成過程にかかわる委託調査によるデータは極めて重要なものだと思いますけれども、作成だけではなくていわゆる取得、この取得義務に関してはどういうふうにお考えでしょうか。

増原副大臣:御指摘の点につきましては、委託元である各省庁が、委託事業の成果物の活用や適正な事業執行が行われたかどうかを確認するためなどの必要性を的確に判断して文書等を取得することが適当であると考えております。
 このため、政令等の文書管理ルール上の委託事業に係るもとデータの取り扱いにつきましては、これはそれぞれ、昨年の予算委員会でもありましたように、道路関係でBバイCについての委託の分がありました。かなり膨大なデータとなっておりますが、あるいは、そうでない、簡易なデータもあるんだろうと思います。その取り扱いにつきましては、有識者で構成する公文書管理委員会の意見も伺いながら、そのあり方について今後検討していく必要があると思います。

政策形成過程
増原副大:私も、大蔵省にいましたときに財政演説の草稿をつくった立場でありますが、案件それぞれ、最終的にはそこでは財政演説が公文書になるわけでありますけれども、その前に、まず、私は企画官であったんですが、係長クラスから、パーツをそれぞれ割り振って、出させます。それを私が全部まとめてたたき台をつくる。それが課長のところに行って赤字がたくさん入る。局長のところに行って入る。さらには、あのときは渡辺美智雄大蔵大臣でしたが、大変な赤字が入りました。だから、どれをもって意思決定の過程で、どこまでを公文書とするかというのは、かなり難しい問題であると思っております。

西村:今すぐここで、取得データについても、これは取得義務がある、行政文書の範囲に含めるというふうに副大臣がおっしゃってくだされば、それは入るんですよ。どうですか。答えてください。

増原副大臣:委託事業につきましては、委託をすれば、そのデータは全部委託をした者の、要は行政庁のものになると思います。そのうちどこまでを公文書という形にしていくかという議論ではないでしょうか。そこのところはケース・バイ・ケースによっていろいろあるのではないかということから、公文書管理委員会の意見も伺って決めていきたい、こういうことであります。

西村:有識者会議の意見というのはこの最終報告に尽きているんですよ。その有識者会議の最終報告の中で「経緯も含めた意思形成過程や事務・事業の実績を合理的に跡付けることができる文書が作成・保存されるようにする。」というふうに書いてあるんですよ。だから、そうすべきなんです。ですから、委託データ、調査結果のもとデータなども、これは取得義務を課すべきだというふうに強く主張をしたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

修正協議が終わってまだできること、残されたことのチェック

公文書管理法案の修正については、瀬畑源さんのブログ
http://h-sebata.blog.so-net.ne.jp/2009-06-05 
で見ていただくことにして・・・、

★ちなみに、衆議院では合意した修正案について今週審議の上、裁決だという。

そこで、こちらでは、国権の最高機関である国会で決めるべきことが、
(第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である)
「政令」や「文書管理規則」が白紙委任されたままになっていないか、
国会議事録をチェックしていく(体力が尽きない限り)。

今のところ、審議全文はこちら。衆議院内閣委員会
第12号 平成21年5月27日(水曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090527012.htm
第13号 平成21年5月29日(金曜日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000217120090529013.htm 

映像でみたい人は、こちらにある要領で。
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-3f88.html
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-1d54.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 4日 (木)

公文書管理法 気になる修正協議の行方

週刊ダイアモンドで取材をさせてもらった逢坂誠二衆議院議員の
今朝のメルマガ(6月4日)http://www5a.biglobe.ne.jp/~niseko/
修正協議大詰めのニュース。

>本日10時から実務者協議、
>15時から内閣委員会理事懇談会が
>行われる予定です。

とある。後で取材しなければ。
この修正協議の過程もガラス張りでやってくれると
一番分かりやすいのだが。
というか、国会の場で「審議」の形でけんけん諤々やってみせてくれると
誰が本気で何を実現しようとしているか見えるし、
国民も盛り上がるのだが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 3日 (水)

公文書管理法案参考人質疑

三重にいったり、林業分野のシゴトに没頭したり、その他諸々で、
アップロードが遅くなりましたが、参考人質疑が行われました。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
→右側のカレンダーから2009年5月29日(金)をクリック
→2009年5月29日(金)内閣委員会をクリック

開会日 : 2009年5月29日 (金)
会議名 : 内閣委員会
収録時間 : 2時間 49分

参考人

尾崎護(参考人 公文書管理の在り方等に関する有識者会議座長)
三宅弘(参考人 弁護士・獨協大学法科大学院特任教授)
福井秀夫(参考人 政策研究大学院大学教授 日本計画行政学会常務理事兼行政手続研究専門部会長)
菊池光興(参考人 独立行政法人国立公文書館長)

質問者

加藤勝信(自由民主党)
佐々木隆博(民主党・無所属クラブ)
田端正広(公明党)
吉井英勝(日本共産党)
重野安正(社会民主党・市民連合)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月27日 (水)

公文書管理法審議開始

22日に公文書管理法案のお経読みがあったことはこちらで伝えましたが、

今日からその審議が始まりました。

●以下のURLから衆議院のビデオライブラリで審議模様を見ることができます。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
→左側のカレンダーの5月27日の日付をクリック

→内閣委員会をクリック
                                             開始時間  所要時間 
 西村智奈美(民主党・無所属クラブ)     9時 01分   1時間 02分 
 逢坂誠二(民主党・無所属クラブ)       10時 03分   59分 
 吉井英勝(日本共産党)                    11時 02分   31分 
 重野安正(社会民主党・市民連合)      11時 33分   31分 
 渡辺具能(内閣委員長)                    13時 03分   01分 
 上川陽子(自由民主党)                    13時 03分   1時間 01分 

答弁者等
大臣等(建制順)
 小渕優子(少子化対策担当大臣 男女共同参画担当大臣 )
 増原義剛(内閣府副大臣)
 倉田雅年(総務副大臣)
 並木正芳(内閣府大臣政務官)
 西銘恒三郎(国土交通大臣政務官)

次回は5月29日9時半から参考人質疑、と委員長からアナウンスされました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月23日 (土)

公文書管理法案お経読み

5月22日に、衆議院内閣委員会で公文書管理法案の趣旨説明が行われた。
こういうのを永田町用語で「お経読み」という。
大臣がまさに提案趣旨と法案の概要を読むだけ。
通常の概要よりも短いような気がするのは気のせいか。

国会のビデオライブラリで見たい方は
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
→左側の「ビデオライブラリ」の5月22日をクリック
→2009年5月22日内閣委員会をクリックすると
→1分間の趣旨説明を見ることができます

前首相の肝煎りで諸外国に半世紀ちかく遅れて出てきたにもかかわらず
本会議の趣旨説明すらないとは・・・軽いもんだ。

そういえば、この法案はすでに3月3日に出ていたので、
この間、少しばかり内閣委員会や外務委員会で内容のやり取りがあった。

当事者でもある国立公文書館が整理しているのでリンクを張らせていただく。
公文書館関連の国会質疑等(4月2日現在)
http://www.archives.go.jp/news/090403_01.html

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年5月20日 (水)

第2回公文書管理フォーラム メモ 

5月14日に議員会館で開催された第2回公文書管理フォーラム
について報告しておかねば。(次から次へと・・・・)

●公文書管理法とは、作成・使用中の「現用文書」から国立公文書館に「歴史文書」として永久保管されるまでの管理について定める法律。情報公開法と車の両輪であり、「公文書管理法によって、しっかり保存・管理されてこそ、はじめて情報公開法を使って国民がその情報にアクセスし利用できる」(情報公開クリアリングハウスの三木由希子さん)もの。

●重要でありながら、地味な法案であり、ハデな問題が山積みで入り乱れる中、与野党議員が勢揃いして、この法案の重要性を強調し、確認してくれたことが一つの成果。
 公明党 山口那津男参議院議員
 民主党 西村智奈美衆議院議員
 共産党 吉井英勝衆議院議員
 社民党 重野安正衆議院議員
 (自民党は出席を依頼した福田康夫前首相(法案の言い出しっぺ)
 本人が欠で秘書さんは前回に続き出席。
 国民新党は調整つかず
 新党日本の田中康夫参議院議員は出席予定が不可に
 後で「申し訳ない」と本人から詫び電話が入っていた。
 その他、
 川田龍平議員、福田昭夫議員、福島瑞穂議員、逢坂誠二議員が出席)

●現在、国会に提出されている公文書管理法案(政府案)は、行政主導で作った限界と欠陥を含んでいる。そのことは、自民党を含め、きちんとこの法案を精査した与野党議員には認識されている。参加した人々に対して、行政に対峙する「立法府」として政府案のどこが問題で、審議によってどのような修正を目指すのか、より具体的な論点が各政党から出されることを期待していたが、審議日程は近いと聞いているが、具体的かつ熱を帯びた論点が提示されなかった。

一方で、主催者が考えるあるべき公文書管理法案の形(主催者としての最大公約数の考え方)については、情報公開クリアリングハウスの三木由希子さんから提起。
概要はこちらにあるので見ていただくとして。
公文書市民ネット・10の提案(意見)
http://kobunsyo.exblog.jp/10929397/

●ズサンな行政情報管理に苦労している側からの問題提起も行われた。
・飯田正剛(沖縄返還密約情報公開訴訟 弁護団事務長/弁護士)
・鈴木利廣さん(医療問題弁護団代表/弁護士)
・上岡直見さん(環境自治体会議 環境政策研究所)
富田健司さん(栃木県芳賀町総合情報館学芸員)

というのが、おおよその流れでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月30日 (木)

公文書市民ネット・10の提案(意見)

5月14日は是非国会へ
http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-037c.html

●公文書市民ネットとしてまとめた提案は以下の通り。

公文書市民ネット・10の提案(意見)

1.公文書は「公共財」、市民には「知る権利」が(第1条関係)
 政府案では、“現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすること”を目的としている。そのことは評価できるが、公文書は“公共財”であり、市民にはそれを“知る権利”があることが示されていない。
 目的に、公文書は“公共財(国民の共有財産)”であり、市民にはそれを“知る権利”がある、との記述を明記することを求める。

2.公文書等を広義に捉える(第2条関係など)
 政府案では、①行政文書、②法人文書、③特定歴史公文書等を「公文書等」とし、「行政文書」とは“行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。”とされている。この定義は、行政機関情報公開法と同様の定めになっている。
 「公文書等」を広義に捉え、立法、司法、行政における政策立案・形成、業務等に関する資料、文書、記録等を位置づけることを求める。また、独立行政法人や特殊法人、認可法人など公的機関が民営化された場合においては、民営化される以前の政策立案・形成、業務等に関する資料、文書、記録等を位置づけることを求める。さらに、個人的なメモ(2人以上で回覧・閲覧したもの等)なども含めることも求める。

3.公文書管理機関を3条委員会に(第5章関係など)
 政府案では、内閣府に「公文書管理委員会」を置き政令事項などについて諮問しなければならない、としている。これは、内閣府設置法第37条の3項にもとづく機関(審議会と同等)であり、役割や権限について不十分であると思われる。
 公文書管理機関は、今後また将来の公文書管理のしくみを構築するうえで重要な組織であり、規則制定権等一定の権限のある“国家行政組織法第3条に基づく組織”とし、別の法律で定めることを求める。なお、その業務の遂行にあたっては、国立公文書館と連携協力(牽制も含む)のもとに進めることはいうまでもない。

4.作成義務は広範に(第4条関係など)
 政府案では、当該行政機関の“意思の決定”、“事務・事業の実績”について、文書を作成しなければならないものとしている。
 「作成義務」の範囲を、意思の決定、事務・事業の実績はもとより、事務・事業等における“意思の形成(政策形成)”などに関する資料、文書、記録等も含むよう求める。

5.取得義務の明記を
 政府案では、4のとおり作成の義務規定はあるが、「取得」についてはなんら示されていない。
 各機関の委託等による事業報告書等や、業務遂行において必要なものについては、その元となるデータ資料等についても取得の義務を法律で定めることを求める。

6.「政令事項」、「行政文書管理規則」へのチェック機能を(第4条から第10条関係など)
 政府案では、「第2章行政文書の管理」で、作成、保存、保存期間・延長、移管・廃棄などに関する内容(統一的なルールなど)については、公文書管理委員会に諮問し政令で定めることとしている。また、「行政文書管理規則」については、内閣総理大臣との協議、同意のもとに各行政機関の長が定める、こととしている。
 円滑な公文書の管理には統一的なルールが必要であり、その基本(基準)となる事項を法律で定め、それに基づき公文書管理機関の長が政令(規則)等で詳細な事項を定めるといった規定にすることを求める。また、各行政機関における「行政文書管理規則」については、(公文書管理機関の長の承認など)その作成過程で当該行政機関以外のチェック機能を定めることとするよう求める。

7.移管・廃棄権限を行政機関以外に(第5条、第8条関係など)
 政府案では、行政機関の長が、保存期間が満了した行政文書ファイル等を移管又は廃棄しなければならない、としている。
 移管・廃棄の決定に際しては、規則等で統一的なルールを定めることともに、公文書管理機関の長の承認のもとに行うなど、行政機関の長のみの権限ではないこととするよう求める。

8.保存期間の判断を行政機関以外に(第5条関係など)
 政府案では、行政機関の長が保存期間とその延長などを定めることとしている。
 保存期間や延長の決定については、規則等で統一的なルールを定めることともに、公文書管理機関の長の承認のもとに行うなど、行政機関の長のみの権限ではないこととするよう求める。

9.中間書庫の設置、機能を明確に(第6条関係など)
 政府案では、行政機関の長が適切な保存及び利用を確保するために“必要な場所”において、保存しなければならない、としており、「中間書庫」に関する明確な記述はなく、機能が不明確である。
 「中間書庫」に関する規定を明確にし、その設置、機能等を法文上明記することを求める。

10.国立公文書館を「特別の法人」に(第15条関係など)
 政府案では、特定歴史公文書等については「国立公文書館等」が管理、保存、利用等を行うこととしており、その役割は重要であるが、独立行政法人ではその任務を果たすことは困難ではないかと思われる。
 国立公文書館は、現在の独立行政法人ではなく、“特別の法律により設立された法人(特別の法人)”とし、その役割や権限などを明確にするよう求める。また、特定歴史公文書の利用制限や利用料なども明確にし、その策定段階での情報公開、市民参加等を明記することを求める。

11.その他の重要事項として(検討事項など)
○「法律の見直し」に関する規定を求める。
○立法、司法などにおける文書管理のしくみを検討し、立法上の措置を講じることを求める。
○「公文書館法 附則の2」を削除し、専門の職員の人材養成等に関する規定を求める。
○必要な罰則に関する規定を求める。

PDF版
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/shiminnet.pdf

●その他の捕捉意見などはこちら
http://kobunsyo.exblog.jp/10929397/
●上記の一つだけれど、私自身も上記に沿いながらこのようにまとめた
「公文書管理・政府法案への意見」(まさのあつこ)
http://www008.upp.so-net.ne.jp/h-sebata/koubunsyo/masano.pdf

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公文書管理法についてもっと知りたい人のために

以下は、公文書管理法についてもっと知りたい人のためのブログ
●情報公開法クリアリングハウス
 http://www.clearing-house.org/
●源清流清 ―瀬畑源ブログ―
 http://h-sebata.blog.so-net.ne.jp/
●戦争被害調査会法を実現する市民会議の調査会法情報
 http://blogs.yahoo.co.jp/siminkjp
●公文書管理法案の関係資料
 http://kobunsyo.exblog.jp/10805558/
●市民のための公文書管理法制定を求めるネットワーク 
 http://kobunsyo.exblog.jp/
●公文書管理のあり方(日本計画行政学会 行政手続研究専門部会)
 http://japa.agbi.tsukuba.ac.jp/pdf/ikensyo_081016.pdf

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第2回 公文書管理フォーラム

国会も終盤。
公文書管理法案をテーマに、第2回フォーラムを開催します。
情報公開法は、この法律とセットで初めて機能します。
ぜひ、ご注目を。
========================
第2回 公文書管理フォーラム
テーマ(仮):市民のための公文書管理 -国会審議に向けて
日時:5月14日(木)12:30~14:00
会場:衆議院第2議員会館第1会議室
プログラム:①政府案の課題整理
      ②各党(・懇談会)等の主張
      ③参加者からの意見
主催:市民のための公文書管理法の制定を求めるネットワーク(公文書市民ネット)
========================
詳しくはこちら → http://kobunsyo.exblog.jp/10929439/ 

第一回のフォーラムについては、
日経新聞のコラムで紹介された他、こちらにも紹介があり。
↓↓
公文書市民ネット発足、法案を検証
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3110

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月21日 (火)

オーラルヒストリーと公文書

友人の山本まりさんが「公文書」とは全然関係のない
メーリングリストでこんな考えを書き込んでくれた。
 彼女が読んだ2つの書き物
  オーラルヒストリーの本と
私が週刊ダイヤモンドで先日書かせてもらった
 「官僚による隠蔽、改ざんが横行!知られざる日本の恥部
 「公文書管理」が危ない」
を読んでの感想です。
とても興味深いので転載許可をもらった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昨日、「オーラルヒストリー」中公新書 御厨貴著
を読み終えて、今日、週刊ダイヤモンドのまさのさん
の書かれた記事を読みました。

御厨氏はオーラルヒストリーを「公人の、専門家による
万民のための口述記録」と定義していて、もっぱら、
官僚や政治家を対象にしたオーラルヒストリーの実施
と蓄積を組織的に行っているということです。

御厨氏の経験談として、オーラルヒストリーを依頼して
もガンとして受け付けない官僚の話が出てきます。 
「自分は言わず語らずで死ぬつもりだ。自分が持っ
ていた在職中の資料はほとんど焼却してしまった。今なお
持っているものについても、自分が死んだら即焼却して
もらう手筈になっている」 と徹底して自分の足跡を
消すことにこだわりをもっている官僚もいる、という
ことです。 そういう官僚にとっては、公文書の管理
を第三者に委ねるなどということは耐えがたいことなの
だろうと思います。 こういう人が今のところ日本の
官僚では多数派なのだろうな、と思いました。

結局政権交代を経験してないということの弊害という
ことになるのでしょうか? 欧米のような訴訟社会では
文書は裁判の行方を左右する重要な材料だから、
中立的な立場の機関に文書を管理してもらうという
ことにエネルギーを注ぐのは公正さを確保するために
必要不可欠なんだ、と思いますが、日本の
すべて自分が抱え込んで黙って死ぬことで、誰にも
迷惑をかけないようにすることが組織人としての美学。
みたいな文化の元では、文書管理を公正に・・・と言って
もなかなか難しい所があるのだと思いました。

こういうエリート意識に裏打ちされた美学?に凝り固まって
いる人に、「説明責任」とか「健全な民主主義のための
情報公開」とか言ってもなかなか素直にコトは運ばない
でしょうね。 

オーラルヒストリーはこれまで、公文書として残されて
こなかった、様々な政策の決定過程などを関係者に対す
る組織的なインタビューという形で残して行こうとして
いるわけで、行政文書の管理の問題とは密接に関連して 
いる分野と言えそうです。
オーラルヒストリーの場合は、内容の公開の可否や
時間的な制約を語り手自身が決めるわけで、
全てを全面的に最初から公開。というわけにいかない
ことが多いようですが、タイムカプセルに入れてしまう
にしろ、後世に残すことができること、
一人が語ることを拒んでも、他の関係者が応じればある程度コトの経緯
を再構成することが可能な場合もある。というのが救いと言えるのでは
ないかと思いました。

それにしても、「官僚の恣意」をどうコントロールする
のかって、難しい問題ですね。
                     やまもと
===

以上転載でした。まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 9日 (木)

行政文書の保存期間その3 「行政文書」の定義

行政文書の保存期間その2の続きです。

重要な問題として「中間書庫」のことが瀬畑さんのブログに載っていることをお知らせしました。これはとても重要なのですが、実は「中間書庫」があっても入っていくべきものが「存在しない」という「落とし穴」が、今、政府が提出している公文書管理法案には埋め込まれています。

保存期間を理由に「不存在」になってしまうことは一度書きました。
今度はそれと同様に問題になっている「行政文書」の定義が狭すぎて「不存在」になることにご注目いただきたいと思っています。

行政文書とは何か?

★政府提出の「公文書管理法案」による「行政文書の定義(2条)」は
1.行政機関の職員が作成、取得、
2.行政機関の職員が組織的に用いる、
3.行政機関が保有
の3要件が重なるものだけ。
これは現在の情報公開法による定義を踏襲したもの。

たとえば、以前、こちらでも報告をしましたが、この定義では
●審議会の議事録の発言者名の情報は
・あったとしても「個人メモ」です
●その審議会を録音したテープは
・「業務を委託した民間会社の所有物」ですと
開示請求をしても出てきませんでした。裁判をやっても負けました。

公文書管理でございます、と法律ができても、
この点では、今のままではまったく「一歩前進」にはなりません。

★もう一つ。今回の法律案には「作成義務」(4条)が書き込まれました。
しかし、その対象は以下のように「結果」だけ。
1.行政機関の意思決定
2.行政機関の事務及び事業の実績
3.軽微なものである場合を除き、政令で定める
とあって、何が「軽微」なのかを判断するのは官僚様。政令を作るのも官僚様。

どのようなプロセスでその「決定」や「実績」が生み出されたかは
そもそも作成しなくてもいいことになってしまう。
もちろん、作成しないわけはないのですが、この法律案が通れば、
作成していたとしても、作成する義務はありませんから、存在しません
という理屈が法律上、通ってしまう。

裁判官が常識で考えて、おかしな話だな、と思っても、度胸のない裁判官は
法律に基づけば、やっぱり存在しませんね、という判断しかできない。

とにかくこのままでは、国民にとってすごく迷惑なものになる。
第一野党である民主党はもちろん、野党全党こぞって、そして、
このことに実は気づいていなかった与党議員もこぞって一緒に
ちゃんとしたものを作って欲しい。

どうしようもなく不十分な政府案はこちら↓
http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2anbun.pdf

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 6日 (月)

行政文書の保存期間その2

歴史研究者の瀬畑源さんが、
土曜日に書いた「2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間」
に面白い!とリンクを張ってくれた。

あれこれ書いているうちに下の方へ押し流されて言ってしまったのでありがたい。
ぜひ、どなたさまも、そこに入れたエクセルデータ「2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間」をダウンロードして一読してみてください。

ついでに言うと、瀬畑さんのブログには、重要な問題として「中間書庫」のことが書かれている。これは重要なことで、かつこの中では書けなかったので、渡りに船で、
ぜひ、近日中にでもちょっとした補足を書きたいと思っています。

実は、中間書庫(政府提出法案ではすっかりしぼんでしまった考え方)がたとえできても、いまのままの「行政文書」の定義では、道路事業の根拠となっているさまざまなデータは「行政文書」と見なされない可能性が残る。

少なくともこれまではそうでした、ということ、そして「行政文書」の定義はこれまでとまったく同じですということを、時間ができ次第、こちらにまた書きたいと思っています。眠る時間を確保しながら。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 4日 (土)

2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間

引き続き、公文書管理法案の問題です。行政による行政文書の抱え込みは、「個人」対「行政」、「国会」対「行政」、「司法」対「行政」、「公文書館」対「行政」で起きていますが、

2008年国会審議で明らかになった行政文書の保存期間によって公文書が消えてしまう問題をピックアップしてみました。これをダウンロードして見てください。自民党から民主、共産、社民、国民新党、全政党がこの問題に気づいています。公明党以外・・・。
↓↓↓

「2008_public_records_issues_in_the_japanese_diet.xls」をダウンロード

↑↑↑ 
ありとあらゆる文書が、「え?そんなものがそんな期間でなくなるの?」「え?そんなものが保存されていないの?」という状況にあることが分かります。

それにも関わらず、今度の公文書管理法案(http://www.cao.go.jp/houan/171/171-2anbun.pdf)で、また、
何を作成・保存するか(法案第4条)
どれくらい保存するか(法案第11条2)は
最終的に行政任せです。

内閣総理大臣に協議とあっても結局のところ、それは内閣府に設ける一部署を意味する。同じ穴のムジナさんです。

省庁横断の統一管理規則(現在は情報公開法16条に基づく施行令)や
各省ごとの文書管理規則(現在は単なる各省の規則、今回も規則)任せ、
また、単なる「国会答弁」では、監視できない。

以下は、上記をダウンロードする時間がない方のための「政府答弁」の一部をご覧頂くための抜粋です。(資料にはつけなかった解説も少しだけ付けました)

【「2008年国会審議における行政文書の保存期間問題」より
政府答弁抜粋(肩書きは当時)】
●福田康夫首相
国土交通省の契約書は、国土交通省の文書管理規則で、竣工後五年間保存するものとなっているようであります。これは、その五年間というのが適切かどうかということについて、昨年の十二月の関係省庁連絡会議で検討して、国土交通省においては、必要に応じて保存期間を延長するとかいったような検討をするということになっております。それと別に、私、施政方針演説でも申し上げたんですけれども、行政文書の管理のあり方、これは基本から見直して、そして法制化をすることを検討しようということで、今その検討会議が開催されて、どのような文書をどれだけの期間保存するかといったようなことについてきちんとした法律にしようということで、作業を進めておるところでございます。

★まさの解説:福田さんはかなり本気でこの法案を考えていたはずだが・・・。

●村木裕隆総務省行政管理局長 
行政文書の管理につきましては、先生御指摘のとおり、情報公開法、それから同法施行令、それに行政文書の管理方策に関するガイドライン、こういうものを設けておりまして、これで文書の作成、保存、移管、廃棄の基準等を定めているということでございます。各省庁におきましては、これらの基準を受けまして、それぞれの責任で文書管理規則を制定し、行政文書の管理を実施している、こういう現状にございます。
 
★まさの解説:政府は情報公開法施行令16条(政府横断の統一ルール)の問題を十分に認識しているのに、またも「政府横断の統一ルール」(法案第4~7条などに基づく政令)を作ります、と公文書管理法案の利点として宣伝を行っているが、これで改革法案だ!と騙されてしまう人もいる。行政の隠れ蓑である「審議会」を間に挟むだけで、今と変わらないのに。

●井出道雄林野庁長官
この費用対効果分析の結果の総括表等の資料と同様、保存期間三年の事業評価に関する文書として保存することが適切であると考え、保存をしているところでございます。

★まさの解説:長期に渡る公共事業の根拠資料の保存期間が3年と定めてきたことをよしとする答弁。公文書管理法案はまたもこの部分を最終的に各省の文書管理規則に委ねる(これは現在と全く同じ)

●若林正俊農水大臣
公式の文書の保存期間、一般的にいえば十年というような期間を過ぎますと、公式の文書というのはないわけであります。

★まさの解説:農水省に文書管理規則を作らせたら、今後も・・・・

●国際機関に対しまして今申し上げましたように出資金、拠出金、分担金、義務的拠出金、いろんな種類の経費があるわけでございます。この出資金につきましては、これは出資ということでございますので、例えば国際開発協会につきましては設立以来の拠出累計が三・七兆円、それから国際通貨基金につきましては設立以来の拠出累計が二・二兆円等々、あるいはアジア開発銀行につきましては設立以来の拠出累計一・四兆円ということで、これは把握を財務省の方でされているわけでございますが、毎年毎年拠出をしてそこで使ってしまうものにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、この文書保存期間が満了したものもございますし、機関によっては戦前から入っている機関もございまして、そういうものについては、今の御指摘ではございますが、これまで毎年毎年の拠出を累計したものは、そういうものは把握できないものもあると、こういうことでございます。

★まさの解説:外務省に規則を作らせたら、今後も国際機関にいくら血税をつぎ込んだのかは、すぐに分からなくなる。

●小野正博警察庁長官官房審議官
過去の報告につきましては、これは保存期間が一年未満というものでございますものですから、現時点で集計することは、まことに申しわけございませんが、十分にできない可能性があると思っております。

★まさの解説:脱走米兵の話だったんですが、警察庁に任せたら、今後も、保存期間はたった1年未満??

行政文書の廃棄か保存かの判断、および、保存期間の設定には第三者の目が必要であることを、喚起したいと思います。

リンクフリー、ダウンロードフリー。ご自由にご活用ください。
まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年3月19日 (木)

公文書管理フォーラム

昨日おこなった「公文書市民ネット国会内フォーラム」について

NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」が

的確なレポートを書いてくれたのでリンクを張らせていただきます。

●公文書市民ネット発足、法案を検証

http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3110 

●これからこの分野を学ぶ人のための公文書管理問題の基礎知識

【行政による情報の抱え込み】

公文書管理を巡ってはこれまで、

1.行政と公文書館の間の問題

 (公文書館への文書の移管は、協議が前提なので移管が進まない)

2.国民と行政の間の問題

 (開示請求しても組織共有文書じゃない、保存期間が切れたなどの理由で

 「不存在」となり開示されないなど)

という二つの問題がありました。

どちらも行政による情報の抱え込みが問題です。

【本来あるべき情報の流れは】

|国民|←|行政|→|国立公文書館|

情報公開法      公文書管理法

(1999年~)      (無かった)

 

【今回の政府案は】

|国民|→|行政|←|国立公文書館|

     情報公開法

     公文書管理法

というわけで、行政による情報の抱え込みを強化する構造になっています。

 

今ある事実と経緯を国民が利用し、

それがやがて過去となり、過去の事実と経緯が検証できるというふうにならなければと。

そのための公文書管理だというのが基本認識とならなければなりません。

ところが今回の政府案は、

     公文書の中の「行政文書」の範囲が、現在の情報公開法と変わらず狭いこと

     「行政文書」の扱いが、これまで各省が作ってきた文書管理規則のカット&ペーストに過ぎず、詳細は政令に委ねられ、霞ヶ関任せであること。(この文書管理規則は「保存期間」の設定、「行政文書管理ファイル簿」の作成・公表、「廃棄」の記録をはじめ、まったく使えないシステムでした)

     昨日、資料として提供した「公文書管理(政府案のフロー)」に示したように、「行政文書」の扱いは、その誕生(作成)から廃棄・公文書館への移管まで、ゆりかごから墓場まで、霞ヶ関が牛耳る構造です(「公文書管理(政府案のフロー)」「090317.doc」をダウンロード

多くの人に分かりやすくこの問題を伝えていかなければと思っています。

その意味で、昨日、国会で開催したフォーラムがとても分かりやすくレポートしてくれているので、ぜひ、お読みいただきたいと思います。

●公文書市民ネット発足、法案を検証

http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3110

●政府の公文書管理法案はこちら

http://www.cao.go.jp/houan/171/index.html 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月 3日 (火)

公文書管理法案の閣議決定

昨年から追ってきたテーマ、公文書管理法案が今日、閣議決定された。

そこで、ご参考までに、ご案内。

1)公文書管理法案に関する国会内フォーラム(3月17日)案内

2)公文書管理法案のありか(関連法に情報公開法も)

3)公文書管理法案閣議決定関係(報道リンク)

4)過去の発信など

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●公文書管理法案に関する国会内フォーラム(3月17日)案内

本日閣議決定された公文書管理法案について、

行政文書を含む「公文書」を利用する市民から物申すために、

「市民のための公文書管理法の制定を求めるネットワーク」を広く呼びかけ、

国会内フォーラムを開催することとなりました。

 

3月17日 午後2時からです。ぜひ、お誘い合わせの上、ご参加ください。

★公文書市民ネット国会内フォーラム

日時:3月17日(火)14:00~15:30

会場:衆議院第2議員会館第4会議室

内容:各界研究者による政府案の検証

連絡先:情報公開クリアリングハウス(担当三木由希子)

メール kobunsyo_netyahoo.co.jp(*を@に)

●公文書管理法案のありか

 http://www.cao.go.jp/houan/171/index.html 

情報公開法など関連法の改正については上記URL

公文書管理法案の項目の「新旧対象表」の中にあります。

●公文書管理法案閣議決定関係(報道リンク)

公文書管理法案を閣議決定2009331016

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009030300284

中央省庁の文書管理強化、法案を閣議決定

2009331019  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090303-OYT1T00383.htm

公文書管理:省庁に年1回の報告義務 法案を閣議決定

毎日新聞 200933日 1034

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090303k0000e010013000c.html

首相判断で各省庁を実地調査  政府が公文書管理法案

http://www.47news.jp/news/2009/02/post_20090220061003.html

 

      手前味噌ですが、以下は、昨年書いた記事の一つです。

タイトルがちょっとエグイですが。

週刊ダイヤモンド1213日号

「国民を愚弄する官僚の悪弊「公文書隠蔽」の呆れた実態」

http://dw.diamond.ne.jp/contents/2008/1208/index.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月25日 (日)

タスクフォースのズレ・ブレ・薄め方

11月22日に、ダム見直しを主導する金子一義大臣へのオススメを書いた。
一体、金子大臣の指示はどんなものだったか?
大臣の指示と実際にできた「ダム事業プロセス検証タスクフォース」はズレていると書いた。
2008年11月14日(金)金子大臣会見要旨から、大臣の部下への指示の内容を次のように整理しておいた。
(1)地元知事からの意見を重く受け止めなければいけない。
(2)なぜ(1)の状況(国の提案する治水対策とは違う)がでてきているのか
・手続にどんな問題があるか
・財政負担のあり方をどう考えるか
(3)(2)の検討にあたり(国も自治体も同じ)前提は
・災害を起こさないここと
・地域住民の安全を守ること
(4)国土交通大臣が主導して行う
・内容、メンバー、期間はこれから検討

そして、大臣に霞ヶ関を飛び出して「現地」へ行くことをオススメした。メンバーは国交省内で自省をするメンバーとなるのではないかと思っていた。違った。

たしかに、「現地」へは飛び出していったようだ。
しかし、腰が引けている。

大臣が訪れたのは、県民意見の積み上げによって知事がしっかりと「反対」や「ダムによらない治水」を述べた滋賀県や熊本県ではなかった。

首都圏の水余り状況が明らかであるにもかかわらず、惰性かつ国へのおつき合いで知事たちが撤退しないでいる1都5県(東京、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木)の抱える八ツ場ダムだった。しかもお忍び。昨年(2008年)12月14日、16日(15日が休刊日だった)の上毛新聞に金子国土交通大臣が歴代初、八ツ場ダム予定地を訪れたことが載った。(八ツ場あしたの会にリンクします)↓
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=663 

指示については以下の二つはしっかりしていた。
・手続にどんな問題があるか
・財政負担のあり方をどう考えるか

ところがそれを受けた国交省が出したペーパーを見ると、
その二つが薄められて、ぼやけていることが分かる。
=====

ダム事業プロセス検証タスクフォースの設置及び第1回会合の開催について

1. 目的
国民の生命、財産を守るために、知事をはじめ関係者の合意のもとに進めてきたダム事業について、先般、関係知事から以前と異なる方針の表明を受けるなど、ダム事業の進め方の問題点が提起されたところです。
 このように、事業の特性上、長期間かからざるを得ないダム事業を対象として、時間の経過等に伴い関係者の意見の変化があった場合に、水害等から国民の生命、財産を守る責務を有する河川管理者としてどのように対応するべきか検討するなど、これまでのダム事業一般のプロセスを検証することが必要となりました。
 このため、国土交通省に「ダム事業プロセス検証タスクフォース」を設置し、これまでのダム事業のプロセスを検証することとします。
=====

そして、自分たちのやり方のどこが悪かったのかと自省の機会とするのでもなかった。

指示が定まっていたのに、第一回目で外部の委員たちにフリートークをさせ、大臣の指示はさらにブレてきた。さまざまな論点が委員たちから出たこと対し、そのブリーフィングを受けた記者クラブの記者たちからは「一体このタスクフォースの目的は何か」と質問が出た。(私は記者クラブメンバーではなくオブザーバーなので質問はできない)

それに対し、委員達から出た意見でこれから集約をしていくと副大臣が答えた。
すなわち、委員達を隠れ蓑に、大臣の指示を好きなように上書きをして、何事もなかったように、国交省河川官僚にとって都合のいい結論を出すことが可能だ。報告は年内にということだ。スピード感がなさすぎる。こんなとき、アメリカが羨ましいと思う。

・手続にどんな問題があるか
・財政負担のあり方をどう考えるか

見直しが本気なら、解散前に結論を出させるべきだろう。

もっとも解散は昨年秋にしておくべきものだが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

痛くない腹をさぐられないための公開を

金子一義国土交通大臣とダム事業プロセス検証タスクフォースへの手紙
(読まれるかどうか分からないけれど)

 

ダム事業に注目をしている納税者は
ここで委員名簿や資料はここで見られるけれど、それ以上のことは分かりません。
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/y2009eecfdaa0b25e06b37af94d428bae5ae8ff3c2183c.html

今回はプロとして媒体に書くであろうこととは別に、一国民としての怒りを次のように知人たちにメールでぶつけました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これ、取材にいきました。
「記事」を書く前に先にこぼれ話を書きます。

 

ニュアンスを先にお伝えすると

 

大臣がなんとなく命じたタスクとすでにズレており
(指示が曖昧模糊としていたのでしょう)

 

非公開(冒頭に大声で公開を要求しましたが)だったので
直接のやり取りを知るすべもありませんが
終了後に記者クラブでブリーフィングがあり
委員(御用側)発言から国交省側の思惑が
およそ次のようなものであることが伝わってきました。

 

「いままでこんなに努力をしてきたのに
 なぜ、知事の反乱がおきたのだろうか。
 制度のどこに欠陥があったのだろうか
 見直して、今後は知事がかわったぐらいで
 ダムが止まらないようにしなければ」

 

実際に記者からはそのような質問もあったのですが
「そのようなうがった見方」と否定していました
官僚にあやつられた副大臣が。

 

一方で、
 「整備計画で反対の意見があってもそれを反映させる仕組みがない」
 というようなまともな意見もいくつかはでたようです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

と、このようなメールです。

痛くない腹を探られ、誤報、誤解をされたくなければ、ぜひ、公開をお願いします。
 

大臣のポケットマネーで開催している会議ではありません。

税金を使って開催している会議の透明性さえない、
そんな、とても恥ずかしい国にしないでください。

 

高橋ユリカさんのブログもぜひお読み下さい。
http://yurika-net.sakura.ne.jp/blog/index.php?mode=res_view&no=53

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 8日 (月)

北海道のサンルダム

北海道の情報は津軽海峡を超えない・・・、

という嘆きを聞いてから1年・・・・

北海道ひた走り1 (20071215 ()

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_64bd.html

天塩川の絶滅危惧種を救えない河川法でよいか?2008611 ()

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_3d8b.html

サクラマスのベビーブーム周期を破壊した二風谷ダム2008129 ()

http://dam-diary2.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_ab2b.html 

じょじょに津軽海峡を超えてきました。

異議アリ!:下川町・開発局のサンルダム計画 専門家会議の姿勢に失望 /北海道

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081208ddlk01040113000c.html

毎日新聞 2008128日 地方版

サケ:稚魚50万匹、石狩川で来春から放流へ 旭川で市民に説明会 /北海道

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081208ddlk01040118000c.html

毎日新聞 2008128日 地方版

サンルダム計画:サクラマス遡上調査 自然保護団体「魚道ありき」に不信感 /北海道

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081012ddlk01040160000c.html

毎日新聞 20081012日 地方版

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 1日 (土)

熊本県知事と国交大臣の会談に突撃

1029日、熊本県知事と国交大臣の会談に突撃ぶらさがり取材した。

その夜、片づけものをしながら報道ステーションを見ていると、私の質問の声が流れた。「ダムによらない治水を追及するための協議の場を国と県とで設ける」というので、3つ質問をした。

熊本県知事にひとつ:「いつですか?」→知事「まだこれからです」

大臣に二つ:

1「場を設ける目的は、ダムによらない治水を追及してその答えを見いだすためか、それとも検討をすることが目的か」→大臣「ダムによらない治水を追及するための検討を行うが、その結果は分からない」

2「検討の結果、最終的には大臣の政治決断になるが、政治決断をする覚悟はおありですか」→大臣「・・・・」(耳を傾け、一瞬、答えようかどうしようか逡巡し、エレベータへと消えた)

報道ステーションで流れたのは大臣への一つ目の質問と答えだった。

検討しました、というだけのための協議では済まない。県知事の意見はもっと重いはずだ。

ダムを作るという方針できた国交省官僚には方針を転換する権限も権利もない。

政治家である知事の決断を受けるのは、大臣でしかない。

それにしてもその肝心の協議の場が「いつ」になるのかも、

現大臣が「政治決断」しようにもできないのは、

麻生総理大臣がすべき解散をせず、政治空白を長引かせているからだ。

「道路民営化」は、結局のところ、選挙のための「自民党私物化」だったことも見えてきたし、今後ますます、支持率は下がるのではないかということが読めないのだとしたら、日本国民もバカにされたもんだなと思いながら、ひたすら、今自分にできることをじっと耐えながらやっている。

会見後、同じく会見に来ていた高橋ユリカさんを誘って、議員会館へいった。

さながらダムはしご取材。その模様はこちらへ。

http://yurika-net.sakura.ne.jp/blog/index.php?mode=cat_view&cat=5

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「公文書管理のあり方」について意見書

最近、学会なるところに出没するようになり

日本計画行政学会では、行政手続研究専門部会での活動にエネルギーと時間と汗を注ぎました。その成果の第一弾がここに掲載されたので、ぜひ、読んでいただいたいです。

この専門部会として出した「公文書管理のあり方」という意見書です。

http://japa.agbi.tsukuba.ac.jp/ トップページから

II. 行政手続研究専門部会の意見書「公文書管理のあり方」を掲載しました」へ

この専門部会の代表は「脱藩官僚」福井秀夫教授です。

元建設官僚だった方です。

私自身のきっかけは「八ツ場ダム」を始め、ダム取材を進めるにあたり、突き当たる壁が結局のところ、常に「行政文書」にあったというところ。

お忙しい方で、八ツ場ダムに関わっておられる方は、ぜひ、添付の1頁目の最後の方と、4頁目の表だけでもご覧ください。

(もちろん、全部およみいただければ嬉しい。誰にとっても重要なことです)

総理や担当大臣の交代劇が挟まり、いろいろな興味深い場面にも遭遇したので

時間を作ることができ次第、政府サイドの動きも合わせて原稿をきちんと書きたいと思っています。

以下は、今年5月の週刊金曜日の金曜アンテナに書いておいた短信です。参考まで。

公文書管理法の検討へ杜撰な管理の改善に期待

http://www.kinyobi.co.jp/KTools/antena_pt?v=vol703#3

なお、この短信の中で書いた「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の情報はここにあります。合わせてご参考ください。

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/koubun/index.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

淀川:国交省vs流域委vs土木学会

3つの読み比べて欲しい文章があります。

●平成20620日に公表された淀川水系河川整備計画案

http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/seibi/index.html

これは国交省が自ら定めた河川法改正に従って、住民参加、学識経験者の意見を聞いてから定めるとした規定に違反して、その意見を聞く前に、見切り発車して、8月中に、計画案を決定して、概算要求に間に合わせ、来年度予算をつけたいがために住民参加の精神をネグレクトして関係知事達に出したもの。貧しい前時代的な発想。

●淀川水系流域委員会が9月27日発表した「淀川水系河川整備計画策定に関する意見書」はこちらhttp://www.yodoriver.org/ikensho/ikensho_h20/081016_seikei_ikensho.pdf

「河川に集中させてきた洪水エネルギーの抑制と分散」、「堤防の強化」、「河川改修」を提言している。

これに対し、

●以下は近畿地整局が土木学会に委託した「耐越水堤防構築の技術的な実現性の見解」(1027日)です。http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/news/news_detail.php?id=397

よく読むと、今現在の堤防の弱点が書き連ねてあり、どう見ても、その弱点だらけの現在の堤防をしっかりさせることがまず何よりの最優先事項ではないかと、きっと誰もが思うだろうと思う。

次に、あくまで、その堤防は計画高水位(つまり国土交通省が「これくらいの雨が降ったと仮定するとこれぐらいまで水位が上がるという仮定:このダブルの仮定の中に細かいマイナー仮定がいっぱい詰まっていて「仮定の城」とも言えるのがこの計画高水位である」を想定したものであり、それ以上は責任をまったく持ちません、という現在の河川行政の欠点をも露わにしてくれているオモシロイ読み方ができる代物。

ところが、この見解を受けた国土交通省近畿地方整備局淀川事務所の見解は、そんなことをすっ飛ばして、とにかく耐越水堤防なんてダメと「結論づけられている」、と最後だけ強調している。まさに結論ありきで、オモシロイ。是非、上記3つを読み比べて見てください。

★「政策」とは正当性ではなく、力関係で決まるものであり、私たち市民が真実を読み解く力をつけない限り、市民が選ぶ民主的に正当な政策は実現しないのだ。

さて、ここに全国川のシンポのプログラムの最新バージョンがありました^^;。

http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=632

ぜひ、お楽しみに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月24日 (木)

熊本川辺川も山場

昨日は淡々と国土交通省の情報公開室へといってきました。

この件はまたご報告するとして、

323日に新しく誕生した蒲島郁夫・熊本県知事が動き始めた。

「有識者会議」、5月にもスタート  人選大詰め

http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/kiji/index.cfm?id=20080422000004

(リンク切れするので、読むならお早めに)

選挙前、市民団体「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の公開質問状に対し、

      「反対」を通りこし「中止」(鎌倉孝幸)

      「現状では中止すべき」(岩下栄一)

      「全面的に中止する方向」(北里敏明)  

      「絶対、「反対」です」(矢上雅義)

 

と5人の候補者の中で、蒲島氏は、唯一、次のように慎重な意見を寄せていた。

「川辺川ダム建設に関しては、潮谷知事が8年の年月をかけて慎重に検討された課題であり、知事選挙の前に賛否をあきらかにすることは、無責任であり科学的ではない。知事就任後、中立的な第三者機関を設置し、科学的な観点から治水の方法を検討しダム建設中止かダム建設かを1年以内に結論を出してもらう。その場合、県財政への負担も当然考慮する。第三者機関の中立性を確保するために外国の研究者を少なくとも1人委員になってもらう。第三者機関の答申に基づき早急に結論を下す。」

http://kawabegawa.jp/

http://kawabegawa.jp/pq2008/kabasima.gif

【八代市の注目すべき経緯】

さて、この件で、熊本県八代市の二見孝一さんから励ましをいただいて、以下の件を思い出しました。

川辺川ダム計画には、下流の八代市にある萩原堤防が「20年に一度決壊する」という「想定」が織り込まれていた。ところがこの堤防は一度も切れたことがない。川辺川ダム計画の前提にそんな非科学的な「想定」が含まれていることを市民団体が暴いた。それではそんな堤防の改修工事はいくらかかるのかと情報公開法を駆使して調べると、わずか29億円の堤防工事で200年に一度の洪水まで耐えられる計画がある(隠されていた)ことが分かった。しかしこのことが明らかにされてしまうと、河川管理者は理屈をつけて自ら計画を立てていた堤防改修工事そのものを取り消してしまった。

【人吉市の注目すべき経緯】

川辺川ダム建設のもう一つの理由となっている地域に人吉市があります。その流域住民の「川辺川ダムを望んでいない」という声を丹念に集めた本が出版されるそうです。以下は記念集会の案内。

『ダムは水害をひきおこす―球磨川・川辺川の水害被害者は語る』出版記念集会

日時:429(火・休)14時~16

:相良村総合体育館研修室

資料代:500

*当日、『ダムは水害をひきおこす』を特別価格1200円で販売致します

主催:『ダムは水害をひきおこす』出版記念集会実行委員会   

人吉市九日町36 球磨川ハウス内

問い合わせ:090-2859-5520本村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月 6日 (木)

発言者名入り議事録公開、義務づけ訴訟

9月4日、東京地裁で、国交省を相手に始めた行政文書不開示処分取消訴訟の判決を受けました。結果は「却下」と「棄却」。

私が求めていたのは、社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会の一連の球磨川水系の審議のときの発言者名入りの議事録と、録音テープの公開。

開示請求をしたときに「不存在」という行政処分が出たので、「不存在のわけがあるまい」と取消および、公開の義務づけを求めたもの。

却下・棄却の理由は、私の現時点での理解が正しければ、おおざっぱにいうと、

・ 発言者名入りの議事録は作っていない、ことを覆す証拠がない。

・ 議事録の発言者へ(誰が何をいったか)の確認を記憶で行っているとは考えがたく、メモが存在すると考えられるが、それは個人的なメモであり、組織的に共有を行っていないとみなす(このことについての不都合や問題も指摘してはいるものの)

・(国交省に管理権があるはずの)録音テープは、議事録作成業者に提出しろとした契約書がないから、国交省のものではない。(だから不存在)

しかし

業務として官僚が作ったメモは、業務のため、組織のためにあるんだから「行政文書」だろうに。

議事録を作る業者が録音したテープには守秘義務がかかっているんだから国交省に管理権があるに決まっているじゃないか。

というわけで、ひどい結果でした。

これで、ようやく、行政、国会、司法、第四権と言われるジャーナリズムまで、一通り、使ってみたことになります。(この件ではまだ行政と司法しか使っていませんが、今回が生まれて初めての原告体験でした)

今回の件、もともとの目的は、「審議会の議事録なんて発言者名つきで公開して当然でしょ?」という感覚が、行政に対して通じないために始めた裁判です。

しかし、司法も司法で、まだ、「行政文書とは何か」、「それが誰のものなのか」という判断がまともにできないものなのだ、ということに、改めて気づきました。

忙しすぎて途中経過の報告がまったくできませんでしたが、とりいそぎ報告です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月31日 (金)

政治資金の監視方法をハイテクに

暑くてもエヘラエヘラと遊んでばかりいられない。アタマに来ること連続。「怒りのエネルギー」は「伝えるエネルギー」に昇華、変換するに限るので、環境行政改革フォーラム総会で2コマ吠えた。

一つは「審議会行政の終わらない闇」。雑誌などですでに書いたが、口頭でもドンドン伝えるため、コンパクトにまとめてプレゼン。パワーポイントファイルをそのままここに掲載します。「eforum2007.ppt」をダウンロード

もう一つは「政治資金の透明化は国家財政を救う」。以下は総会資料に載せた要点というかサワリ。

政治資金の透明化は国家財政を救う

まさのあつこ(ジャーナリスト)

政治資金問題は"疑惑""疑惑"のまま終わるのが常だ。領収書を「出せ」「出さない」で時間を浪費し、貴重な国会審議も無駄にし、解決を要する山積みの問題が先送りされる。TVや新聞報道も同様で、権力を監視する時間と労力が、「法律に基づいて適正に処理している」という空虚な返答でどれだけ浪費されてきただろうか。

「法律に基づいて適正に処理している」と答える政治家は、その法律自体がザル法であることを百も承知である。この現象は国家財政の浪費であり、報道機関の人材と時間の浪費であり、いまや“疑惑報道遊び”とも言うべき国民の娯楽と化したのではないか。

ザル穴をふさぎ、疑惑を未然に防いで、透明性を確保するには複雑なルールは要らない。政治資金規正法第一条の目的に書かれた「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われる」には、金の「出」と「入」を1円から記録させ、領収書の添付を義務化すればいいだけの話である。

【透明性以前の問題】

 それ自体は単純な話であり、透明性以前に、政治資金収支報告の監視を複雑にしている事柄を最初に整理しておこう。今のままでは、透明性が確保されても、複雑もしくは抜け穴が大きすぎて、監視をしにくいからだ。

監視を難しくさせている一つは企業献金のあり方だ。細川元首相の方針を受けて2000年に施行された改正政治資金規正法は、政治家個人への企業献金を禁止した。そして、これによる政治活動資金の不足分を補填するため、政党助成金の交付が先に始まった。ところが、結局、政党や政党支部への企業献金の道を残したため、政党助成金の支払いを申請しない共産党以外は、「二重取り」の焼け太りに終わっている。

また、共産党以外では、与野党に限らず、政治家個人の政治資金管理団体や政治団体と別に、政党支部を立ち上げ、企業献金はそちらで受け続けているため、全体像がつかめない。

 たとえば5月に自殺した松岡利勝農相(当時)は、個人の政治団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」を総務省に、「自由民主党熊本県第三選挙区支部」を熊本に届けていた。他にも関係した政治団体があったかもしれないが、政治家の名前で他団体を名寄せすることは現在不可能である。

また、「パーティ券の対価支払い」というザル穴もある。政治家個人でも上限百五十万円までなら企業からの支払いを受けることができる。

複雑さの代表格のもう一つは、政治団体や政治資金管理団体の間でも献金はできるため、政治資金管理団体以外からトンネルさせれば、企業献金のマネーロンダリングができることだ。

そこで、透明性を確保するためには、それ以前に政治家一人につき、政治資金の入と出を一つに統合できるようにする必要がある。

【ローテクな監視方法】

複雑さに加えて、第一条「国民の不断の監視と批判」を阻む最も大きな穴が、政治資金の監視を阻むカラクリである。この情報化時代にあって、政治資金収支報告書の届け出先は各都道府県の選挙管理委員会と総務省に分散している。どこに届け出てもいいため、前述の松岡利勝の場合は、総務省(東京)と熊本県の両方に足を運ばねばトータルな監視はできない。

たとえ総務省と熊本県庁の両方を訪れる時間と金が、監視をしようと思う者にあったとしよう。しかし、それでも、その場ではコピーはとれず、閲覧しかできない。開示請求をすればさらなる金と時間がかかる。デジカメや携帯電話で気軽にどこでも写真が撮れる時代なのに撮影も禁止だ。手で書き写すというローテクな監視方法しか許されていない。

しかも、先述したように政治家によってはいくつもの関連政治団体を持つので見落としも出る。

 松岡の後任農相・赤城徳彦に至っては、自分の政治資金管理団体「徳友会」に、解散した他の政治団体「つくば政策研究会」が経費を計上していたことを知らなかったとし(この後出しのストーリーが本当だとすれば)、さらには虚偽報告までが判明したが、このように政治家本人が自分の政治団体がいくつあるのかすら分からないと言い訳ができてしまうほどに「監視」が難しい。こんな状態で国民に監視せよという方が無理だ。

政治団体の名前もザル穴の一つだ。たとえば廃止されたという「つくば政策研究会」が今でもあったとしても、一目で赤城の政治団体だと分かる者はいまい。また、「徳友会」という名前が分かっても、総務省と茨城県庁のどちらに届け出ているのかを知らなければ、閲覧にいっても無駄足になる可能性もある。

【ネット上で公表を】

 監視を可能にする仕組みを考えるのはさほど難しくはない。

 米国では、非営利組織「C-SPAN」が米国連邦議会の議員の名前で検索をかけると、献金をした組織、個人とその額などが分かるデータベースを構築している。日本からでさえ見ることができる。

私が知る限りで最も優れた政治資金データベースを構築しているのは、米国ウィスコンシン州議会を監視している非営利組織「ウィスコンシン・デモクラシー・キャンペーン」だ。政治家名だけでなく献金者名からも検索が可能で、しかも、その献金者がどのような背景(利権)を持った個人なのか、ロビイストなのかもたちどころに分かる。

良い仕組みは真似ればいい。政治家の名前ごとに、政治献金情報をデータベース化してインターネットで公開し、誰もが常時監視できるようにすればいいだけの話だ。誰からいつ監視されているか分からないという緊張感が政治家には必要だ。

【盗人からカギを取り上げるには】

 この単純な改正がこれまで行われてこなかったのは、政治資金規正法を審議成立させるのが国会議員自身だからだ。「盗人にカギ」状態を脱するには、国民が自分たちの置かれた状況を自覚し、「これでは『監視』も『批判』もできない。改正せよ」と強く声を上げるしかない。

与党自民党は、現在のところ領収書添付の義務づけについても「事務が煩雑になり、政治活動の自由に支障が出る」という屁理屈で、反対の立場を取っている。

納税者はその煩雑な作業を行っていることを知ってのことだろうから、傲慢としか言いようがない。知らないのならその非見識を嘆かざるを得ない。また、このような屁理屈を通用させてでも、不透明性を死守することに躍起になっていると思わざるを得ない。

参議院選の応援街頭演説で、衆議院の田中真紀子が言っていた。「年金を払ってもらいたければ領収書を出せ出せ出せと国民に言う。そんなに言うなら閣僚が出せ!」

つまりはそういうことだ。1円からの領収書の添付、1円からの報告によって情報をさらすことにより、献金を起点とした政治家の口利きや政官財の癒着を防ぎ、マージンなどの形で国家財政が環流していく無駄を防ぐこともできる。政治資金規正法一本を変えたところで即刻かわるものではないが、この根本的な第一歩を踏み出さずには、ますます、多くの国家財政や人材や時間が浪費されることだろう。(敬称略)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月 9日 (火)

情報開示戦争、法廷へ

昨年の終わりにかけて滅茶苦茶忙しかったので(今年はこの言葉無理せずに使います)、新年早々、昨年の話題ばかりで申し訳ないのですが、情報開示戦争のさらなる続きなどでしつこくお知らせしてきた件です。

「審議会を公開しているんだから、議事録をウェブサイトに掲載するとき、当然、発言者名も一緒に公開すべきではないか」と、ある弁護士さん(って「僕のことですね」と先日お会いしたときに言われ、「そ~です~^^」と私)が1年前の日弁連のシンポジウムで主張したのを、「そりゃそうだ」と共感して以来、試行錯誤してきました。

審議会等の委員長(orコーディネータ)や出席者の発意・任意で「発言者名も載せましょう」と言えば、なんの問題もなく載せられることは、環境省関係の戦略アセスの意見交換会で、私自身が実地に体験しました。「載せてください」でなんの障害もありません。

ところが、国交省の社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会(長っ)の場合、河川計画課長や委員長や学者に「公開してはどうか」と文書や面と向かって提案してもダメでした。そこで、そんな馬鹿なと、情報公開法を使って開示請求をすると、「不存在」と返事が来たので、異議申し立てをしました。

簡単な図式にすると、開示請求(ワタシ→国交省)→「発言者名入りの議事録は存在しない」という行政処分(国交省→ワタシ)→異議申立(ワタシ→国交省)→諮問(国交省から情報公開・個人情報保護審査会)→理由説明書(国交省→情報公開・個人情報保護審査会)→理由説明書に対する意見書(ワタシ→情報公開・個人情報保護審査会)までで、審査が行われるときには、意見陳述をさせてくれ、という意思表示を私のほうがした段階で、この線は止まっています。

諮問されっぱなしで、延々と時間を引き延ばされたケースなどいろいろありますので、別の手も打ちました。情報公開の場合、行政庁への異議申し立てとは別に、司法へ訴えることができます。そこで、0611月に、以下のような訴状を提出しました。

そんなわけで、07年1月19日14:00東京地方裁判所606号に法廷での闘いが始まります。といっても単に書類のやり取りなどで5分もかからずに終わるようなのですが。情報公開クリアリングハウスのサポートや弁護士・西島和さんから有難く貴重なご協力をいただきます。

訴状(住所など略)

東京地方裁判所御中

原告訴訟代理人

  弁護士  西島 和

原告 政野淳子

被告 国

代表者法務大臣   長勢甚遠

処分庁   国土交通大臣

社会資本整備審議会河川分科会録音物等不開示処分取消等請求事件

 訴訟物の価額    160万円

 ちょう用印紙額   1万3000円

第1 請求の趣旨

1 国土交通大臣の原告に対する別紙処分目録記載の行政文書不開示決定をすべて取り消す

2 国土交通大臣は別紙行政文書目録記載の文書をそれぞれ開示せよ

3 訴訟費用は被告の負担とする

との判決を求める。

第2 請求の原因

1 原告の情報公開請求 (ここでは略)

2 国土交通大臣の不開示決定及び理由(ここでは略)

 ⑴ 不開示決定(ここでは略)

 ⑵ 不開示の理由(ここでは略)

3 本件各処分の違法性

⑴ 本件各議事録の行政文書該当性について

ア 処分庁の設置する小委員会の事務局である河川計画課(以下「河川計画課」という)は、小委員会の議事録作成を職務として行っている。

イ 河川計画課は、小委員会における速記録作成のため、民間速記業者と年間の単価契約を締結し、当該契約により納入された成果物を保有している。

ウ 河川計画課が職務として作成すべき議事録の作成にあたって、小委員会に出席した各委員に対し、各委員の小委員会における発言内容が正確に議事録に記録されているかどうかについて確認している。

エ 前記確認作業にあたっては、河川計画課の職員において、発言者名入りの議事録を保有していることが不可欠である。

オ 以上より、本件各議事録は、処分庁の職員が組織的に用いるものとして処分庁が保有している行政文書である。

 本件各録音テープの行政文書該当性について

ア 処分庁は本件各録音テープを作成している

河川計画課の職員は、河川計画課が職務として作成すべき議事録の作成にあたって、国土交通省が年度ごとに一括して速記録作成に関する委託契約を結ぶ民間速記業者(以下「訴外業者」という)との間で委託契約(甲7及び8・契約書、以下「委託契約」という)を締結し、訴外業者に委託して速記録を作成している。

河川計画課の職員は、訴外業者に対し、速記録の作成にあたり、「速記者を1名以上派遣し、テープ録音を併用し、ワープロにて速記内容を文書化すること」と指示し(甲7及び8・契約書)、訴外業者を利用して、議事に関する録音テープを作成している。

イ 処分庁は本件各録音テープを保有している

① 本件各録音テープは、処分庁がその業務である議事録作成にあたって作成する文書であり、処分庁の所有に属する。

② ところで、法2条2項の「保有しているもの」とは、所持している文書をいい、この「所持」は、物を事実上支配している状態をいい、当該文書を書庫等で保管し、または倉庫業者等をして保管させている場合にも、当該文書を事実上支配、すなわち当該文書の作成、保存、閲覧・提供、移管・破棄等の取扱いを判断する権限を有していれば、「所持」に該当し、保有しているといえる(総務省行政管理局編集『詳解 情報公開法』25頁)。

③ したがって、処分庁は本件各録音テープを保有している。

ウ 以上より、本件各録音テープは、処分庁が職務上作成し、組織的に用いるものとして処分庁が保有している行政文書である。

  本件各文書の不開示事由該当性について

 社会資本整備審議会運営規則第7条は、議事の公開について定め、同条1項は、特段の理由があるときを除き会議又は会議録を原則公開とすることを定めている。

小委員会は、これを受けて、同委員会の会議の傍聴を認めており、何人でも会議を傍聴することができ、傍聴した者が会議の内容を公表することは何ら妨げられていないところである。

 したがって、本件各文書は、情報公開法5条に定める各不開示事由に該当しない。

 ⑷ 以上より、本件各文書の開示を求める本件各開示請求は、いずれも法の要件をみたした適法なものであるところ、本件各処分は本件各文書を不開示とするものであることから、本件各処分には取消原因にあたる違法がある。

4 前記3記載のとおり、本件各開示請求は適法なものであるから、処分庁は請求に係る本件各文書を開示すべきであるのに、これを怠っている。

5 よって、原告は、行政事件訴訟法第3条に基づき、本件各処分の取消し及び本件各文書の開示を命じる判決を各求める。

以上

証拠方法(ここでは略)

附属書類(ここでは略)

文書目録

1 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)議事録(発言者名入り)

2 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)の録音テープ

3 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第38回)議事録(発言者名入り)

4 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第38回)の録音テープ

5 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第40回)議事録(発言者名入り)

6 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第40回)の録音テープ

7 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第44回)議事録(発言者名入り)

8 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第44回)の録音テープ

9 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第46回)議事録(発言者名入り)

10 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第46回)の録音テープ

11 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第48回)議事録(発言者名入り)

12 社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第48回)の録音テープ

処分目録

1 平成18年5月15日付行政文書不開示決定(国広情第43号)

2 平成18年6月2日付行政文書不開示決定(国広情第58号)

3 平成18年6月30日付行政文書不開示決定(国広情第91号)

4 平成18年8月2日付行政文書不開示決定(国広情第125号)

5 平成18年9月11日付行政文書不開示決定(国広情第155号)

6 平成18年10月12日付行政文書不開示決定(国広情第209号)

以上(最後にもう一つの処分を加えましたが、たしか上記から抜けています。後日直します)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月22日 (日)

情報開示戦争のさらなる続き

情報開示請求の続きです。

ワタシは通常ボケッとした温和な性格で、本来ギョウセイと闘う性格ではない。しかし、この件については(も?)、あまりの馬鹿らしさに最後までやってみることに決めたので、意見書も書いてみた。

現在のところ、開示請求(ワタシ→国交省)→「発言者名入りの議事録は存在しない」という行政処分(国交省→ワタシ)→異議申立(ワタシ→国交省)→諮問(国交省から情報公開・個人情報保護審査会)→理由説明書(国交省→情報公開・個人情報保護審査会)→理由説明書に対する意見書(ワタシ→情報公開・個人情報保護審査会)まで来ています。 

あまりにもマニアックなので、良い子は読まないように。情報公開マニアは是非、読んでください(^^;)。

情報公開クリアリングハウスの三木さんと弁護士の友達に(一時期、ロースクールの学生さんにも)手伝ってもらっているのだが、さて、この先、また進んだら、その段階でご報告いたします~。

情報公開・個人情報保護審査会 御中

「特定日の社会資本整備審議会河川部会河川整備基本方針検討小委員会の議事録等の不開示決定(不存在)に関する件」について送付された理由説明書(平成18年(行情)諮問第292,293号)に対する意見書

20061017

政野淳子

住所/電話()

発言者名入りの議事録及び録音テープが「不存在」とする国土交通省の処分は違法かつ不自然であることは異議申立書で述べたとおりである。これに対し、諮問庁たる国土交通大臣が原処分を妥当として提出した理由説明は、申立人の不服を解消するものとなってはいない。したがって、以下の反論及び意見と共に資料12を提出する。

1.発言者名入りの議事録が不存在であるとの主張に対する反論

「理由説明書」で国土交通省は、「内容について各委員に確認を得た後、発言者氏名を除いて公表することと決定された」とする。これは文字通り「いったん発言者名を除かない議事録を作成し、内容について各委員の確認を得た後、議事録に記載されている発言者名を除いて」公開することが決定されたと解釈できる。実際、委員長は毎回、小委員会の最後に「本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者の氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします」とメモを読み上げている。本件請求を行った第3738回小委員会でも同様のメモが読み上げられており、いったん発言者名を入れた議事録を作成し、各委員の確認後に、発言者名が除かれていることを推察させる事実である。

これに対し、平成18年度からは、理由説明書にあるように、「平成18年4月13日開催の第37回小委員会速記録には、発言者氏名が記載されていない」とし、その根拠として「業者に対し速記内容を文書化する際に発言者氏名を除くよう口頭で指示」したと主張する。申立人が国土交通省に口頭で確認したところによれば、速記記録作成を委託している業者に対して平成18年度から発言者名を除いて速記録を作成するよう指示を行ったとの説明を受けた。しかし、それを裏付ける客観的な証拠はない。国土交通省と業者の間で取り交わした平成18年度の速記(単価契約)の契約書にも仕様書にも、そのような記載はない(資料1 契約書)。また、委員会の都度作成される速記発注書にもそのような記載はなく、「事前打合せには、上記国土交通省担当者と行う。」と末尾に記載があるものの、小委員会では、この変更点について諮ることも、了解を取り付けることもせず、(1)で述べた通り従前からと同様の説明が繰り返されている。このような変更は次に述べる通り、小委員会の議事録作成に重大な影響を与えるものであるにもかかわらず、事務局の一存でこのような変更が行われたとすれば、極めて不自然である。

国土交通省は、発言内容の確認方法につき、「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定した上で、発言内容の確認を行っている」と説明している。しかし、①2時間にわたって開催され、この間、二十数名の委員がほぼ間断なく発言すること。②委員から事務局である国土交通省に対し、多種多様な質問や注文が頻繁にあること、③そうした質問や注文に対し次回の小委員会で国土交通省から回答を寄せる際、どの委員からの問合せであったかを含めて回答を行う場合が多いこと。④小委員会に出席する委員が、他の審議会、部会などの掛け持ちをしており、自らの発言部分を確認する後日まで克明に他の委員とものと区別して、その発言箇所や回数を覚えているとは限らない状況があること。以上の状況からすれば、小委員会における各委員の発言につき、「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定」するとしているが、発言内容を確認する主体は委員であり、「担当者の記憶」とは別物である。正確性を要する議事録が、自らの発言箇所を客観的に確認できないままで「委員の確認」を行い、かつ発言者の特定は「担当者の記憶」によるという相互に不確定な要素をはらんだ形で作成されることになり、このような委員の確認と担当者の記憶に頼った議事録作成業務は、きわめて非効率的であるといわざるを得ない。議事録を作る上での最重要課題かつ優先事項は、河川分科会運営規則第7条「会議又は議事録は、速やかに公開するものとする」とあるように効率的で迅速に作成され、かつ、確実、正確であることであり、議事録から発言者名を除くことによって、その最重要課題が削がれることは仕事のやり方として不自然・不合理である。また、「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定」するとしているが、いつの段階でどのように「特定」をしているのか明らかにしておらず、説明自体が不自然である。

国土交通省は、「念のため、本件開示請求に係る小委員会の速記録及びフロッピーディスク以外に会議において発言者の氏名がわかる内容を記録した文書や録音テープが存在するかどうかについて、それらの文書を保有する可能性のある課の書庫やファイルの検索を行ったが、本件対象文書に該当するものの存在は確認されなかった」としている。しかし、自ら「担当者の記憶に基づいて、各委員の発言部分を特定した上で」と述べるように、いずれかの時点で「特定」をするからには、なんらかの「特定」材料が必要である。記憶に頼るべきものではないことは明らかである。発言者名がわかる文書を保有する可能性のある課や書庫やファイルの検索を行う際は、文書の利用実態を踏まえた上で行わなければ意味はない。手控えで個人が作るメモが実態として、業務に利用されている可能性がある。したがって、不存在であるという国土交通省の説明は、不合理・不自然で信用できない。

以上のことから、客観的には発言者名入りの議事録ないし発言者名が特定できる記録が作成されているというほかなく、またこれらが存在しないことを合理的に証明する客観的事実はなんら示されていない。したがって、国土交通省の行った不存在処分は違法である。

2.録音テープが不存在であるとの主張について

異議申立書で述べたとおり、録音テープは国土交通省が作成し、かつ、保有する行政文書である。小委員会の議事録の作成は、国土交通省の実施すべき事務であり、録音テープの作成は、議事録作成の一過程として行われるものである。業者は録音テープの作成を、国土交通省の委託に基づいて行っているにすぎない(資料1 契約書)。したがって、国土交通省は本件録音テープを作成しているといえる。その論拠は以下の通りである。

情報公開法第2条の「保有」には、事実上の支配のほか、一定範囲における法律上の支配も含む。さいたま地裁平成16630日判決では、法令等の定めにより本来実施機関において当然保有していると考えられる文書について公開請求があった場合、たとえ請求時に物理的には実施機関がそれを所持していなくとも、実施機関において外部の法人等から当該書類の提出を求める権限があり、それを求めることに特段の支障が窺われず、当該文書をいつでも自己の管理支配下に移すことができると認められる場合には、社会通念上「保有」に準じまたはこれと同視しうる状態にあると認めるのが相当であり、こうした文書について公開請求がなされたときは、実施機関としては、合理的理由を示さないまま漫然文書不存在を理由に非公開処分をすることは許されず、むしろ、外部法人等から文書の提出を求め、その上で公開すべき義務があるというべきである、と判示されており、物理的に国土交通省にないことのみをもって不存在とするのは情報公開法の解釈運用を誤っている。

本件録音テープは、委託契約に基づいて速記業者が録音したものだが、これは国土交通省が本来行うべき業務を契約によって代替したに過ぎず、作成主体は国土交通省であり、国土交通省の所有に属する。国土交通省と業者との業務委託契約のうち、業者が本件録音テープを保管している部分は、寄託契約にあたる。したがって、国土交通省は、業者に対し、いつでも本件録音テープの引渡を請求でき、本件録音テープを法律上支配しているといえ、かつ、本件の他の事情を前記判例の基準にあてはめると、国土交通省は本件録音テープを保有しているといえる。

3.発言者名を除いた議事録を作成することは社会資本整備審議会運営規則第7条及び社会資本整備審議会河川分科会運営規則第4条に反する

「理由説明書」で国土交通省は、「小委員会の議事録の取扱いは、第一回の小委員会(平成131127日)に諮られ、内容について各委員に確認を得た後、発言者氏名を除いて公表することと決定された」とするが、まず、これには事実誤認がある。

平成131127日の小委員会では、会議冒頭で委員長が、「当小委員会の会議及び議事録につきましては、社会資本整備審議会運営規則第7条及び社会資本整備審議会河川分科会運営規則第4条に基づき公開することとし、特段の理由があるときは、会議及び議事録を非公開とし、この場合においては、その理由を明示し、議事要旨を公開することとしております」と諮り、「今後このようにさせていただきたいと存じますが、よろしゅうございますか。異議がないようでございますので、そのとおりにさせていただきます」と決定している。

ところが、発言者名に関する言及は冒頭ではされず、委員長が議事の最後になり、「最後に、本日の議事録につきましては、内容について各委員の確認を得た後、発言者氏名を除いて、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします」と発言し(資料2 議事録の抜粋)、発言者名を除くことについて、委員会に諮った形跡はまったくない。一方的にメモを読み上げ、慣例的に特段の理由はなく、発言者名を除く結論が誘導されたものであることが明らかである。したがって、国土交通省の理由説明は事実と反する。

また、河川分科会運営規則第4条及び社会資本整備審議会運営規則第7条によれば、「会議及び議事録を非公開とすることができる」のは、「特段の理由があるとき」のみであるが、平成131127日の小委員会でもそれ以降も、その理由はまったく示されていない。したがって、事実誤認のみならず、河川分科会運営規則第4条及び社会資本整備審議会運営規則第7条に違反している。

また、議事録とは、どの委員がどのような発言をしたのかを記録したものである。発言者名のない議事録は完全な議事録ではないから、議事内容を記録・保存するという事務を果たしているとはいえない。社会資本整備審議会運営規則6条は議事録の作成を義務付けているのであるから、発言者名入りの議事録の不存在は同条に反する。そもそも、委員はそれぞれの職域や専門性などを考慮して議事がより意義のあるものとなるよう選出されているのであるから、どの委員がどのような発言をしたのかということが明らかになってはじめてその意見等の意義・価値が決まるものである。仮に、特定の発言について発言者名が不開示とされるべき場合であっても、議事録全体につき発言者名は不開示とすべきでない。

さらに、なぜ平成18年度からはわざわざ発言者名を除いて業者に納入させるようになったかについて、「理由と根拠を明らかにすることなく、不開示が認められるべきではない」と申立人が異議申立書で述べたことに対し、理由説明書では、理由も根拠も述べられていない。また、同異議申立書で不存在を理由に不開示にするための対策であるのではないかと推察し、極めて後ろ向きの対応であると述べたことに対しても、なんら反論もない。

4.発言者名を除いて議事録を作成することは情報公開法に反する

国土交通省は、「議事録を発言者名を除いて作成する」根拠として、議事録の公開により公共の利益を害するおそれがあると主張するが、情報公開法第5条5号は、審議等に関する情報のうち、公開により公正中立な議論を妨げる事項を不開示事由としている。したがって、国土交通省は、発言者名の公表により議論の公正中立が害されると考えるのであれば、公開請求がされた時点で発言者名を除いて開示すれば足りるのであり、わざわざ発言者名を除いた議事録を作成する必要はない。あらかじめ公表する範囲に合わせて文書を作成するのは不自然であり、情報公開法の主旨に反する。

仮にこのようなことが是認されるならば、行政文書の開示によって政府の諸活動を国民に説明する責務を全うするという情報公開法の本来の目的から逸脱する。すなわち、議事録の公表範囲は小委員会で判断することはあっても、それによってあらかじめ不開示事由に該当する事項や発言者名を除いた議事録しか作成しないことは、行政機関の有する説明責任に照らせば許されるものではない。情報公開法が不開示事由を除いて行政文書の開示を義務付ける制度である以上は、不開示事由をあらかじめ記録しないということは、情報公開法の制度的意義を没却させることにほかならず、本件のように速記録の作成に当たり発言者名を除いたものの作成を指示することは、許されるものではない。

また、国土交通省の主張する「公共の利益を害するおそれ」とは極めて抽象的なレベルにとどまり、発言者名を除いた議事録を作成・公表することを正当化するに足るものではない。また、論拠に欠けるだけでなく、違法であり、不当である。この点につき、以下のとおり反論する。

国土交通省は「公共の利益を害するおそれがある場合」である理由を、「上下流、左右岸、利水と治水又は環境といった様々な利害関係を内包している個々の水系ごとの実情に即した議論を要することから、発言者名の氏名を掲載した議事録を公表することは、委員の自由な発言による公正中立な議論の妨げになり、小委員会の適正な運営に支障を来たすことになると考えられる」というが、会議自体を一般傍聴者や記者にも公開していることからすれば、この理由は理由になっていない。議事録は公開されているため、その議論の内容自体に「公共の利益を害するおそれ」がないことは明らかである。会議も公開されているので、発言者名の公開に「公共の利益を害するおそれがある」こともありえない。「公共の利益を害するおそれがある」のであれば、会議の公開も、議事録の公開もありえない。

会議の内容は、熊本県の球磨川流域の住民に大きな関心を呼んでおり、地元紙では、発言者名入りでかなり詳細な報道もなされている。また、傍聴者によってインターネット上で発言者名入りの「なんちゃって議事録」も公開されている。傍聴を許した時点で、議事録だけは発言者名を伏せることで守れる公共の利益などは存在しない。

発言者名を含めて議事録を公表することは、一般傍聴者が知りえる情報と、地理的、経済的理由によって傍聴が不可能な者との間の情報格差や不公平を是正することになり、「公共の利益を害する」こととは正反対で、公共の利益を増進することになる。

河川法行政においては、事後的に議事録が発言者名と共に公表され、記録として残らないことの方が、「公共の利益を害するおそれ」が大きい。この小委員会は河川法16条に基づいて生命・財産を守る上での河川事業の基本となるべき方針を定める役割を大きく担っている。一方、この小委員会に出席する学識経験者よりも流域住民の方が、流域について詳しい知見や経験を持っている場合があり、小委員会の決定が直接、住民に影響を与える以上は、どのような専門性や立場、利害関係を持った委員がどのような発言をして決定がなされたかが明らかになっていることが妥当であり公正である。また、この小委員会で審議、決定される河川整備基本方針に続き、河川法16条の2 に基づいて河川整備計画が策定される。その第4号で「関係住民の意見を反映させるために必要な措置」が取られることになっているが、その時点で、河川整備基本方針のあり方についても再度検討をすることがありえるという国土交通省の方針が、平成957日衆議院建設委員会での河川局長答弁で明らかになっている。方針の見直しが行われる場合に、発言の内容を発言者名も含めて再検証ができないことの方が、河川法の運用上も不当である「公共の利益を害するおそれ」がある。

最後に、憲法第12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」とある。審議会の密室性を減少させていく努力は、憲法に定められた国民の責務である。かつて国土交通省関連の審議会は高い密室性を保持していた。それを先人たちの努力が傍聴を可能とするまでに至った。密室性を減少させる努力をさらに続けることは公共の福祉のためにも重要であると考える。 

なお、口頭での意見陳述を求める。またその際、補佐人の同席を求めることもある。

以上

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月15日 (日)

何が分からないかの説明

「通りすがりさん」という方から、『「ZenZen分からん」という印象は持ちませんでした』というコメントをいただき、以下のように、コメントでお返事しました。確かに、審議の全体像が分かっていないと、よく分からないですね、ということで私の落ち度。ということで、以下のようにお返事しました。念のため。

~~通りすがり様 コメントありがとうございます 言葉足らずだったかもしれません。そう。これだけを読むとそうですね。言葉を足します~。分からないのは、まず、1)「ダムがあるのでかえって洪水が起こるという地元の人たちの話」はきちんとした意見書で寄せられていました。これについて、しっかりと議論されていません。2)ダムに限界があることが分かっているのは、ダムで洪水が起きたと訴えている住民の方です。3)だからダムはこれ以上作ってもらっては困る(ダムは限界がある上に、その限界を超えるとダムを守るために放流して洪水を下流に引き起こしてしまうから)という訴えに対して、「限界があることを,十分に説明して理解してもらえば,「ダムがあるからかえって洪水が起きた」という誤解は少なくなる」という説明は、ハズレです。というわけで「何をこの人はダムには限界があって、そのに害ももたらすといっている人たちに言っているのだろう」という意味でZenZen分からないです。人の訴えを理解しないままに、「私はダムの素人です」と言う言葉を枕言葉(免罪符に)なんでも言いたいことを言うのはいかがなものかと思います。という私自身が、非常に言葉足らずで、失礼しました。~~

さらに言葉を足しますが「ダムには限界がある」ということを踏まえて、この人は、「そういうようにしていただいたほうがいいんじゃないかなと、これは私の意見です」と言っていますが、科学的な思考がまったく読み取れません。

議論の出発が「ダムには限界の上に害もありますよ」という住民の指摘にあるなら、それをこの人のように外してしまうのではなく、真正面から受け止め、最低でも次のような提案またはその組み合わせで、意見を言うことが考えられるのではいでしょうか。

1)球磨川水系の問題として、「川辺川ダムなし」で行った場合のオルタナティブな案を比較検討のために国交省に出させる。

2)限界があってもダムでいく。

3)球磨川水系の問題として、「市房ダムの運用」を見直すよう提案する。

4)球磨川水系の問題として、川辺川ダムと市房ダム、二つのリスクファクターが重なっても、リスクは減少するという証拠を国交省に出させ、比較検討する。

5)球磨川水系の問題として、ダム洪水被害を受けた人吉地区の防災計画(まちづくりを含め)をダムなし、ダムありで、比較検討ができるよう人吉市長(委員会に出席していますから)に提言する。その結論が出るまで、(いわば、地元に議論を差し戻す形にして)委員会の議論は中断するよう提案する。

6)球磨川水系の問題として、「川辺川ダムができたら怖い」という住民に対し、川辺川ダムができても大丈夫という十分な説明と論拠を国交省にさせ、委員会として責任をもった結論を出す(出せないと思いますから、そういう場合、直接、住民に出席してもらって納得できるかどうか

7)ダム全体の問題として、親部会である河川分科会に対してダムの限界について検討することを提案する。ダムによってダムの下流で洪水が起きたとする全国の事例をまとめさせ、それをもとに「ダム洪水」についての知見を高めるよう、同時に提案する。もっと言えば、基本高水が決まった途端に、ダム事業も決まってしまう治水計画のあり方について見直すよう、提言する。

8)ダムには限界があることを前提として、ダム以外の代替案についても治水計画として議論できるようにすべきではないかと、治水の方法論として、親部会である河川分科会、および、社会資本整備全体の問題として議論するよう、親の親部会である社会資本整備審議会に対して提言する。

それくらいのことをやって、はじめて、「学識経験者」としての役割が果たせるんじゃないかなぁと思います。今、出席している学識経験者は、その辺の役割みたいなものをまったく認識していない。

河川審議会を社会資本整備審議会にまとめたのは、縦割り行政を排除するためだったのに、その辺の経緯すらまったく理解しないまま、国土交通省河川局河川計画課の思考の範囲内で、彼らが出してきた原案を、シャンシャンと右から左へと通しているだけ。縦割り追認、原案追認、住民の意見排除機関としてしか、機能していない。。。。。

というわけで、通りすがりさんのおかげで、モヤモヤしていた不満がやっと吐き出せました。背骨で反応して書いていますので、まだ言い足りていない感じもしていますが、また、通りすがってください。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月14日 (土)

ZenZen分からん大賞

探し物をしていたら、球磨川水系の河川整備基本方針検討小委員会の議事録で、こんな議事を見かけた。

JanJan大賞」ならぬ、

ZenZen何が言いたいか、分からない大賞」を授与したくなりました。

46回河川整備基本方針検討小委員会(平成18810日)

(委員)  時間も迫っているんで簡単に申し上げます。先ほど○○委員のほうから、きょうの議題とは違うけれどもということで、ダムの話がありました。前回、私、ダムについて若干ご質問をしたんですが、このことについては、直接の答えはなかったんですけれども、私が申し上げたかったことは、ダムがあるのでかえって洪水が起こるという地元の人たちの話があるんですが、それに対して、そんなことはないよという、こういうことなんですが。
  私も全くダムの素人なんですけれども、例えば、参考資料、きょうは説明はなかったんですけれども、この3の9ページのところに、市房ダムの洪水調節として書いてあるんです。その中で、一番下に赤丸1,2,3,4と書いてあるんですよ。そうすると、ピーク流量が落ちたところで放流をすると書いてあるんですが、これは理論的には、なかなか落ちない、もう相当の雨量がある場合もあるわけです。だから、そういうときには落ちないわけですよ。そのときにどうするかということは、この説明には書いてないんです。例えば、そういうふうに、もっと一般の人に、いや、ダムにも限界があるんだと。森林にも限界があるという話がありましたけれども、ダムにも限界があるんだということをちゃんと説明するようなことをすれば、ダムがあるからかえって洪水が起きたというようなことはないんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、そういうことを実は前回申し上げたかったんですけれども、そういうようにしていただいたほうがいいんじゃないかなと、これは私の意見です。

     「そういうふう」ってどういう風よ・・?「こういうふう」な審議を学識経験者が、日本全国の一級河川について議論して、決まっていっています。

●揚げ足取りが好きな方には必読の書!河川整備基本方針検討小委員会の議事録・・・誰だこのタコっ!という気持ちになりますよ。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2006年9月23日 (土)

開示請求戦争の続き

会議を公開までしているのに議事録から発言者名を伏せて公開している社会資本整備審議会河川分科会の問題で、以下のようにお伝えしてきましたが・・・・

やっと開示請求に(430)

宣戦布告ですか?(51日)

そう来ましたか?(51日)

テープは業者のものだって?(51日)

不開示決定→異議申し立て→諮問まで

その後、515日(請求から1ヵ月後)に、行政文書不開示決定が国交省から届き、これを受けて、616日に不開示決定を取り消して欲しいと、国交大臣宛で異議申立書(以下)を提出していました。これに対し913日に情報公開・個人情報保護審議会へ諮問するという通知が来ました。まずはそこまでお伝えします。

∞∞∞∞

2006616

異議申立書

国土交通大臣殿

異議申立人 政野淳子

1.異議申立人の住所、氏名、年齢

氏名 政野淳子

住所 略

年齢 略

2.異議申立てに係る処分

2006515日の行政文書不開示決定(国広情第43号)

3.処分のあったことを知った日

2006517

4 異議申立ての趣旨

前2項記載の処分を取消すとの決定を求める。

5.異議申立ての理由

(1)異議申立人は2006413日付けで、処分庁に対し情報公開法に基づき「社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)の発言者名入り議事録及び録音テープ」の開示請求を行った。

(2)処分庁は2006515日付で「①社会資本制度審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)議事録(発言者名入り)、②社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)の録音テープ」を不開示とする処分を行った。

(3)本件処分の理由として以下の記載があった。

 行政文書の不存在(当省では、当該小委員会における速記録作成のため、民間速記業者と年間の単価契約を締結しているが、当該契約により納入することとなっている成果物は、審議の内容を記録した速記録(フロッピーディスク及び印刷出力物)である。

 上記文書①について、当該小委員会における速記録の作成方法に当たっては、速記内容を文書化する際には発言者名を除くよう、当省が速記業者に指示しており、速記録が納品された時点では発言者名は除かれている。議事録はこれを元に作成しているため、上記文書①について、作成・取得しておらず、保有していない。

 上記文書②において、速記録作成の際、速記業者は速記とテープ録音を併用しているが、録音テープについては納入すべき成果物ではないため、上記文書②について、作成・取得しておらず、保有していない。)

(4)しかし、以下のことから本件処分には理由がない。

第一に、「不開示とした理由」として「行政文書の不存在」をあげ、国土交通大臣は、その根拠として「当省では、当該小委員会における速記録作成のため、民間速記業者と年間の単価契約を締結しているが、当該契約により納入することになっている成果物は、審議の内容を記録した速記録(フロッピーディスク及び印刷出力物)である。上記文書①について、速記内容を文書化する際には発言者名を除くよう、当省が速記業者に指示をしており、速記録が納品された時点で発言者名は除かれている。議事録はこれを元に作成しているため、上記文書①について、作成・取得しておらず、保有していない。上記文書②において、速記録作成の際、速記業者は速記とテープ録音を併用しているが、録音テープについては納入すべき成果物ではないため、上記文書②について、作成・取得しておらず、保有していない」としている。

しかし、議事録の作成を業務委託していることをもって、録音テープに処分庁の管理が及ばないということはできず、処分庁の所在地に録音テープが現にないとしても、所在地にないだけであって業務委託先の録音テープについては委託した業務の範囲、すなわち本来処分庁が行うべき事務を代替していることから、業務の実施で作成・取得された文書については処分庁が組織的に保有している文書と言うべきである。したがって、処分庁の所在地に存在していないことを理由に録音テープを不存在とした決定は違法である。

また、そもそも速記録から発言者名を除く納入方法に指定したのは、国土交通省河川局河川計画課総務係によれば「今年度から」のことであり、発言者名入りの議事録の公表を申立人が求め始めた1月10日以降に、不存在を理由に不開示にするための対策であるのではないかと推察する。

もしそうであるとすれば、会議における発言者を開示請求による開示から逃れるために行った、極めて後ろ向きの対応であり、情報公開法が目的規定において政府に求めている、行政文書開示による説明責任を自ら放棄したものである。もしそうでないとしたら、なぜ、これまではそのような納入方法の指定がなく、わざわざ今年度からそのように指定したのか、理由と根拠を明らかにすることなく、不開示が認められるべきではない。

申立人がテープと発言者名入りの議事録を、小委員会の開催当日である413日に請求をしたのは、録音テープが行政文書であること、発言者名入りの議事録は作成されているとの確信から開示請求を行ったものである。テープと発言者名入りの議事録が、誰のものであるかは、その情報の所在や所有の扱いを自ら左右できる国土交通省自らが行うべき判断ではないばかりか、文書の作成方法を恣意的に判断できるものではない、という判断からである。録音テープ及び発言者名入りの議事録は、業務委託により取得・作成されていると処分庁はするが、前述の通り、あくまでも本来は行政機関が実施すべき業務を委託しているのであって、行政機関が作成しようと委託先が作成しようと、公費を使った業務であることに何ら変わりはない。これらについて、開示の請求を受けて処分庁が適切にその業務実態を判断していれば、行政文書として開示・不開示等の判断ができたはずである。そうすれば、申立人は全面不開示や部分開示であった場合は、不開示部分につき第三者の判断を仰ぐ機会を得ることができるはずであった。

これはすなわち、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第1条で目的として定める「政府の有するその諸活動を国民に説明する責務」の放棄であり、「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」に反している。これが第一の不服理由である。

第二に、「不存在」は不自然である。審議会事務局と審議委員の間では、「国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開する」ため、議事録確認のための委員名を入れた議事録を昨年度までは作成していたことを河川局河川計画課総務係も認めている。また審議委員側からもこの事実を確認している。納付方法の指定を変えた今年度も、審議委員側とは依然として「国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開する」ため、議事録確認のやり取りを行っている。しかし、確認行為を双方にとって発言者名のない議事録でやり取りすることは、不合理、非効率かつ不自然極まりない。双方、多忙を極める中、国土交通省は発言者を○○委員とした議事録を送り、また委員は○○委員とされた数十ページにわたる全議事録から自らの発言を探し出して確認を行うことになる。これは合理的な業務ではない。また、審議委員本人が自分のものと判断して過不足・修正を入れた発言が、必ずしも本人のものかどうか、審議会事務局担当者が確認するためには、なんらかの識別をいずれかの時点、いずれかの方法で行っているはずである。この点から「不存在」は不自然である。

すわなち、あらかじめ発言者名を入れた議事録を取得しないよう工夫をこらし、「不存在」の状況を作りつつ、一方で、発言者と発言内容を一致させるために、なんらかの別の記録と照らし合わせる作業が余分に行われるはずであり、効率性が求められる行政の業務運営の観点から問題がある。これが第二の不服理由である。

(5)以上のように本件処分は本法の解釈、運用を誤ったものである。よって、その取り消しを求めるため、本異議申立てを行った。

6.処分庁の教示

 「この決定に不服がある場合は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、この決定はあったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、国土交通大臣に対して異議申立てをすることができます。」との教示があった。

以上

∞∞∞∞

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月19日 (月)

議事録・不存在の理由

前回の続き(Freedom of informationというカテゴリーをクリックすると一応はつながるはず)です。

元々、このテーマは利根川水系の河川整備基本方針の審議を傍聴していたある方が、2005年123日に行われた日弁連などのシンポジウム「河川管理と住民参加」で、フロアから「発言者名も公開すべきではないか?」と問うていたのを、「そりゃ、そうだ」と考え、こだわり始めたのが最初。

各水系について話し合われる本質的な議論からは離れているが、民主主義や住民参加のインフラ整備という点では本質的な問題だ。ジャーナリストというアウトサイダーであるからこそ、チャレンジする余裕もある(ほんとはイッパイイッパイで余裕などないが)と思い、ここはトコトン追求してみることに決めたのだ。

社会はできるところからコツコツと積み上げていかないとよくならない。ある日突然、バ~ンと変わったりはしない。やればやっただけの変化は必ず起きるのが社会だ。

開示請求に先駆けて、要請書を出したり、担当課長や委員長や委員に直接、話しかけてみたり、いろいろトライしたが、そうこうするうち、届いたのが「行政文書不開示決定通知書」だった。

以下、抜粋~~~国交省から届いた平成18年5月15日の「行政文書開示決定通知書」より

不開示決定した行政文書の名称

      社会資本制度審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)議事録(発言者名入り)

      社会資本整備審議会河川分科会 河川整備基本方針検討小委員会(第37回)の録音テープ」

「不開示とした理由」

行政文書の不存在(当省では、当該小委員会における速記録作成のため、民間速記業者と年間の単価契約を締結しているが、当該契約により納入することとなっている成果物は、審議の内容を記録した速記録(フロッピーディスク及び印刷出力物)である。

 上記文書①について、当該小委員会における速記録の作成方法に当たっては、速記内容を文書化する際には発言者名を除くよう、当省が速記業者に指示しており、速記録が納品された時点では発言者名は除かれている。議事録はこれを元に作成しているため、上記文書①について、作成・取得しておらず、保有していない。

 上記文書②において、速記録作成の際、速記業者は速記とテープ録音を併用しているが、録音テープについては納入すべき成果物ではないため、上記文書②について、作成・取得しておらず、保有していない。)

~~~抜粋、以上

不開示となれば異議申立は当然する気だったので、ツラツラと準備をし、行政不服審査法に基づいて、先週金曜日にようやく、これまた生まれて初めての「異議申立」を郵送した。月曜日には彼らの手元に届くだろう。さて、情報公開法では、申し立てられた異議を「諮問」にかけないで長時間放置するというのが問題になっている。これはどのように扱われるだろうか。

さて、その結果を待つ間、またしばらく、このグサグサなというか、奇妙奇天烈な情報へのアクセス・インフラの上で議論される本質的な話に戻っていこう。

しかし、その前にいくつかお知らせや紹介したいことがある。

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

不開示通知、届く

2006年517日、生まれてはじめて「不開示通知書」なるものを受け取った。

いままで、いろいろ必要に迫られて開示請求を行ってきたが、開示できなかったものは何一つなかった。中には、「それは本来、開示するかしないかの判断は不要で、提供すべきものなのに」と思いつつ、馬鹿め!と思いながら請求したものもある。

いまだに情報公開法の意義や使われ方を理解していない行政マンがいるからだが、新しい法律や制度の運用や解釈ではある意味、そういうものだと腹をくくるしかない面もある。(本当はそれじゃ困るので、真剣に考えて欲しいのだが)

中には、「提供して!」→「提供できない」→「じゃぁ開示請求します」→「提供するから取り下げて」となったものもある。業務の効率性から言えばそのほうが正しい場合がある。

今回も、この審議会は、取材も傍聴もさせているんだから、「公開にならないワケがない」とタカをくくっていたら、先日 抱腹絶倒的悲劇テープは行政文書 あたりでお伝えしたような、信じられない雲行きになってきた。

不存在という通知が来ることは必至だという予測は簡単についた。そこで、こちらも、ここに書いたかどうしたか忘れてしまったが、議事録作成の委託を国交省内のどんな部署がどんなふうに行うのか、委託先の社名まで調べ上げたりなぞ、いろいろして、へぇと思う発見がいろいろあった。(くだらないことに時間を使ってしまったものだ)

そしてやっぱり予測どおりとどいたのが、「不存在」を理由にした国土交通大臣様からの「不開示通知決定書」なるものだった。会議の日を違えて3回請求したうち今のところ2回分届いている

まさのあつこ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月 2日 (金)

発言者名入り議事録

平成18413日 第37回河川整備基本方針検討小委員会の議事録

掲載されました。発言者名は伏せられています。

しかし、熱心な流域住民は、誰がどのような立場で言ったのかに関心を持っていますので、自分の傍聴メモとそれを合わせて、さっさと

自前の「発言者名入り議事録」を作っています。

私が「不存在」を理由に「不開示通知」を受け取っている間に^^。

以下、つる詳子さん作成の「発言者名入り議事録」から議事の方を略してアップロードしました。こちら↓と合わせてお読みください。

http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai/shakai/060413/060413-1.html

37回河川整備基本方針検討小委員会(議事録)  

平成18413

(略)

1.開      会

(事務局) それでは、お時間が参りましたので、ただいまより第37回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。(略)

2.議      事

(近藤委員長>水資源協会理事長.元河川局長) 近藤でございます。本日は、委員の皆様にはご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、議事に入ります。球磨川水系の河川整備基本方針について審議をいただくことになりますが、本日は、まず球磨川水系の特徴と課題について議論をいただきたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

(事務局) 事務局布村でございます。

 まず最初に、ほんの数分でございますが、ちょっと画像を用意してございますので、少し空から見た球磨川というのをごらんいただきたいと思います。(略)

(近藤委員長>水資源協会理事長.元河川局長) ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明について、ご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。(略)

(福永委員>人吉市長)

 ただいま○○委員から発言のお許しをちょうだいしまして、大変恐縮で、かつありがたく思っております。○○委員と申します。今日は、このような機会を与えていただきまして、まことにありがたく思っております。

(近藤委員長) ありがとうございました。

 それでは、九州地方の河川にお詳しい○○委員からお願いいたします。

(小松委員>九州大学院工学研究院.環境水理学) 質問と要望が幾つかあります。まず第一に、80分の1という球磨川に対するこの確率は妥当なのかということ。(略)

(近藤委員長) それでは、第2点は、次回に十分資料を用意して説明していただくことにしましょうか。第1点と第3点、現時点でお答え願いたいと思うんですが、事務局お願いします。

(事務局) 1点目の47年、57年は、これは雨の降り方でございまして、本川系と……。

(近藤委員長) 違います。80分の1の問題について。

(事務局) 大きいか小さいかということですね。

(近藤委員長) 80分の1が妥当なのかということ。

(事務局) ちょっとこれも次回、グラフでも少し用意したいと思いますが、全国的に見ますと、今直轄で管理しています川というのは、周りの市街地の状況、川の大きさで200年に1回ぐらいのもの、それから、150年に1回ぐらいのもの、それから、その他のものが100分の1ぐらいのもので、新しい計画として80分の1にしたものというのはございません。(略)

(近藤委員長) それでは、第1点についてはまた、この委員会の重要な審議テーマでもございますので、追ってそれぞれ議論したいと思います。(略)

(池淵委員>京都大学防災研究所.水文循環工学) 今ご説明のあった資料で申しますと、この雨を引き伸ばして流出解析としては貯留関数でなされて、それで、結構大きな出水等で再現をされてというお話を聞かせていただきました。それで、この貯留関数法というものであって、この同定されたパラメーターによってはちょっとばらつくとか、変動するという内容もあると思うんですが、この基本高水を出されたときの引き伸ばしの雨に対しての流出のパラメーターの計画値というか、そういう形のものが、どういうセットでなされたのか、そういったあたりを少し資料等でいただければなと思うのと、(略)

(近藤委員長) では、○○委員お願いいたします。

(福岡委員>中央大学研究開発機構教授.河川工学) 次回で結構ですが、用意していただきたいことをお願いします。(略)

(近藤委員長) 大変基本的なところでございますので、次回に検討した資料を提出してもらいたいと思います。

 ○○委員お願いいたします。

(虫明委員>福島大学理工学部.水循環システム科学) 私も3点ばかりなんですが、先ほど○○委員からもご指摘のあった80分の1というのは、かなり気になります。(略)

(近藤委員長) では、防災にお詳しい○○委員のほうからひとつお願いします。

(伊藤委員>防災情報機構会長.元NHK科学番組ディレクター) 川というのは上流を見なければいけないわけでありまして、川辺川の上流地帯というのは大変土砂崩壊が起きやすい。(略)

(近藤委員長) では、都市計画部門の専門家で、○○委員のほうからお願いいたします。

(岸井委員>日本大学理工学部.都市計画) 2つばかり、「お尋ね」になるのかもわかりませんが、1点は、今日の資料でいいますと、7ページのところに、これまでの洪水等の実績の表がございまして、平成11年に高潮による浸水被害が出ているやに見受けられます。(略)

(近藤委員長) これは今、即答できますか。

(事務局) 2つ目のことでよろしいでしょうか。(略)

(岸井委員) やっていただける、そういう方法は一般論としてあるんだという理解でよろしいですか。(略)

(事務局) はい。制度としても、現在の制度も、そういうことができる前提なんですけれども、現実的には先ほど言ったコストとの関係だとか、実際その地元の方が皆さん合意できるか、(略)

(近藤委員長) ちょっと答弁が不十分です。私有財産を税金で金をかけて安全にするというのは、本来だめなんですよね。(略)

(越沢委員>北海道大学大学院工学研究科.都市計画) ちょうど今、このことが話題になりましたので、ちょうど、この資料2の、この中流部のところの宅地かさ上げ方式のところですが、ちょっと図面と、この統計を持っていて、やや疑問に思ったということがありまして、(略)

(近藤委員長) それでは、地元からご出席いただきました○○委員さんからご意見賜りたいと思います。

(潮谷委員>熊本県知事) ありがとうございます。今、資料、そして、皆様方のご意見をお伺いしながら、(略)

(近藤委員長) 大変重要なご発言でございましたので、重く受けとめて、今後の議事運営に反映させていきたいと思います。(略)

(谷田委員>大阪府立大学大学院理学系研究科生物学)  教えていただけたらありがたいんですが、私の専門ではないんですが、8ページの工事実施基本計画の流量の配分図がございますね、古い配分図です。(略)

(近藤委員長) では、同じく○○委員お願いいたします。

(森委員>岐阜経済大学経済学部教授.動物生態学) よろしくお願いをいたします。

 3点ほどお話をさせていただきたいと思います。(略)

(近藤委員長) それでは、○○委員お願いいたします。

(綾委員>日本工業用水協会顧.排水処理技術) 2つほど。1つは、本になった参考資料1を見ますと、渇水というより小雨ですね、雨が降らなかったのが、最近かなり増えているようであります。(略)

(近藤委員長) それは、次にまた機会ありましたらということでお願いしたいと思います。

 では、○○委員お願いいたします。

(岡本委員>林業土木コンサルタンツ.元北海道営林局長 森林の話が随分出ていまして、私も森林にかかわる仕事をしておりまして、いろんな意見もあるんですけれど、時間もないようですので、今回はいたしませんが、(略)

(事務局) 上流域全体の平均でございますが、ただ、観測所があるものです。

(近藤委員長) だから、質問は、観測所が何カ所でということです。

(事務局) すみません、ちょっと手元にございませんので。

(岡本委員) それでは次回で結構なんですけれども、私これ、個人的感想になるのかもしれませんけれども、前々から、森林の雨量については、観測が、過去にも整備されてきていませんし、それから、観測地点を設けたとしても、落雷等、いろんな障害がありまして、非常に観測が難しいという点があります。(略)

(近藤委員長) さっきの○○委員の紹介では、地元でも結構何か、観測したという事例もあるようなんで、次回以降でまた紹介していただいて、ご審議をお願いしたいと思います。

 それでは、○○委員どうぞ。

(坂本委員>日本水道工業団体連合会理事.元厚生省水道環境部環境整備課長) ちょっとまた国交省に辛口のことを申し上げます。今回のこの球磨川の論点は、まさにダムにあるということでございまして、マスコミの方もたくさんいらっしゃっているというのは、まさにこれがどうなるかということだと思います。(略)

(近藤委員長) それでは、○○委員お願いいたします。

(森田委員>日本水土総合研究所理事長.元農水省構造改善局次長) 今日の説明で、少し説明が少なかったと思いますのは、正常流量の関係なんですけれども、また、いずれ説明はしていただけるかなと思うんですが、(略)

(近藤委員長) 私の不手際で時間が超過してしまいました。一通り皆様のご意見を伺いましたが、この際、とにかく一言言っておきたいということはございますでしょうか。○○委員。

(小松委員>九州大学院工学研究院.環境水理学) 今日配られた意見書に、「球磨川の自然に多大な影響を与えるため、各種世論調査の結果を見ても、住民の大多数はダム建設に反対しています」という記述があるわけですね。(略)

(越沢委員>北海道大学大学院工学研究科.都市計画)1点さらに追加でお願いしたいんですが、実は今回、住民団体の方の大きな論拠は、森林がこういうふうに管理できるはずだという大前提ですけれど、(略)

(福永委員) ○○委員がおっしゃられましたことについて、私も同感でございます。この意見書に、「住民の大多数はダム建設に反対しています」。この住民というのは、どの辺の住民かわかりませんが、(略)

(潮谷委員) ただいまの○○委員のご意見ですけれども、各種世論調査というのは、これはいろいろとこれまでデータも出ておりますので、(略)

(近藤委員長) それでは、それぞれ予定があるようでございますので、これで打ち切らせていただきます。

 本日は、球磨川流域の概要、治水・利水・環境の現状や課題、基本高水の算出の仕方まで紹介がありました。(略)

3.閉      会

(事務局) 熱心なご討議、ありがとうございました。
 次回の委員会の開催日時につきましては、別途ご連絡をいたしますので、よろしくお願いします。
 お手元の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送をご希望の方には、後日郵送させていただきますので、そのまま置いておいていただければよろしいと思います。
 これで閉会をいたしたいと思います。どうもありがとうございました。
 次回は、5月10日の1時からでございます。会場は、この場でございます。失礼いたしました。

=====

ということで、発言者名入り議事録「不存在」という「不開示理由」(そのうち全文アップします)が空しく響くわけですが、川の問題とはずれる問題ですが、情報は誰のものかという根本的な問題なので、これはこれで、最後までいきます。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年5月27日 (土)

アンケートの効用?功罪?その3

社会資本整備河川分科会・河川整備基本方針検討小委員会の委員長の反応も同じことであった。

先ほど来のやり取りを隣で聴いてにわかに思い出したのか、「発言者も合わせて公表することを委員に諮っていただけませんか?」と言うと、「君は失礼だ」と言いながら、マスコミ陣に囲まれたまま階段を下りていった。

そこにタイミング悪くも私の携帯電話が鳴り、それを切る動作でタイミングを逸した上、他のマスコミ陣に遮られてしまい、それで終わった。彼らは審議の中身(森林の保水力)について、必死で聞いているので譲らざるを得ない。しかし空しい。

あとは、「不存在」という決定が、郵送で届くのを待つことになった。

ソフトランディングはないのだ。

ここまでが社会資本整備河川分科会・河川整備基本方針検討小委員会の発言者名を含む議事録公開を求めての、5月10日までのできごと。

さて本質論である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アンケートの効用?功罪?その2

「だいたい君は失礼じゃないか!」
驚いたことに、突如として、福岡センセは大きな声で怒り始めたのだ。
「専門家に対してあんなアンケートを送りつけるなんて!」
「は?」
「『基本高水の算定方法をソラでいえますか?』なんて質問、失礼だ」
「そりゃ、先生は当然ご存知でしょうけど、河川工学の専門家じゃない方もおられますから、一律に出させていただきました」
「それだって失礼だよ!」
「でしたら、『失礼じゃないか』とお寄せいただければよかったのであって」
「そんなことはせんよ!」

センセの声に、委員長と委員長を質問攻めにしていたマスコミ陣たちも、一瞬、こちらに目を向け、また何事もなかったかのように取材を続けていた。

「それは失礼しました。お詫び申し上げます。
それで質問ですが、発言者名も公開すべきではありませんか?」
「いいんじゃないですか?」
「公表してもいいと?」
「いや、しなくても。委員会全体としての意見が重要なんだから」
「そのプロセスでどなたが何を言ったからどのような結果が出たかということが重要では?」
「どうしてですか?」
「どのような議論がなされたからどのような結果となったかということが傍聴に来る人だけでなく、来られない人も後追いで見ることができるということ」
「私はそうは思いませんね。委員会全体としての意見が分かるんだからいいでしょ」

と、「失礼だオーラ」を発しながら、行ってしまわれた。
こりゃ、ダメだなと思った。失敗である。

『基本高水の算定方法をソラでいえますか?』 という質問項目をソラで言われるほど(^^;)、強烈な印象を与えて嫌われてしまった(^^;)。

委員名の公表までソフトランディングをと思っていたのに、墓穴を掘ってしまったのは私か(ため息)、みたいなショック。

後にある研究者に、この衝撃的な事件のことをぼやいたら
「研究者はプライド高いですからねぇ」と一般論を言う。
「高いですねぇ。びっくり」
「その上、子どもっぽいんですよ。研究ってのはある意味、純粋な心をもっていなければ出来ませんからね。すぐ感情的になるんですよ」
「いやもうびっくり」

一般的に研究者というのはそういうものだと聞いて、気が軽くなったが失敗は失敗である。

全委員の中で基本高水の算定方法をソラで言える人のは、2,3人だろうと思っていた。他の委員は、河川工学の「カ」の字も知らないに近い委員だ。

しかし、好むと好まざると、河川整備基本方針を策定する上での基礎、意義ぐらいは十分に分かってもらわないと、ハナシにならないはずで、アンケートのターゲットはそういう「素人委員」のつもりだった。

想定外の反応を、今頃になって知り、落ち込んだ。
てっきりちゃんと届いていないか、目も通さずゴミ箱いきかと思っていたのに。

「敗北」と思った。

でも、努力は続けなければならない。
振り返ることなく、委員長の方へと近寄っていった。(続く)

・・・はぁ、コシ辛いのでちょっと休憩。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アンケートの効用?功罪?その1

発言者名入りの議事録の開示請求に対する不開示決定が出る前にやるべきことがまだあった。「発言者名入りで議事録を公表すべきではないか。委員に諮ってもらいたい」と、もう一度、委員長に直談判することだ。

人生やらないで後悔するよりやって後悔した方がいい。

510日、球磨川水系の基本方針策定の2回目の審議の後、委員長に聞きに言った。と、マスコミ陣に囲まれている。もちろん、彼らが浴びせているのは審議の中身についての質問である。ふと見ると、委員の一人の福岡捷二・工学博士(中央大学研究開発機構教授)が帰る準備をしている。

そこで一委員としてどう思うか聞いてみようと「ひとつ質問をしてもよいですか?」と聞いた。「どうぞ」「現在ネットで議事録を公表する際、発言者名のところだけ伏せられています。それも公表すべきものだと思っているんでけどいかがでしょう」そう言いながら、取材であることが分かるように、ジャーナリスト名刺を差し出して言った。

すると意外にも「あ。この名前はどこかで見たぞ」という。「え?そうですか?」「なんかメールをもらったぞ。アンケートだとかって」(実際にはFAXもしくは郵送だったと思う)

「あぁ」、と失礼にも自分で送りつけておいて忘れていたものを思い出した。

カナダ取材に出る前(18)に出し、帰国後(1月23日)までに受け取れるよう締め切りにして「えいやっ」と出していったアンケートだ。

5項目からなるもの。昨年(05年)秋以来、傍聴する中で、あまりに「基本高水」という重要な要素についての審議がないので「ヒドイ」と思い、その重要性や意味、審議できる “特権”と“責任”を自覚しているのか、意識喚起することを狙って出したのだ。

1.河川整備基本方針の肝は基本高水であると、知っていますか?

2.基本高水の算定方法をソラでいえますか?

3.住民参加は、河川整備計画の策定段階で、必要とあらばという条件つきでしかできず、そこでは基本高水の議論ができないとされていることは知っていますか?

4.国土交通省が提案する基本高水の是非を議論し、その是非がチェックできるのは、唯一、社会整備資本審議会でしかないと、お気づきでしたか?

5.基本高水が足かせとなって、川のあり方をゼロから地域住民が決められないことに苛立っている住民がいることに、お気づきですか?

回答欄には (はい  いいえ) その他: とした。

それのことだ。意識喚起が出来ればいい、とダメもとで出しておいた。しかし、不躾なアンケートであることは間違いなく、お願いの出だしは、「突然、不躾なアンケートをお送りすることをお許しください」だった。アンケートの主旨も丁寧に書いたつもりだ。

しかし、誰からも回答が得られなかったので、そのようにこちらでも公表させていただいた。その後、このことは、私の意識からはまったく消えていた。(ま、これはこれで失礼なことなんだが・・・・)

びっくりなのはここからだった。(続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月10日 (水)

テープは行政文書

おっと、寝る前に、録音テープは行政文書ですので、念のため、書いておきます。

各省庁には、「文書管理規則」というのがありまして、国交省の場合、ここのトップに「本省文書管理規則」というのが載っていて、その(用語の定義) 第3条の第一項に

==============

行政文書    国土交通省内部部局の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式(以下「電子的方式」という。)で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、国土交通省の職員が組織的に用いるものとして国土交通省が保有しているものをいう。ただし、官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。

==============

となっており、この「電磁的記録」に「録音テープ」だろうが「ICレコーダー」だろうが入ります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

抱腹絶倒的悲劇 

さらに続きです。

そもそも52日に電話をもらったのは、「テープを取っておいて」というこちらのリクエストに対し、最初は、担当上司が「不在」とかなんとかで、「回答が連休明けになります」という連絡のはずでした。

でも、前回に書いた「説教」をしているうちに、「ちょっと待ってください」となり、結局、連休明けを待たずに、テープの扱いは「国交省は持っていないので不存在」というワケのわからない判断に収まってしまった(なんだ、上司いるじゃん・・・)。

「テープも上司も、本当は存在するのに、不存在かよ」(内心の声)

それ以上にムッとして「ヒドイことをするんですね」と不快感をあらわにせざるを得なかったのは、発言者名入りの議事録を開示しなくて済むためにやったとしか思えない「今年度から」の河川計画課の「工夫」です。

通常、審議会の議事録をネット上などに公表する場合、審議会の事務局では(今回のハナシの場合、河川計画課が)、発言者にテープ起し議事録を送り、発言部分の確認を取る作業をします。○○委員と公表するには、一度入っていた発言者名を消す手間が余計にかかっていて無駄、と審議委員をやっている人から聞いています。

そこで、51日にこんなやり取りをしました。↓

== == ==

河川計画課君「議事録は最初から委員名を除いて作成しているのでありません」

私「テープ起しをする業者が除いて作成しても、事務局の方で名前を入れて委員たちに送りますよね」

河川計画課君「そうだったかもしれませんが、最近では業者に委託する際、最初から委員名は○○としてくれと依頼しているのでありません。」

== == ==

ここで、(まさか、今回から???)とワタシは直感的に感じていたことを書いておきました。それが、なんと、アタリだったんです。

実は、今回、怒りに任せてこのブログにぶちまけたことでさらに情報源が増え、読んだ知人から、この小委員会の場合として、一度は発言者名で入った形で議事録を作成しているという情報が入ったので、100%の確信をもって、「情報として持っていますから、ウソをつかないでください!」とピシっと言ったところ、河川計画課君、すんごく嬉しそうにこう言ったんです。

河川計画課君「それは前回までですよね!今回からは、委託先に委員名を取り除いてテープ起しをするよう依頼したんですっ!」

う。絶句。ピクピク@@;そして不快感。

「ヒドイことするんですね。開示請求をしたからですか」と私。

河川計画課君「いえ、今年度からがそうなんです」と嬉しそうな笑みが電話の向こうからこぼれる(テレビ電話でなくても表情は読めます・・・)。

私「ヒドイことするんですね。開示請求したからですね」

人のそういう意図に触れるとき、どよ~ん、と落ち込みます。

ヒドイなぁ。何故、そこまでやってしまうのか?

そりゃ、こちらも十分にスマートとはいえないかもしれないが、発言者名入り議事録の公表がソフトランディングできるよう、口頭での度々の指摘(課長)→要請書(委員長)→口頭でのフォロー(課長)と、数ヶ月の猶予を差し上げたつもり。挙句に開示請求を行った。この時間を使ってよい方向に転換してくれればいいものを、最後に「不存在」となるように策を練った。どよ~ん。

明日、近藤徹委員長に、もう一度、委員長から委員の皆さんにネットでの公表の仕方を諮ってくださいとリクエストしたい。しかし、だいたい、委員長宛に前回ワタシが出した要請書は、担当課長もしくは課長補佐のところで止まっているのではないのか?というのがワタシの推測である。

河川整備基本方針検討小委員会の運営に関しては、前回初傍聴を行った熊本県民からも、近藤徹委員長宛に要望が言っているようで、その要点は以下の通り(括弧内はワタシの勝手なコメント)。

①発言が聞こえるようにして(ボソボソと聞こえにくかったそうである)

②議事録は、次回の委員会までに公表して(そりゃ、そうである)

③出された意見書を小委員会に報告するように事務局に伝えて(当然である)

果たしてこれらがきちんと反映されていくのか、そしてそれと同等もしくはそれ以上に、前回、委員長自らが言った熊本で行われた住民討論集会の「追体験」を始めるのか、約8時間後にはまた次なる球磨川水系の河川整備基本方針を検討する小委員会を、ワタシは傍聴しているのである。

本質のこともちょっとは書きたかったのに、その余裕がなくなってしまった。明日は書けるだろうか。お休みなさい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

テープ保管スペースはいかほど?

また続きです。

前回までのやり取りを読んだ方からは、「笑ってしまった。いや、笑いごとじゃないんだけど」とか「怒りを通り越して笑っていまいました」という種類のフィードバックを最も多くいただきました。

ことの本質(後日、ワタシも遅すぎないタイミングでおさらいしますが、すぐフォローしたい方は、熊本日々新聞のウェブサイトをご参考に)からズレ続けて恐縮ですが、「その後から本日」までの、抱腹絶倒を通り越して泣けてくる河川計画課君とのやり取りについて、不本意ながら報告しておきます。

5月2日、再び河川計画課君からお電話をいただきました。一つには、「録音テープを取っておくように委託業者に指示して」と言ったことに対する回答。

国交省河川局河川計画課君の判断では、ど~しても「録音テープは業者」のものということになるそうです。(そうそう。フィードバックの中に、「『委託』という性質を考えれば、テープは誰のものか分かりそうなものなのに・・・」というのもありました。ワタシもそう思います)

そこで、私は「あのですね」と、説教モードに突入。

クドクド言った内容を短く説明しますと・・・。

国交省は「情報」も「録音テープをどうするか」という判断もすべて握っている。開示をして欲しいという要請があったときに、それが業者のものだとか行政文書ではないと国交省が自分で判断するのは国交省の勝手である。しかし、情報も権限も、すべてを行政が握っているのは適切ではない、その判断が正しいかどうかを判断するのは第三者であって、あなた達(国交省)ではない。それが、情報公開法ができた意味ではないか。テープを取っておけと言ったのは、そういう意味である。

だから、とにかく、取っておいてくれるよう言ってくれ。判断を第三者に委ねるまでの間、テープ一本を、国交省であれ委託先であれ、取っておいてもらうことで誰が損をするのか?誰も損をしないでしょう?

ここまでなら、正論をぶつける気力がありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こりゃ失礼

続きです。前回まで、やり取りした相手を「総務課君」と書いていたのですが、「河川局河川計画課総務係君」の誤りでした。訂正してお詫びします。

前回に引き続き、電話が5月2日にあった際、「河川計画課の」と強調してお電話をいただいたのですが、「前回、総務課って言ったもんな」と思っていたら、「総務係」でした。本日(5月9日)の電話で判明。「そりゃ失礼しました。すぐ今晩中に直しておきます」ということで、本家、総務課さんが迷惑したか、ひょっとして河川計画課さんに「困るじゃないか」と文句がいったりして肩身の狭い思いをさせたかがあったかもしれませんが、失礼しました。

というわけで、河川局の皆さん(?)もこのブログを読まれているようで、わっはっはですが、自然体でいこうかと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 1日 (月)

あくまでことの本質に

それで、一体だいたいなんで、情報公開室ではなくて河川計画課からの電話なのかを聞きました。

すると、「正式には情報公開室から連絡が行きますが、今いったように『不存在』ということであれば、請求を取り下げるか、それとも請求をするかということを・・・」

私「取り下げません。まずテープについてはさっき言ったようにすぐに連絡をしてテープを取っておくように言ってください。委員名についてはとにかく文書で回答してください。」

河川計画課君「名前の入った議事録というように、今はそう書いてありませんから、変更をお願いするかもしれません。情報公開室の方から連絡がいきます」

嗚呼。情報公開室で請求をしたときに何度も言明して「委員名も入れてと、書いたほうがいいですか」と確認もし、「いいえ、いいです」と担当者が言ったのだから、よもや、いまさら、変更しろとは言わないだろう。別に変更しろというなら、どうせ明日、上京するから立ち寄ってあげてもいいですよ。

第一、今回、電話がわざわざ河川計画課から、「委員名」について、確認の「非」公式の、まぁ、言ってみれば、「よしなに」電話をくれたくらい、「委員名を入れて」という、こちらの真意が分かっているんだから、また、どう請求しようが、この調子では、黒塗りだか、白丸だかで、部分開示にするつもりか(それともこのやり取りの結果、考え直して、委員たちに再連絡して委員名を入れてくれるんだろうか)何かなんだろうから、「委員名を入れて」とこちらが変更しようがしまいが、同じことじゃないでしょうか?

嗚呼。 この件は、次に大きな進展がないかぎり、もう書きません。 審議される中身の方が重要ですから、とりあえず、こちらから撃ちたい弾は、撃ちました。どんな弾がきても、どこまでも、撃ち返しますよ。それだけは言っておきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

委員は何をする人ぞ?

続きです。(今にも、今度は情報公開室から電話がありそうですが)

私「二番目の点。委員の名前の公開ですが、審議委員に知人がいるので知っているんですけど、議事録を作成する際、発言者に確認してもらうために名前を入れて委員たちに送りますね。だから委員名を入れたものがあるはずです」

河川計画課君「議事録は最初から委員名を除いて作成しているのでありません」

私「テープ起しをする業者が除いて作成しても、事務局の方で名前を入れて委員たちに送りますよね」

河川計画課君「そうだったかもしれませんが、最近では業者に委託する際、最初から委員名は○○としてくれと委託しているのでありません。」(まさか、今回から???)

私「委員長が発言者を指名するときにも委員名を言いますよね。それをいちいち除いてテープ起しをすることはありえないですよね。」

河川計画課君「それも最初から委員名は○○としてくれと委託しているのでありません。」

私「社会資本整備審議会全部でそんなことをしているんですか」

河川計画課君「社会資本整備審議会全部でどうかは分かりませんが、河川分科会ではそのようにしています」

私(怒りで絶句)

・・・・信じられない。あなたが責任感あふれる、まがりなりにも、研究者・専門家だったとして、2時間を越える審議で自分の発言の確認を○○委員ということでできますか?やりますか?

「この○○が、たしか自分だ」と、そんな感覚で発言を確認するんですか?無責任過ぎませんか?河川整備基本方針の審議に参加できない影響住民に対して、あまりに不誠実だと思いませんか?

最低限、自分の名前が入った議事録で、発言を確認するのが筋ではないでしょうか?そんなことも国交省河川局はさせていないんですか?ありえないでしょう?もしそうなら、それだけで大問題です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

録音テープは業者のものだって?

続きです。

テープが「ないわけがないじゃないですか」と言うと、

河川計画課君「確かに速記者は撮っているのですが、業者はテープを持っているのですが、国交省にはありません」

私「納入業者が持っていたとしても情報は国民のものです。開示請求があったのだから、取っておくべきでしょう。テープを消しちゃったということがないように当日開示請求をしたんですよ。その時点ではあったはずですよね。413日に開示請求をしたのに、私が知らせを受けるのが何故今日なんですか?」

河川計画課君「委員たちに開示請求があったことを聞いてお返事をいただいていたので」

(これはどうも、私のコワイ口調に、口をウッカリすべらせてくれたようです。委員たちと相談して、委員名は「ありません」ということにしたということになりますね。)

私「すぐに業者に連絡して、テープを消さないよう、取っておくよう言ってください。」

河川計画課君「テープが国交省のものであるという判断はありませんでした。」

私「情報は国民のものです。納税者のお金で会議を開いている。納税者のお金で業者にテープ起しを委託しているんでしょう。開示請求をしているんですから、テープが業者のものだと国交省が判断をするとしても、テープを消す前に判断するべきものでしょう。判断の時点でテープは取っておくべきもので、その時点で開示請求をした私に知らせるべきでしょう。業者はテープをまだ持っているはずです。すぐに連絡して、テープを消さないよう、取っておくよう言ってください。」

河川計画課君(納得のご様子)「すぐにこれは業者に連絡します」

私「二番目ですが・・・」

怒れば怒るほど、理屈っぽくなれるのは、どうしてですかね。

普段はボケボケな性格なんですけど(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

そう来ましたか?

続きです。

開示請求に対して連絡があったのは、情報公開室からではなく、河川局「河川計画課総務係(5月9日に「総務課」から訂正しました)」。連絡事項は二つ。用件は一つ。

河川計画課君「テープはありません」

河川計画課君「議事録は最初から委員名を除いて作成しているので(ありません)」

河川計画課君「だから開示請求を取り下げるか?」というのが要点だった。

私「取り下げません。文書で返事ください。しかし、その前に2つ。まず一つ目、テープは後になれば『不存在』と言ってくることもあろうかと審議会があったその日に請求をしました。ないわけがないじゃないですか」

私はめったに怒りませんが、怒ると怖いです(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

宣戦布告ですか?

仕事ノリノリの没頭中に、議事録の名前入り開示請求で国交省から宣戦布告が(笑)・・・。

41310:0012:00過ぎまで開催された「第37回河川整備基本方針検討小委員会」の議事録を13:00過ぎに開示請求にいった理由は、ただ一つ。

「テープ不存在」という面倒な回答を避けるためだった。

納税者である国民から、1時間弱前に開催されていた会議の開示請求を受けた。

「録音テープ」および「委員名入りの議事録」。

あなたが担当官僚なら、どうします?

それを開示するか、しないか。

この単純な判断しかなかったはずです。

他に選択の余地がないタイミングで開示請求をしてあげた。

そういうつもりだったのに、そう来ましたか!

私は怒ると怖いですよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)